コラム特集
「今後のツアーでは3Dエアーが必要不可欠になるか?」- F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by WSL
CTは早くも2023年のスケジュールが出て、Gランドがサーフランチに変わっただけで試合数、会場、時期等ほぼ同じ、ファイナルズもまたトラッスルズと変わらず。まぁ、そんなにコロコロ変わるのも大変だし、各ポイントによって波のいい時期も限られるので、基本ツアーというのは永遠のマンネリ的な、似たりよったりでやってきたわけだ。ここ数年の大きなシステム変更でスケジュールにも変化があって、2022年が実質初めてフルで回した新システムの年となり、なんかうまくいったからこれでいいでしょ、ということなんだろうと思う。
質問1
パイプに始まりタヒチまででファイナル5を決定。ファイナルズは、再度トラッスルズ。このポイントセレクトと順序に、何かWSLの意図を感じますか?
どういう意図をお望みなのかはわからないですけど、考えすぎではないかと(笑)。
1月終わりにスタートして8月末に終了、9月にファイナルズ、というざっくりスケジュールの中に当てはめれば、ハワイはノーチョイスで1月2月、ベルズはイースターの時期がお約束なので、オーストラリアは3月4月、ブラジルとエルサルバドルはくっついてたほうが回りやすい(遠いけど)……という風に割り振っていくと、移動のしやすさとか各ポイントの波のシーズンとかを考えたら、もうこれしかないのかな、と思う。これしかないでやってみて、うまく回っちゃったというか、2022に関してはけっこういい波に当たっちゃったので、躊躇なくコピペなんだろう。スケジュールを早く出すというのはいろいろ難しい問題もあるので、コピペをもとに各方面調整していくほうがやりやすいと思う。CSとかQSとかになると年初に出てくるスケジュールはいつも前年のコピペだし(笑)
まぁ、勘ぐる、という方角で考えるなら、Gランドアウトのプールイン問題だろうけど、これもGランドでやるよりプールのほうが開催コストはだいぶ安いだろうし、あのプールの権利を買ったWSLとしては使わないと無駄な投資になる、みたいな事情もあるのかもしれない。ロス5輪会場にむけてのアピールもしたいだろうしね。
質問2
今後のツアーでは、3Dエアーがワールドタイトル獲得には必要不可欠ですか?
必要不可欠ではないだろうけど、あったほうがだいぶ楽になる、とは思う。
現在は3Dエアーと2Dエアーが混在していて、もちろんそこにポイント差はあるし(つけてくれてると思いたい)、トップのブラジル陣はみんな3Dをこなす。だからと言って3Dなしじゃ勝てないってわけでもないので、必要不可欠とは言えないと思う。
特に昨シーズンはエアーに偏りずぎていた配点が調整されてきた感もあったので、23シーズンはオンレール系にもっと配点されるかもしれない。
ただ、フィリッペがなぜタイトルを取れたのか、を考えると、エアー、オフレール系の技だけだった彼が、カーブ、オンレール系の技を練習してそのテクニックを獲得したからに他ならない。とはいえ、個人的にはあのカーブの回転の最後にレール抜いてラクしちゃうのは違うので、最後まで抜かないでニュートラルな時間を最小限でレール切り替える人ともっとポイント差をつけてちょうだいよ、とは思うけど。
ガブもイタロもまた同じように、エアーだけからバレルやカーブを身につけて今の位置にいる。
その逆のケースというのがあまり見られないような気がする。オンレールやバレル職人が苦労して3Dエアーを身につけたってケースは思い当たらない。
エアリストはレール職人のほうに寄せてくるけど、レール職人はエアリストに寄せないってことなのかな。エアーがなくてもタイトルは取れるけど、エアーだけじゃタイトル取れないのは事実だからな。
でもいい3Dエアーをメイクするためのスピードを得るのはレールワークなので、もともとレール職人的な技術は持っていると言えるのかもしれない。
昔フィリッペがJベイでオンレールターンを意識して練習していたころ、いいエアーをするセクションといいターンをするセクションが同じなので、そこを飛ばないでハードターンするのがけっこうフラストレーションたまる、という意味のことを話していたのを思い出す。
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