コンテスト
五十嵐カノアがトップ通過、ケリーが苦戦...。CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』開幕!
PHOTO:© WSL/Bielmann
50歳を目前としたケリー・スレーター(USA)とワイルドカードのモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)の歴史的な勝利から10日が経ち、世界最高峰のサーフィンレースの第2戦となる『Hurley Pro Sunset Beach』が現地時間2月15日に開幕!
まずはメンズから始まり、R2まで一気に進行!
第2戦の会場、サンセットビーチは昨シーズンにトリプルクラウンの1戦からCTに格上げしたものの、パンデミックにより中止。事実上は今年が初イベントとなり、「Hurley」がメインスポンサーになっています。
初日は新しい西北西ウネリ入り、公式10-15ftレンジ。開幕戦のパイプラインとは違うダイナミックなマニューバー勝負、オープンフェイスにトリッキーなセクションもあるサンセットビーチの波に合うように多くの選手がツアーで最も長いサーフボードを持ち出して大海原にパドルアウトしていました。
苦戦したケリー
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開幕戦の優勝直後のインタビューで引退を匂わせるような発言をしていたケリーでしたが、第2戦直前のインタビューで「今年はフル参戦するよ」と断言。
但し、その時にも話していた通り、サンセットビーチは苦手のようで、ワイルドカードのバロン・マミヤ(HAW)、ルーキーのカラム・ロブソン(AUS)とのR1ではカレントリーダーだけが与えられるイエロージャージを着て颯爽と登場したものの、4ポイント止まりで3位敗退に...。
続く敗者復活戦のR2ではリプレイスメントのマシュー・マクギリヴレイ(ZAF)に続き、2位でラウンドアップ。
しかし、ヒートの内容を見るとリードをしていた後半にマシューにトップを奪われ、カイ・レニー(HAW)の代理で急遽参加しているコア・スミス(HAW)にも追い上げられて危ない場面もあったなど、パイプラインで強かったケリーは影を潜めています。
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「ここの波は難しいよ。サンセットではあまりサーフィンをしないしね。最初のヒートでとりあえず、どこで待つのが良いか考えて良い位置を把握したけど、リラックスしていたとは言い難いね。なんか落ち着かないのさ。血糖値が上がりすぎているのか、自分の感覚全てに違和感があって今日は自分の日ではないような気がしていたんだ。だから、一度家に帰って、ちょっとリセットした。自分自身にただ楽しもうよと呪文を唱えたんだ。そして、サニー(ガルシア)を少し意識してサーフィンしてみた。もし、自分が失敗したら彼が指摘してくれるだろうという言葉を考えたのさ」
インタビューでケリーは2019年に自殺未遂をしながら一命を取り留め、未だリハビリ生活をしている親友のサニーのことを取り上げていました。
次のRound of 32ではマシューと再対戦します。
カノアがハイエストヒートスコア
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思えば多くのCT選手が休んでいた昨年後半のCS(チャレンジャー・シリーズ)で唯一全戦に出場。
それは今年のルーキーの特徴などをつかむ意味もあったと言っていた五十嵐カノア(JPN)はルーキーのルッカ・メシナス(PER)、リプレイスメントのカイオ・イベリ(BRA)とのR1でマシーンのように安定したライディングで7.33と8.00を揃えて15.33のハイエストヒートスコアを出して圧勝。
開幕戦で5位に入ったパイプラインはもちろん、ここサンセットビーチでも勝てることを証明していました。
「まさにクラシックなサンセットだね。ここは肉体的にも精神的にもサーフィンするのが難しい波さ。様々な波があり、その中から自分の好きなものを選ばなければならない。幸運にも自分の欲しかったような2本の波が来てくれたんだ」
次のRound of 32の相手はまたしてもルーキーのイーマイカラニ・デヴォルト(HAW)
マウイ島出身のイーマイカラニはここまでのハイエストスコア8.93を出している強豪。
面白い勝負になりそうです。
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ダークホースのビリーが魅せる
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今回、カイ(欠場)と共に注目のワイルドカードと言われているビリー・ケンパー(HAW)はR2でモーガン・シビリック(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)を相手に後半まで一本も乗らず、残り13分で乗った波で7.93をスコア。更にこの波にオーウェンがドロップインしてしまい、インターフェア。
最後にバックアップスコアも揃えて結果圧勝という形で次に進んでいます。
BWT(ビッグウェーブツアー)のチャンピオンとして君臨しているビリーですが、サンセットビーチでのQSでは何度も優勝しており、この波では世界トップクラスのサーファーです。
PHOTO:© WSL/Bielmann
「サンセットビーチでは今日みたいな凄い波の日が続いているよ。最初の15分はとても長く、ヒートを無駄にしたような気がしたね。でも、自分は十分なトレーニングをしているし、気持ちは落ち着いていたよ。息子はここにいるし、妻と他の家族はププケアでライブを見ている。家にいると本当に落ち着くね。自分はここでクオリファイやワールドタイトルを狙っているわけではない。ただ自分のバックヤードで世界トップの選手を競い合い、勝つことを楽しんでいるだけさ。オーウェン、モーガン。彼らを尊敬しているよ。自分はサーファーであると同時にサーフィンのファンでもある。ツアーにいる彼らが大好きだし、そんな彼らと海を共有出来ることを光栄に思っているんだ」
今から丁度2年前の2020年2月。世界中がパンデミックで身動きできなくなる直前に行ったモロッコで生死を彷徨うような大怪我を負い、見事に復活したビリー。
この話はWSLが映像化しているので、興味ある方はぜひ検索してみてください。
ネクストコールは現地時間2月16日の朝7時50分(日本時間の17日午前2時50)
西北西ウネリとトレードウィンドが持続して初日と同じようなコンディションが予想されます。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
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