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「CTのコンテスト会場に行くことの意味を考えた」- F+コラム

Text by つのだゆき、Photo by Damien Poullenot, Thiago Diz/WSL

Photo by Damien Poullenot

ポルトガルはジョアオ・チアンカとケイトリン・シマーズ。やっぱ世代交代の色濃い結果といえるかもな。ストライダー・ワズルスキーがポストショーで、年初から何となく感じてはいたけど、今確実にこの新しい流れが来た感じの試合だったって言ってたけど、まぁ、ビーチブレイクということもあって、そういうことになったのかもしれないとは思う。あともうひとつ彼が言ってたのは、昔の選手はクオリファイしたらよし、ここに来た、って感じだったけど、今のクオリファイヤーは来た瞬間からワールドタイトルを狙いに行っていて、このマインドの差は大きいとも言っていた。ストライダー、相変わらず頭いいな。

Photo by Damien Poullenot

男女どちらも初優勝というケースもそうないのかな思うけど、このふたりに今回共通して言えたのは、攻めて攻めて攻めまくる、かね。普通ならあそこに当てるのに、という場所を外して、よりハードな場所にハードなタイミングで当てて、何とか残る。チアンカならよりハードな波でのバレルを狙うとか、とにかくきれいなサーフィンをしない、というところだと思う。あのコンディションを見て、トリッキーで難しいと取るか、とにかく一か八か攻めてみるだけだ、と開き直るか、今回はそこに勝敗の差があったのかな、と思う。
最近ジャッジが高く買うのはそういう部分だ。無理、無茶しないと点もらえない傾向がある。なんでもいいけど、ハイリスクな部分しか見てないよ、ってジャッジのメッセージを強く感じる。そこすごく徹底してると思う。テクニカリーな難易度はあまり関係なく、とにかくリスキーなやつ。極端な話、レールワークもスタイルもラインも何でもいい。ハイリスクなことをメイクすればハイリターン。美しいライン、サーフィンなんてクソくらえだ(笑)。まぁ、それもひとつのスケールではある。

最近情報というかニュースについて考えていて、昨今のスマートニュース系というか、その人が興味のありそうなものを集めて配信してくれるサービスの不利益というか、ヌケというかが気になっている。例えば新聞に掲載されている雑多なニュースは、私が興味のあるなしにかかわらず、浴びせられる情報であり、中にはそこに載っていなければ決して読むことのなかったようなニュースが、偶然実に興味深いものだったりする。自分の狭い視野の中でのニュースではなく、不特定でフェアなニュース。それは自分の視野を広げるものだ。情報過多の世の中で情報を選ばなければならないとき、偏りができてしまうのは仕方ないけど、偏りイコール視野の狭まりと心のどこかで自覚していないと、ある種の洗脳に近い状態になるので、非常に危険だと思う。
本当の世の中のことを知ろうと思ったら、努力してフェアな情報を探さなくてはならない時代だ。そのためにあえて新聞を読む、と言っていた超頭の良さそうな就活女子が印象的だった。

Photo by Thiago Diz

コンテスト会場に行く、というのはこういうことなんだと思う。
ライブで見ていれば、リアルタイムで一日見ている人はほぼいないだろうから、どうしてもヒートリプレイのお世話になるわけで、そうなると気になるところ、選手の拾い見ということになる。現場のビーチにいれば、興味の持てないヒートは休憩ヒートとはいえそこにいて、何かが起こればいやでも目に入ってくるわけで、実はそういうところに大事な真実を見極めるヒントが隠れていたりするんだろうと思う。見たくないもの、聞きたくないことも頭のどこかに情報として引っ掛けておかないと、いろんな判断を誤るんだろう。

エフプラスコラム
2016年ベルズビーチ(Photo by snowy)

もう3年CTのコンテスト会場に行っていない。途中オリンピックはあったものの、30年見てきたCTとはだいぶ遠ざかった。3年たってようやく、もしかしたら世代交代とかの現実に自分が超遅れてるんじゃないかとこの間思った。ポルトガルをライブながらそういう目で見ていたら、なんかやっぱりサーフィンが古い、新しいのところに引っかかってしまい、重い腰を上げて次のベルズに行くことにした。3年前はベルズに行こうと思ってオーストラリアビザ取ってすぐ渡航禁止、みたいなことだったので、そこからやり直し。実際見たらどうなのかな、というのは楽しみなところだけど、ウロコが100枚ぐらい落ちそうで、目がとっても痛くなりそうだ。

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