コラム特集
「厳しい場所を厳しく攻めた勝利」 - F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by WSLブラジルは、男子ヤゴ・ドラ初優勝、女子ケイトリン・シマーズ、ルーキーにして今シーズン2勝目。
ふたりともポイントは厳しい場所を、厳しく攻める、だったと思う。勝ち方というか、勝つ要素がすごく似ていたように思う。
まぁ、ヤゴのファイナルはあのエアーの10点満点に尽きるわけだけど、ワンマニューバーながら、あんなにきれいに理想的なタイミングと理想的なラインでのエアーメイクって、あまり見ないと思う。まるでサーフィンゲームの中のワンシーンみたいだったもんな。もっとこうすればとか、もう少しここずらして、とか、一切なしで、まるで危なげなしのフルローテーション、フラットボトムランディング、針1本分の乱れもなしだったと思う。あれが10点満点なのかどうかは意見の分かれるところだとは思うけど、あのワンマニューバーという切り取り方をするなら、マイナスポイントはゼロだったと思う。まさにパーフェクトなワンマニューバーだった。
グリフィンがまさかのイチコケをしているので、イエローはフィリッペにわたり、次はJベイ、そしてタヒチで今シーズンも終了する。ジリッとランキングを6位にあげてきているジョンジョン、残り2試合でコンスタントに上位に行ければファイナル5入り、取りこぼせばまさかのファイナル5落ち、7位のガブも同じ状況だ。5位のヤゴ・ドラを標的に逆転を狙う。フィリッペ、グリフィン、イーサンのトップ3は確定ではないけど、固そうな感じだ。
女子のケイトリン・シマーズはもうあのクローズアウトセクションの攻めのラインだな。前に優勝したときもそうだったけど、あのサイズの波のあそこであのライン取れる女子ってほかにいないかな、と思う。絶妙なタイミングの取り方と、レールを引っ掛けない一瞬のボードコントロール、落ちるリップにしっかり沿うようなスピード。たぶんものすごく練習して、本人的には無意識でやってるのかな、と思うし、逆に無意識じゃなきゃできないラインなのかな、とも思う。あの場所で、ああいう風に板を操って。あのスピードがないとできないマニューバー。その辺ヤゴのパーフェクトエアーと同じ感じ。2位のタイラーが重たく見えた感じだもんな。末恐ろしい17歳だ。
女子のほうはすでにカリッサとタイラーのファイナル5が決まっていて、キャロライン・マークス、モーリー・ピックラム、ケイトリン・シマーズと続き、6位にステファニー・ギルモア、タチアナ・ウエストン-ウェブとなっているが5位と6位が少し離れているので、このままいく感じなのかな、と思う。
ブラジルの最中、ファイナルデー前日にCEOのエリック・ローガンが突然の退任、後任人事は次席から順に繰り上がりな感じだ。なんだろうね。ガブの炎上問題がどうこうはないと思うものの、結果的にガブの炎上問題に関してはベストな火消しになりそうな感じではある。あのエリックの反論が火に油だったのは確実だし、トップが退陣すればそれ以下に火の粉は飛ばないだろうし、これ以外燃やしてる人々が落ち着く方法もなさそうだし、これで一件落着なのかなぁ。まぁ、言い出しっぺのガブとしてはこんなことで一件落着されちゃ困るわけで、ジャッジ変わってくれないと……なんだろうけど。
ちょっとでもいい船が来れば乗り換えるのがアメリカンビジネスマンの常だから、他にいい勤め先が出てきたかな。
最後に、6月15日に応募を締め切ったサーフドロップスvol.6は抽選を終了し、当選者4名様には発送をもって発表に代えさせていただいております。たくさんのご応募ありがとうございました。
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