コンテスト
ジョン・ジョンが復帰!『Billabong Pipe Masters』開幕!
現地時間12月10日、ワイルドカードの2枠を決めるトライアルから一夜明けたノースショア、パイプラインで『Billabong Pipe Masters』が開幕!
前日に入った西北西ウネリが北西、午後には北北西ウネリにシフトしながらサイズアップ。公式6-10ftレンジで朝は風が弱く、日中は不安定ながら基本的に風の影響は少なく、パイプライン、バックドア共にたまにポテンシャルが高いバレルがあるコンディションでR1(Seeding Round)から敗者復活戦のR2(Elimination Round)まで一気に進行。
マンオンマンとなるR3(Round of 32)を戦う32名が決定しました。
ジョン・ジョンが復帰
昨年負傷した右膝を今シーズンのブラジル戦で再び痛めてしまい、5戦欠場していたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
当初はトリプルクラウンの初戦から復帰と言われていましたが、ハレイワ、サンセットビーチ共にスキップしてパイプラインにフォーカスして出場。
右膝にサポーターをして登場したR1では「Hurley」のチームメイト、エースことエイドリアン・バッカン(AUS)とジェシー・メンデス(BRA)と対戦。
後半まで一本も乗らずに静観、終了間際にようやくパイプラインの波に乗ったものの、スコアは伸びず、最後はエースにドロップインする形でインターフェアを犯してしまい、3位でR2(Elimination Round)行きに...。
R2はシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)、フレデリコ・モライス(PRT)とのカード。
ファーストヒートと戦略を変えて序盤から数多く波に乗り、このヒートで最も良いスコア6.50を含むトータル10.93でラウンドアップ。
復帰後、数回しか海に入っていない状態でのウォーミングアップのようなアーリーラウンドでした。
「今シーズンのノースショアでは故障した膝を動かす目的で何度か海に入った程度なんだ。たから、海でサーフィンして少しバレルに入れただけでも嬉しいよ。膝の具合は凄い良くなっている。まだ家の前で数回しかサーフィンしていないけどね。今朝コンテストジャージを着てこの場所に戻った時はナーバスになったさ。でも、’さあ!行くぞ!’って気持ちで何本か波に乗ったらそんなこと吹き飛んでしまったよ」
PHOTO:© WSL/Heff
右膝を故障する前の5戦で優勝2回を含む好成績を重ねていたジョン・ジョンは5戦欠場してもランキング8位とリクオリファイ圏内。
それでも最終戦に出場したのは2020年東京オリンピックの出場が第一の目的だったようです。
現在、CT枠からのアメリカ代表はコロへ・アンディーノがすでに決定しており、残り1名はケリー・スレーターとジョン・ジョンのどちらかが濃厚。
最終ランキングで上になった方が1枠を獲得出来るのですが、ポイント差を考慮するとジョン・ジョンが有利です。
「オリンピックに参加出来れば素晴らしいことだよね。それが復帰した主な理由の一つさ。当初はこのイベントに参加するのが難しいと思っていたので、出場出来ただけでも嬉しいよ。明日は波が上がるだろうね。恐らく、新しいウネリが入って朝は凄い良い波になり、午後は大き過ぎるかも。来週には次のウネリが入る予報だし、ワクワクするよ。最高のパイプラインでやりたいね」
タイトルコンテンダーは全てR3へ
PHOTO:© WSL/Cestari
イタロ・フェレイラ(BRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、フィリッペ・トレド(BRA)、コロへ・アンディーノ(USA)の5名によるタイトルレース。
ポイント差から実質はイタロ、ガブリエルの争いですが、他3名にも僅かなチャンスは残されています。
シナリオは以下の通りで、イタロは優勝すれば他選手の結果に関わらず、タイトルを獲得出来ます。
初日は5名全てがラウンドアップ。
特にディフェンディングチャンピオン並びに昨年のワールドチャンピオン、ガブリエルはパイプラインで立て続けに2本の8ポイントを揃えてハイエストヒートスコアを出しています。
「楽しいヒートだったよ。波も良かったし、次に進めて凄い嬉しいね。サーフボードの調子が最高なんだ。今後数日間の波予報も良いし、興奮しているよ。タイトルレースとオリンピックの選手選考については考えずにヒート毎を勝ち上がることだけに集中している。良い結果を残しているこの数年と同じ考えさ。またタイトルを狙える機会を得て嬉しい。それを達成するには何が最も大切か分かっている。全力を尽くし、一つ一つの波に集中することさ。今回は祖母が初めて来ているんだ。彼女が観戦しに来てくれて本当に嬉しいよ。家族全員揃っているし、素晴らしい時間を過ごしているよ。自分にとって重要な時間だよね。みんなのおかげでリラックス出来るし、ベストを尽くすよ」
昨年、2度目のワールドタイトルをここハワイで達成したガブリエル。
5名全てが次のラウンドに進んだとはいえ、バレルの技術などを考慮すると圧倒的に有利だと言えます。
イタロを抜き、ライバルのジョン・ジョンを超える3度目のワールドタイトル獲得も十分にあり得るでしょう。
PHOTO:© WSL/Heff
二人のハワイアンが9ポイントをスコア
PHOTO:© WSL/Sloane
ハワイアンが『Billabong Pipe Masters』を制したのは2006年のアンディ・アイアンズが最後。
すでに10年以上もタイトルはオーストラリア、アメリカ、ブラジルに奪われています。
そんな中、初日は二人のハワイアンが9ポイントをスコア。
ハイエストはジークことエゼキエル・ラウ(HAW)の9.73。
トライアルで優勝したビリー・ケンパー(HAW)が9.40を出して共に1位通過を果たしています。
ジークの方はすでに終了したQS、サンセットビーチでの『Vans World Cup of Surfing』で2位に入ったのにも関わらず、最終ランキングが17位とリクオリファイには届かず。
CTランキングは28位で来年もツアーに残るためには上位が必至。
また、トリプルクラウンのタイトルレースでは5位で上位4名がパイプラインに参加していない、もしくは敗退しているため、トップになるチャンスも残されており、計り知れないプレッシャーの中で戦っているのです。
「あの波に乗れてストークしているよ。あんな波をヒート中に乗ることが自分にとっての全てなんだ。本当に嬉しいね。波が自分を選んでくれたと自分に言い聞かせている。自分が待っていた場所にあの波が入り、メイク出来るなんて最高さ。このイベントでは多くのことが関わっているけど、全てのヒートで自分のエネルギーを有効に使いたい。一つのヒート、一つの波を大切に。今の自分はトリプルクラウン獲得のために頑張っている。一番欲しいんだ」
PHOTO:© WSL/Heff
BWTの代表的な選手でもあるビリーの方は明後日にマウイ島のJAWSで開催が予定されている『cbdMD Jaws Big Wave Championships』に出場するため、明日ヒートが終わった後にマウイ島に向かい、イベント終了後にオアフ島に戻ってくるハードスケジュールをこなすとのこと。
恐らく、同じ行動を取るWSLの関係者も多そうなので、両イベントが同時に開催されることはないでしょう。
その他にR3(Round of 32)を決めた主な選手は、オーウェン・ライト(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ヤゴ・ドラ(BRA)、セス・モニーツ(HAW)など。
五十嵐カノア(JPN)は試験的で難しいR1のオープニングヒートで3位となったものの、R2ではパイプラインで驚異的なバレルをメイクして8.60を出して圧勝。
得意のパイプラインで今年も魅せてくれています。
PHOTO:© WSL/Heff
PHOTO:© WSL/Sloane
今後の波予報
コンテスト2日目にノースよりのウネリにシフトしてきたノースショア。
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると11日には新しい北西ウネリが入る予報。
ウネリのピークは12日の木曜日となり、今年からフォーマットが一新されたBWTの『cbdMD Jaws Big Wave Championships』が開催予定。
現地時間12月11日のファーストコールは早朝7時(日本時間の12日午前2時)です。
なお、今年も公式サイトでは脇田貴之、高貫佑麻をメインMCとした日本語放送を楽しめます。
2日目は大原洋人がゲストで登場、3日目は昨シーズン、『O`NEILL WAVE OF THE WINTER』を獲得。今シーズンも『SURFER AWARDS』のベストバレル賞を獲得した松岡慧斗がゲストに来る予定です。
同世代の高貫佑麻とは仲が良いそうなので、かなり突っ込んだ話が聞けそうです。
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
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