コラム特集
「グリフィン・コラピントのタイトル獲得に期待が膨らむ」- F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by WSLグリフィン・コラピント。
昨シーズン、たった1本の波のたったコンマ数ポイントでファイナルファイブを逃した。
そんなぁ、という感じではあるけど、採点競技というのはいつだってコンマ1ポイントに泣き笑いだ。小数点以下はジャッジの好き嫌いというか、気分というか、いかようにも変わる範囲ともいえる。6.50なのか、6.60なのかは7点に近い、遠いというスケールで明確でも、6.20と6.30となると、どっちでもいい感じのように思う。しかし、その0.1が結果を大きく左右するのだ。
年間2試合優勝して、5位に残れないって、そんなにないかな、と思う。2度の優勝をかき消す4回の17位、昨シーズンは本当に出入りの激しい結果に翻弄された。
そのたった1本の波の悔しさをバネに、って、簡単にいうけど、今シーズンのグリフィンのように悔しい思いの翌年、しっかりメンタルを立て直して上手くやるのはそう簡単なことではない。
初戦のパイプこそ17位といやな感じのスタートだったが、それを引きずることもなく、そのあとは2位、5位、5位、2位、そしてついに優勝でイエロージャージーと、集中力をあげてきている。
サンクレメンテの期待の星、ファイナル5に残れればファイナルズの会場、トラッスルズはホームスポットだけに、タイトルへの期待も大きく膨らむ。
グリフィンのスタイルはビーチブレイクのサーフィンの究極の形かなぁと思う。
波が少しでもスキを見せれば、回る、飛ぶ、スラッシュ、そして深くえぐる。すべてのタイミングがものすごく早い。サーフランチのサーフィンとか見てると、もう世の中こんなところに来ちゃったんだな、という感すらある。日本人から見たら、異次元。マーガレットリバーのようなマニューバー勝負のレールワークもピカイチだ。パワフルでトリッキー。進化型のジョーディ・スミスといったところか。
シーズン前半好調だったジャック・ロビンソンのケガの回復が完全ではないようだけど、ほかの上位陣は虎視眈々とファイナルファイブ、トップを狙う。現状ではジョンジョン、ガブ、イタロ、とちょっと前ならガチなファイナルファイブメンバーが6位以下に回っているのも、時代のなせる業なのかなぁ、と思う。まぁ、このままじゃ終わらないだろうけど。
個人的には、グリフィンは昨年あれだけ不幸を味わったんだから、今年は入ってもいいんじゃないのかなぁ、神様、どう思いますか? って感じですかね。
最後に、サーフフードの新作、サーフドロップスVol.6が発売された。コロナの間も精力的に世界を転々としていた旅仲間の江川君のフッテージは、今の世界最新のサーフィンを見せてくれる。
今回はカノア推しになっていて、カノアのサーフィンたっぷりとのこと。
他にもジャック・ロビンソン、イーサン・ユーイング、グリフィン・コラピント、コナー・オレアリー、ジョアオ・チアンカ等、今旬なサーファーの最新映像、もちろん王道のケリーやジョンジョンも忘れてはいない。日本のプロ達のシーンも盛りだくさんだ。シリーズでおなじみの丸出だめ夫の芝居シーンは、ダブルカナに挟まれて面白い展開に!
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