コラム特集
パイプスペシャリストがパイプで負傷:ヘルメット着用の未来は?(WSMコラム)
サーフィンの聖地と呼ばれるハワイのオアフ島ノースショアの中でも、スペシャルな場所となっているパイプライン。
一昔前であれば、一本でもインパクトに残るバレルをパイプでメイクすれば、一躍スターになれると言われたほどですので。
そんなパイプラインでは美しいバレルがブレイクする一方、もしもワイプアウトすれば最悪で命を落とすほどのリスクが潜んでいます。
近年のパイプで大怪我したCTサーファーを思い浮かべてみると、マイキー・ライト、オーウェン・ライト、ビード・ダービッジ、ダスティ・ペイン、レオナルド・フィオラヴァンティなどと、かなりの数になります。
そんなパイプラインでバレンタインスウェルと盛り上がった2月14日、命を落としていてもおかしくないワイプアウトをしたサーファーが。
そのサーファーとはハワイアンローカルのマイキー・オショーネシー(Michael O’Shaughnessy)。
マイキーは2016年にWOTWの勝者に輝いたパイプスペシャリストですが、それほどのサーファーでも大怪我をしたのです。
午前中にソリッドバレルを数本キャッチした後の午後、マイキー・オショーネシーがバックドアのリーフに叩きつけられました。
マイキーは頭部からリーフに突っ込んで意識を失い、少なくとも2本連続で波に巻かれ続けることに。
ラインナップにいたサーファーはマイキーのボードを見るとすぐに状況を察して救助に向かって海面に浮上させ、ライフガードもジェットスキーで現場に向かってビーチへと搬送。
ビーチではマイキーが病院に搬送されるまでの間、ライフガードが応急措置を施していました。
幸い、ヘルメットを被っていたことでマイキーの命は救われました。
救助に向かったビリー・ケンパーによると「ヘルメットのこめかみ部分の両側にヒビが入ってた。ヘルメットが無ければ、今頃呼吸できていなかっただろうね」とのこと。
病院搬送後のマイキーは今ではICUから出て、人工呼吸器も外したものの、まだ様子見が必要な状態です。
その後に更新されたSNSの内容は以下となります。
写真を見て頂ければ分かる通り、すっかりと元気な様子であることが分かりますね。
さて、今回の事故でマイキーの命を救ったのは紛れもなくヘルメット。
ヘルメットにヒビが入るほどの衝撃を直接頭部に受けていたと想像すると、ただで済んだはずはないでしょうから。
ヘルメット着用には賛否の声があり、安全性を考えれば着用するのが当たり前ですが、見た目がクールではないとの意見も。
ですが、過去にパイプで負傷したカラニ・チャップマンは事故後から着用するようになったり、若手のコア・スミスも着用したりと、ローカルの間でも安全面を重視するサーファーもいます。
ファッションを取るのか安全を取るのかはサーファーの自由ですが、パイプマスターズといったイベントでは着用が義務付けられる時代が来るかもしれません。
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