コンテスト
『Boost Mobile Margaret River Pro』はブラジリアンが制した!
全9戦で争われ、トップ5が最後にローワートラッセルズで開催される『Rip Curl WSL Finals』でワールドタイトルを決める2021年のワールドツアー。
第4戦目となる『Boost Mobile Margaret River Pro』が西オーストラリア州のマーガレットリバーで行われ、現地時間5月10日に終了しました。
イベント開催前に期待されていた「The Box」でのヒートは実現しなかったものの、メイン会場のメインブレイクは期間中豊富なウネリに恵まれ、ビーチブレイク開催だったオーストラリアレッグの前2戦とは全く違うCTらしいダイナミックな勝負になり、最後まで見応え十分。
ファイナルデイは公式4-6ftレンジ。オフショアで整ったオープンフェイスのサンセットのような波質での戦いを制したのは二人のブラジリアンでした。
フィリッペが久々に吠えた
PHOTO: © WSL/Miers
ビーチブレイクでの全2戦ではガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラが目立ち過ぎて印象が薄かったフィリッペ・トレドが今シーズン固執していたレールサーフィンを爆発。
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がSeeding Roundで出した10ポイントの次に高い9.00をファイナルで出してジョーディ・スミス(ZAF)をノックアウト。
ランキングも8位から一気に3位までジャンプアップしています。
「本当に楽しい一週間だったよ。みんなが素晴らしい波に乗って、素晴らしいサーフィンを見せてくれた。優勝出来て本当に良かったよ。今日は息子のコアの誕生日で、トロフィーが欲しいって頼まれたんだ。約束を破る訳にはいかないよね。だから、このトロフィーは息子のためさ。この優勝で必要なランキングまで上昇することが出来た。このツアーは一貫性が重要で、ファイナルの常連にならないと最後の上位5人に入ることは出来ない。トップ5が今年の最大の目標であり、そのチャンスが与えられたことになる」
かつてフィリッペは小波でのエアリアルが十八番でしたが、数年前からはレールサーフィンの定評を高くなり、2017年、2018年と2年連続でJ-Bayを制覇したことがあります。
ガブリエル、イタロと同じく流れに乗ると誰にも止められない強さを発揮する力も持っており、今年は怖い存在になりそうです。
PHOTO: © WSL/Dunbar
レールサーフィンではツアーでもトップクラスであるジョーディもフィッペと同じく今年初ファイナル。
2017年のベルズ以来の優勝まで残り1勝でしたが、残念ながらそれは次の機会にお預けに...。
「この1週間はとても充実していたよ。西オーストラリアは今回のコンテストのような波があるからいつも楽しいね。今日はとても楽しかったし、久しぶりにファイナルに進出出来て興奮した。次はとにかく優勝したい。このままの勢いでロットネスト島に行って、更に上を目指すよ」
なお、ランキングではガブリエル、イタロのワンツーは変わらず。
3位にフィリッペ、5位にジョーディが浮上。
Round of 16で左膝を負傷してQFを棄権したジョン・ジョンは4位を維持していますが、次のロットネスト島も棄権すると発表しているので、トップ5に残るには後半戦の追い上げが必至でしょう。
ウィメンズはタティアナがCT2勝目
PHOTO: © WSL/Dunbar
ウィメンズは今シーズン好調のタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が2戦連続でファイナル進出。
QFで9.23とウィメンズのハイエストも出している彼女はステファニー・ギルモア(AUS)とのファイナルでもリズムを崩さず、8.50を含むトータル16.23で優勝。
2016年の『Vans US Open of Surfing』以来、キャリア2度目のトロフィーを獲得してランキングも2位に浮上しています。
「この優勝の気持ちを説明することは出来ない。ステフは史上最高のサーファーの一人であり、いつも尊敬している。彼女とファイナルで対戦することが出来て最高だったわ。7度のWSLチャンピオンを相手にすることは滅多にないことよ。素晴らしい気分ね。前回のイベントでは2位だったので、今回の優勝に感謝したい」
PHOTO: © WSL/Miers
SFではローカルヒーローのブロンテ・マコーレーに勝利。
実はブロンテの弟ジャックが週末に亡くなる悲劇があり、ブロンテは複雑な気持ちでコンテストに出場していた経緯があったのです。
「この勝利はマコーレー家のためのものだと言いたい。今日ブロンテと対戦したけど、彼女がヒートに現れるのを見て、とても勇気づけられたわ。彼女がどんな経験をしてきたのか想像もつかない。彼らはとても愛に溢れた素晴らしい家族で、ここ西部のサーフィン界にとって大きな存在なのよ」-タティアナ・ウェストン・ウェブ
惜しくもSFで敗退したブロンテですが、毎年QSからのフォローでリクオリファイをしている彼女にとって3位は大きな結果でもあります。
更にそれが地元での成績であれば尚更です。
弟ジャックのご冥福をお祈りします。
次の舞台はWSL初開催となるパース沖のロットネスト島。
オーストラリアレッグの最終戦、CT第5戦 『Rip Curl Rottnest Search』は5月16日〜26日に開催されます。
CT第4戦『Boost Mobile Margaret River Pro』結果
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 ジョーディ・スミス(ZAF)
3位 グリフィン・コラピント(USA)、マシュー・マクギリヴレイ(ZAF)
5位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ライアン・カリナン(AUS)、セス・モニーツ(HAW)、イタロ・フェレイラ(BRA)
ウィメンズ
1位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
2位 ステファニー・ギルモア(AUS)
3位 ブロンテ・マコーレー(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 ジョアン・ディファイ(FRA)、タイラー・ライト(AUS)、イザベラ・ニコルス(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2021年ワールドツアー:トップ5
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 28,920pt
2位 イタロ・フェレイラ(BRA) 24,150pt
3位 フィリッペ・トレド(BRA) 20,735
4位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 19,395pt
5位 ジョーディ・スミス(ZAF) 19,185pt
ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 29,970pt
2位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 16,495pt
3位 ステファニー・ギルモア(AUS) 22,035pt
4位 キャロライン・マークス(USA) 21,305pt
5位 タイラー・ライト(AUS) 19,965pt
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