コラム特集
海水浴客を守れ!アメリカで離岸流予報がローンチ(WSMコラム)
夏の海水浴シーズンになると必ずニュースで耳にすることになる離岸流(英語ではリップカレント)。
ビーチでは波が岸に向かってブレイクするので、全体的な流れは岸方面となるのですが、局地的な狭いエリアで発生する沖への流れが離岸流と呼ばれています。
一般的にうねりは沖から岸へと移動していき、うねりとして移動できないほど水深が浅いエリアにヒットすると隆起してブレイクします。
その一方、離岸流が発生するエリアは水深が部分的に深くなっているので波がブレイクしづらく、沖への流れが発生しています。
沖への流れということでニュースでは水の事故と報じられ危険なイメージがありますが、サーファーは離岸流を利用して楽にパドルアウトするという使い方もあります。
離岸流の流れのスピードはオリンピックスイマーよりも圧倒的に早いので、離岸流に逆らってパドルしても負けてしまいますが、前述した通り局地的な流れであることから、沖に流されてからビーチと並行して横方向にパドルして流れから抜ければ良いわけです。
ただし、一般的な海水浴客がそのような知識を持っているかと言えば答えはノーというわけで、アメリカでは政府機関のNOAA(米国海洋大気庁)が離岸流予測モデルをローンチすると発表。
アメリカでは年間およそ100名が離岸流によって命を落としているので、命を救おうとの動きからプロジェクトがスタートしたそうです。
ただ、ビーチブレイクは海底が砂なので、地形が絶えず変化することから離岸流の発生エリアも一定ではありません。
そのため、新たに導入するモデルでは、アメリカ国内のビーチ沿いで発生するリップカレントの発生場所の1時間ごとの予想、そして6日先までの予報を提供するとのこと。
言ってみれば天気予報の離岸流バージョンと言った感じで、手軽に情報を入手することが可能になるわけです。
この情報をライフガードが活用すれば、海水浴シーズンなんかには発生予想エリアを遊泳禁止エリアにして事前に危険を回避することが可能。
サーファーであれば、スマホを使って海に入る前にこっそりと予報をチェックすれば、ビーチブレイクであれば楽々パドルアウトなども可能になるのかもしれません。
ローンチ後に対象となるカバーエリアは、東海岸とガルフ湾の大半、カリフォルニア、ハワイ、グアム、プエルトリコの一部で、将来的にカバーエリアを広げていくそうです。
アメリカで実際に離岸流による水難事故が大幅に減少ともなれば、追随する国は増えてくるはずなので、今後の展開を楽しみにしたい所です。
公式サイト「NOAA」
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