コラム特集
ビッグスウェルヒットのハワイで大忙しとなった舞台裏のレスキュー(WSMコラム)
2021年1月16日、ビッグスウェルがヒットして大いに盛り上がったハワイ。
サーフスポットによっては数年振りのビッグスウェルと言われるほどのレベルで、エディイベントの会場であるオアフ島のワイメアベイも大炸裂するほどに。
同イベントを運営するアイカウ家のクライド・アイカウも、今季のエディが新型コロナでキャンセルにならなければ、イベントがオンになったと話すほどのコンディションでした。
ですが、日本では台風が来るとサイズアップして海がサーフィン向けになるのと同じく、波が良くなると言うことは自然災害と表裏一体となります。
今回のような高波となると、普段は押し寄せない場所まで大波が押し寄せることで足元をすくわれて転倒したり、下手をすれば引き潮で海へと吸い込まれる恐れもあります。
そしてビッグウェイブで盛り上がった舞台裏では、案の定ライフガードがレスキュー活動で大忙しの一日となったそうです。
スウェルの向きが北西と言うことで、事前に高波警報が発令されたのはハワイ諸島の北部沿岸と西部沿岸。
そして当日は、オアフ島の北部沿岸での注意喚起が2,670回、西部沿岸での注意喚起が2,500回も行われたそうですが、16日16時15分時点において北部では31名、西部では58名が救助される事になったとのこと。
どのような事例があったのかと言うと、釣りをしていた16歳と64歳の2人組が海へと押し流されたと言います。
10代の少年は自力で海から上がったものの、60代男性はライフガードに救助されたものの反応がなく、重症で緊急治療室へと搬送されたそうです。
他には、ラニアケアのアウトサイドとなるヒマラヤズと呼ばれるブレイクでジェットスキー後部席に乗っていた37歳も大怪我を負ったとのこと。
詳細については不明ですが、ジェットスキーにアウターリーフということでサーファーだと思われます。
さて、今回これほどの被害が出た一因としては、スウェルのピークが日中の正午付近に達したことも挙げられるでしょう。
自然の周期が原因なのか、スウェルがピークに達するのは夜中が多く、日本でも台風直撃の翌日は起きてみたら台風一過になっていることが良くありますよね。
そのため、今回のスウェルはビッグだっただけじゃなく、タイミングが少しトリッキーだったとも言えるのではないでしょうか。
被害者も出てるので手放しで喜ぶのは不謹慎かもしれませんが、それでもハワイで16日に繰り広げられたセッションは素晴らしかったです。
参照記事「Over 80 people rescued from monster waves on north and west shores of Oahu; High-surf warning still in effect」
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