コラム特集
「ビフォーケリー時代と現代とのパイプ攻略法の違い」- F+(エフプラス)
Text by つのだゆき、Photo by snowyもうすぐ始まるパイプ。31年ぶりに現地で見ない試合。ま、いっか。
この30年の間にパイプのサーフィンは大きく変わっていて、その変遷はディケード(10年)ごとに区切られるとも思うけど、その辺の話はF+033号のパイプのレポートで書いているので、詳しくはそこで、って言ってもその号はもうバックナンバー品切れだけど(笑)。
超はしょれば、今は、セカンドリーフから大きな波に乗って、インサイドのパイプバレルに入る、ではなく、いきなりインサイドの棚のアホのように掘れたところで、テイクオフからドロップの間のバレルも逃さない、です。
ピークからテイクオフした瞬間にバレルイン、的な、ケリーとかジョンジョンとかその分より長くバレルに入る方向。だから板もそういう用の板、短くて取り回しがきくものになってきてると思う。
セカンドリーフからのインサイドバレルってのはクラシカルでエキサイティングで美しくはあると思うけど、技術的には一昔前かな。波質にもよりますけどボトムターンして掘れるのを待って合わせて入るというのは、ビフォーケリーのパイプ攻略法かな、と思う。
テイクオフの時点で波側のレールに手を置いてレールかませて、そのまま立ったらバレルインという攻撃的なラインが今かなと思う。
写真は多くを語るので、見てみてください(ってこの話も以前ブログで書いたかも)。
左手はノーズ寄りでレールかませる、右手はグラブレール風にレールかませる補助。みたいな、テイクオフの時の手のつき方とその位置。
テイクオフ以前にレールセットなので、立ったらすぐにバレルイン可能という、すべてが計算された動作なんだと思う。テイクオフの時の手をつく位置、レールをプッシュする方法で、サーフボードのコントロールもできるという、超コアでカルトな話。
テイクオフの時に手でレールをプッシュする瞬間、すでにレールコントロールはスタートしてるわけよ。これはパイプじゃなくても、すべてのライディングに共通するところね。
しかし冷静に考えれば、サーフィンの演技というのはサーフボードから手が離れた時点でテイクオフとみなして始まるわけで、動画で見るとテイクオフ前からその後も右手はずっとレールつかんだままのように見えるので、これはどうなの? とか思っちゃうけど、これがいいということは片手離れてればいいのかな?
まぁ、こういう風にシンプルにチューブ勝負というパイプも、見ようと思えば複雑にみることができるし、動画じゃ見逃しがちなディテールも写真は見せてくれる。とにかくこれらの動きは、結果としていかに深く、長くバレルに入るか、という試行錯誤なんですよね。もっと、もっとの追求のなれのはて。
見るほうも、もっともっと、と深掘りすれば、こんな超ディテールを理論だてようと考えるわけ。マニアックすぎ(笑)。
上記参照のYouTubeではこれでミックが勝ったのはおかしいとかなんか言ってるけど、こんなヒートの部分だけ見て論争してもナンセンス。ありがちなオンラインあるあるだな。
さてさて、私の記憶が正しければ、実はジョン様はまだケリーにパイプでマンオンマンで勝ってないと思う。技術的にはいい勝負、この対決はいい波で見たいなぁ。
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