コラム特集
「今日はベルズの過酷な部分のすべてをくらった。番狂わせも発生」- F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by snowyAC/DCのヘルズベルズを早朝のベルズビーチで聞くって、やっぱいいわぁ~。
ちょ~カッコいい。心の中で、かっけぇ~、って言いながらレンズのぞいてたね。旅仲間のフィルムメーカー、笹原君がいつも言うんですよ、かっけぇ~、って。スタートの鐘の音からシメのジャジャジャンってとこまで、確かにあそこで聞くと「かっけぇ~」、でした。ベルズ来たんだなぁ、って感じ。でも今日の鐘の音はやっぱ祇園精舎か?
ケリー、サヨナラ濃厚。カノアとケリーという、どっちかここで負けたほうがカットされるかも的な位置にいたふたりの対決で、勝ったのはカノア。ケリー17位で終了、波数の少ないヒートをうまくこなせなかった。マーガで起死回生があるのかどうかだけど、今までの感じから行くとないんじゃないのかなぁ、って思うけど。
オウエンもイーサン・ユーイングにやられて現役終了。でも柔らかいほっとした笑顔だった。イーサンは早くに亡くした母親のヘレンが1983年にこのベルズのイベントを優勝しているので、ここでの優勝を強く願っていて、気合の入り方が半端ない。
そして今日イチの番狂わせはジャック・ロビンソンの敗退、そしてイタロもアウト。ジャックはなんか膝がダメだったような感じで、まるでらしくなかった。まぁ、次までには間に合うだろうかし、次はホームなんでね。でもこれでチアンカが次イエローか?
ジャックに勝ったワイルドカードのザビア。この辺のローカルで私のルームメイトの友達。次は今日絶好調だったコナー・オレアリーと当たる。彼女としては、どっちも友達だからどうしよう、みたいな。
そうねぇ、今日は押しなべてバックハンドチームが良かったかな。
ジョンジョン、ガブは盤石だった。あってそうだったのはグリフィンかなぁ。
まぁ、さすがにベルズはフローのある流れるラインが正当に評価されてたと思う。パンパンとか、チャカチャカでも、トップアクションよければすべてよし、みたいなジャッジ、ホントやめてほしい。美しくないもの。
それよりなにより、今日はベルズの過酷な部分のすべてをくらった。
カメラマンにとって世界で一番肉体的にも環境的にも過酷なんじゃないかと思えるべルズ。パーキングが遠い、雨が降る、寒い、風が強い、遠くでブレイクする、潮があげるとビーチがなくなるので、波くらう前に引き上げないとやられる、がけ下にあるビーチなので、上り下りが足プル……とにかく、ベルズの何が嫌って……って部分が全部今日まとめてきてたね。雨、強風、オンショア。ブーツの中にホカロン、ダウンコートの上にレインコート、ネックウォーマーに毛糸の帽子に手袋……それでも寒いし。
しかも強いオンショアで波はガタガタ。皆さんが画面で見てるとサイズがあって明るくて良さそうじゃん、なんだけど、現実はバンピーでガタガタで、超乗りにくそうな波の上にけっこう暗い雰囲気で時折雨がザーザーみたいな。
まぁ、知ってて来たんだけどね。ヘルズベルスのカッコよさに免じて許そう。
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