CT第3戦『MEO Pro Portugal』を制したのは? | サーフィンニュース BCM | コンテスト

TOPNEWS > コンテスト
NEWS / BCMサーフィンニュース

コンテスト

CT第3戦『MEO Pro Portugal』を制したのは?

202238wsl2
(ポルトガルファイナリスト)
PHOTO:© WSL/Poullenot

全10戦の内、前半5戦終了時点でメンズは36名から24名、ウィメンズは18名から12名に絞る「ミッドシーズンカット」が行われるため、例年より緊張感がある2022年CT。
パイプライン、サンセットビーチのハワイでの2戦は思わぬ選手が優勝して特にメンズはワイルドカードのバロン・マミヤ(HAW)がカレントリーダーという異例の序盤となり、ツアー一行は第3戦目が行われるヨーロッパのポルトガルへ。

ペニシェ「Supertubos」を舞台とした『MEO Pro Portugal』はウェイティングピリオド初日からノンストップで進行。
5日目となる現地時間3月7日に全てのスケジュールを終えました。

2009年以来のCA選手の優勝

202238wsl3
(優勝したグリフィン)
PHOTO:© WSL/Poullenot

ファイナルデイは北西ウネリが弱まり、期間中最も小さい公式3-4ftレンジのサイズ。
前日のスペシャルなコンディションからQSカインドの波に変化、風を考慮していつもより30分早くスタートしていました。

朝の内は月曜日ということで観客も僅かで静寂に包まれた会場。
メンズ・ウィメンズ共にSFからの再開、全ての選手が優勝候補ということで、一つのヒートも目の離せない戦いとなり、クライマックスに向けて多くの観客が集まってきました。

202238wsl9
(今シーズン優勝に縁がないJJF)
PHOTO:© WSL/Diz

メンズサイドは2015年にポルトガルで優勝経験があるフィリッペ・トレド(BRA)とCTでまだ優勝経験がないグリフィン・コラピント(USA)がファイナルへ。
フィリッペは2015年のファイナルで対戦したイタロ・フェレイラ(BRA)、グリフィンは2016年のポルトガルの覇者、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を倒してのファイナル進出でした。

ファイナルはフィリッペのリードから始まったものの、ラスト10分を切ってからエンジンがかかったグリフィンがレフトの波でのバックハンド勝負、シーソーゲームの末に優勝。
2018年のルーキーイヤーから5年目の春、ようやくチャンスをものにしました。

「優勝さえ考えないモードに入ったのが本当に奇妙。優勝しても実感が湧かないよ。というか、まだ冷静な状態なのかな。ファイナルの後、コロへや友人達が声をかけてくれているのを見て、やっと受け止めているところさ」

202238wsl4
(ビーチ凱旋は大盛り上がり)
PHOTO:© WSL/Poullenot

終わってみれば、グリフィンはこのイベントでゾーンに入っていたのだと感じます。
前日、ケリー・スレーター(USA)を抑えたRound of 16の後、QFでは地元のサンクレメンテの先輩でもあるコロへ・アンディーノ(USA)と対戦。
ここで執拗にバックサイドのフルローテーションを連発してスコアを伸ばし、最後には1マニューバーでの10ポイント、それも2022年CT初の10ポイントを出して主役に。このヒートがピークにならず、ファイナルデイは期間を通して変化に富んでいた「Supertubos」の波にアジャストしてフィリッペとのターン勝負を制したのです。

「カリフォルニアのビーチブレイクが実を結んだね。今日のようなコンディションでトレーニングをしていたので、最後に再現されて可笑しく思ったよ。この優勝のためにどれだけ努力したことか。今までやってきたことが全て報われた。最初の2戦はR3止まりで、ミッドシーズンカットも控えていたから、本当に大変だったし精神的にも辛かったさ。でも、今までの努力と可能性を信じていたよ。何があろうと、常に学び続けなければならないし、それが人間として成長させてくれるスポーツの好きなところ。勝敗に関わらず、成長するんだ」

202238wsl1
(絶好調のフィリッペだったが...)
PHOTO:© WSL/Poullenot

メンズではカリフォルニア出身の選手として2009年のボビー・マルティネス以来のCT優勝。
まだCT優勝がないコロへも可愛い後輩の優勝には興奮気味で、波打ち際まで駆け寄り、ハグの後にビーチ凱旋の肩を担いでいました。

グリフィンは今回の優勝で20もランキングを上げて一気に7位に浮上。
「ミッドシーズンカット」も免れそうです。

なお、ランキングではハワイで2位、5位と重ねて総合2位だった五十嵐カノア(JPN)がトップになり、次のベルズ戦では初のイエロージャージを纏うことになります。

タティアナがCT3勝目

202238wsl6
(勝負を決めたタティアナのターン
PHOTO:© WSL/Poullenot

「Supertubos」でウィメンズイベントが開催されるのは2019年に続き2度目。
全てのイベントを併催する2022年シーズンはすでに終了したパイプラインの他にもチョープー、G-Landと特別な舞台が控えています。

ファイナルはSFでステファニー・ギルモア(AUS)を終了間際に逆転したレイキー・ピーターソン(USA)とカリッサ・ムーア(HAW)の追い上げをかわしたタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が対戦。
7ポイントを2本まとめたレイキーが主導権を握ったものの、後半にフロントサイドでパワフルな二つのターンを重ねたタティアナが8ポイントを出して逆転優勝。
CT3勝目を上げてハワイでの結果をリバカリーすることに成功しました。

「本当に感謝している。神様はいつも計画を持っていて、ただ信じて行動したのよ。正直、とても楽しかった。レイキーと一進一退の攻防を繰り広げ、とてもわくわくしたわ。私は自分が考えていることは何でもできると思っているの。それがサーフィンの素晴らしさよ。自分を信じ、信頼することは素晴らしいと思う。その精神力があれば、自分を追い詰めるような障害も乗り越えられると思うの」

202238wsl7
(ハワイの結果を帳消しにしたタティアナ)
PHOTO:© WSL/Diz

ハワイでは2戦続けて9位、ランキングもミッドシーズンカットを心配しなければいけないほど低迷していたタティアナ。
今回の優勝で4位まで浮上して2018年にファイナルまで進んだことがあるベルズへ向かいます。

「私にとって今年の初めはとても悪いスタートだった。しかも自分が本当に上手くいくと思った2つの会場でのことだった。でも、神様の計画を信じてサーフィンを続け、ベストを尽くしたの。自分も信じてね。何があっても自分を信じ続けること。それが全ての競技の本質よ」

202238wsl5
(コーチのとマイク・パーソンズと戦略を練るレイキー)
PHOTO:© WSL/Diz

ランキングではブリッサ・ヘネシー(CRI)がカレントリーダーの座を守った一方、ポルトガルで上位に入ったカリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)が浮上。
ハワイで活躍していたマリア・マニュエル(HAW)は今回9位でランキングも下がっています。

次のCTはベルズ、マーガレットリバーと続くオーストラリアレッグ。
まずは第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』がベルズビーチで4月10日〜20日に開催されます。

CT第3戦『MEO Pro Portugal』結果
1位 グリフィン・コラピント(USA)
2位 フィリッペ・トレド(BRA)
3位 イタロ・フェレイラ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
5位 ジョーディ・スミス(ZAF)、コナー・コフィン(USA)、五十嵐カノア(JPN)、コロへ・アンディーノ(USA)

ウィメンズ
1位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
2位 レイキー・ピーターソン(USA)
3位 ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 ジョアン・ディファイ(FRA)、コートニー・コンローグ(USA)、タイラー・ライト(AUS)、インディア・ロビンソン(AUS)

2022年CT 『MEO Pro Portugal』終了後のランキング
1位 五十嵐カノア(JPN) 17,290pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 16,650pt
2位 バロン・マミヤ(HAW) 16,650pt
4位 フィリッペ・トレド(BRA) 14,440pt
5位 セス・モニーツ(HAW) 13,850pt

ウィメンズ
1位 ブリッサ・ヘネシー(CRI) 17,355pt
2位 カリッサ・ムーア(HAW) 16,495pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 16,495pt
4位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 15,220pt
5位 マリア・マニュエル(HAW) 15,155pt

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

BCM の Facebook に「いいね!」をしよう

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。