コラム特集
「毎年いや~な後味の残るWSLファイナルズが終了」 - F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by WSL/Cait Miersう~ん、なんなんだろうね、カリッサ。またやられちゃってるし。ロウワー得意じゃないのかな。合ってないようには見えないけど、キャロラインみたいにのびのび思いっきりやってるって感じもないもんな。ワンシーズンかけてつけた3000ポイントの差をここでひっくり返されちゃうわけだ。なんかなぁ、やっぱ好きじゃないな、これ。毎年全く同じような、いや~な感じを受けてしまう。
メンズのほうはトップの番狂わせはないものの、ちょっとしたランキングの入れ替わりはあるし、女子は2年連続でタイトルにふさわしい成績をあげていた選手が、ロウワーの1日でひっくり返された。
ピーター・メルがルールはルール、システムはシステムって言ってたけど、まぁそうなんだけど、それで本当に公平に2023年にサーフィンが上手かった人を一番に決められるの? て感じ。まぁ、もとよりジャッジの好みやトレンドのような問題もあるので、公平ともいえないわけだけど、だからって注目度、興奮度優先ってのはないかな、と思う。
メンズはフィリッペ2連覇。ジャッジ好きだなぁ、フィリッペ。とにかく派手にえぐって高く飛べ、ということなんだろう。イーサンふっつ~にすごかったけど、そんなにスコア伸びなかったしな。
女子のほうはアメリカンヤングパワーの時代到来だ。マークス21歳、ケイトリン17歳。これから10年はトップいられるだろう年齢だ。
メンズのほうはもうブラジルの時代長いし、この先も長いのか? って感じ。
思い起こせば2018年にガブが2度目のタイトルをとってから、2020はコロナでタイトルなかったけど、イタロ、ガブ、フィリッペ、フィリッペとずっとブラジルだもんな。
2014年のブラジル初タイトルからの10年間で、2016、17年のジョンジョン除けばタイトルはずっとブラジルなのよね。すごいな、ストーム。ブラジル線状降水帯、長くてでかい。
ジャック・ロビンソン、もうちょっと行けるかなと思ったんだけどね。練習セッションとかも悪くなかったし。まぁ、チアンカが頑張ったって言えるかな。あの日のチアンカは調子よかったもんな。
しかしなぁ、まぁ、グリフィンがやられてるから何とも言えないないけど、キャロラインもイーストコーストからカリフォルニアに移住してるし、フィリッペももう長いことあの辺に住んでるし、このシステムをこの会場で継続するとなると、オージーにはちょっと不公平といえるんじゃないかと思う。スナッパーとロウワーと交代とか、なんか考えたほうがいいかもしれない。だってやっぱり自分の家から行けるのと旅先ではメンタルだいぶ変わるだろうし。まぁ、そうなるとブラジルも入れなくちゃか。
ってね、そういう公平さを保つためにも年間のツアーでトップを決めるわけじゃん。
1年の最後までタイトル争いを引っ張る、その1日で決まる、そのエキサイティングなのはわかるけど、それはその日に同じラインからヨーイドンであるべきであって、このファイナルズのように上位有利の短期決戦一発勝負で決めるものではないと私は思う。年間ランキングはツアーで決めて、その上位だけでランキングに関係ない、総当たり戦のファイナルマッチやるほうがいいかな。ツアーでワールドチャンピオンは決まったけど、真の王者は誰だ、みたいなやつ。ファンのみなさんへの感謝デー的な側面もかねて、最後に顔見世興行ってアリかなと思うけど。
この2年間のカリッサの成績と努力を考えたら、このランキングの決め方はやっぱりそう簡単に呑み込めるものではないと思う。カリッサだってもう31歳。あのレベルのコンペティターとしては残された時間は多くないだろうし、来年の3度目の正直が保証されているわけじゃない。
勝ったほうだって、本当はカリッサが一番だったんだけどね、って絶対心のどこかに残るだろうし。
なんかな、私には毎年いや~な後味の残るファイナルズだ。
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