コンテスト
2019年ワールドタイトルが決定!『Taiwan Open World Longboard Champs』終了!
現地時間12月7日、台湾で開催されていたロングボードツアーの最終戦『Taiwan Open World Longboard Champs』が終了。
2019年のツアーはデヴォン・ハワードがツアーディレクターに就任、3つの6,000グレードと一つの10,000グレードのイベント、合計4イベントでワールドタイトルを決めるなどフォーマットが一新されました。
オーストラリアのヌーサ、スペイン北西部のガルシア、NYのロングビーチ、そして最終戦の台湾。
オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ、アジアを巡った記念すべき改革の年のチャンピオンが決定しました。
メンズは圧倒的な強さでジャスティン・クインタルがチャンピオンに!
オーストラリアのヌーサで28年間も続いている『Noosa Festival of Surfing』の中で行われた開幕戦で優勝、スペインでの第2戦で連勝したアメリカ・フロリダ出身のジャスティン・クインタルが2位以下に大きなポイント差をつけて最終戦へ。
最終戦ではファイナルデイの前日、「The Left」と呼ばれるシークレットポイントでR3を勝ち上がった時点で初のワールドタイトルが確定しました。
「最高の気分だね。間違いなく、自分の人生で最高の成果さ。この数日間はワールドタイトル獲得の状況が急激に変わり、本当に自分のものになるか分からなくなってしまった。固唾を呑んで見守っていたよ。だから、ようやく成し遂げることが出来た時は素晴らしい気持ちだったさ」
ジャスティンを有名にしたのはジョエル・チューダーのダクトテープ。WSLよりも遥かに自由なこのイベントの常連で10回の優勝を誇る特別な存在でした。
WSLイベントは主流がシングルフィンからスラスターに変わったこともあり、2014年以来出場は見送っていましたが、今年はフル参戦して正真正銘の世界最高峰のロガーであることを証明しました。
PHOTO:© WSL/Dunbar
「ダクトテープは特別で、時にワールドタイトルのような感じもあったけど、正式にはこっちがトップ。本当のワールドチャンピオンになれた自分を本当に誇りに思うよ。これで、いつか子供に’パパはワールドチャンピオンだったんだよ’って伝えることが出来るね」
表彰式では2018年のワールドチャンピオン、スティーブン・ソーヤー(ZAF)からトロフィーを手渡す粋な計らいも。
ちなみにジャスティンの他、ダクトテープの常連ではオーストラリアのハリソン・ローチも今年はツアーに参加。
シングルフィンの魅力を伝え、仲間のジャスティンの担ぎ役も担っていました。
PHOTO:© WSL/Poullenot
優勝はロドリゴ・スファイアー
メンズはジャスティンのタイトルが決定した後もイベントが進行。
ジャスティンをSFで倒したブラジリアンのロドリゴ・スファイアーが2xの強豪、 テイラー・ジェンセン(USA)を相手に見事なハングテンをメイク。
9.00のハイエストスコアを出して圧勝!
フロントサイドとなる「The Left」の波がロドリゴのサーフィンに完璧にハマり、2013年以来、2度目の優勝を決めました。
「信じられないよ。自分のキャリアで最大の夢のような優勝さ。このために努力してきたのさ。長年コンテストに出場してきたけど、もう優勝する日は来ないのでは?と思い始めていたのさ。テイラーのようなチャンピオンを相手にこの素晴らしい波で優勝出来たなんて信じられないよ。いつも支えてくれた家族や友人、彼女に感謝する。自分にとって台湾は特別な場所になった。特にこのレフトは最高だね」
PHOTO:© WSL/Hain
ウィメンズはホノルアが優勝して2x達成!
ウィメンズは2017年のワールドチャンピオン、ホノルア・ブロムフィルド(HAW)とクロエ・カルモン(BRA)の二人が争ったシーズン。
開幕戦のヌーサと第2戦のスペインをクロエが優勝してホノルアは第3戦のNYで優勝。
タイトルレースは1,500ポイントの僅差でクロエがリードして最終戦の台湾にもつれ込んでいました。
ファイナルデイもメイン会場の金樽漁港は北東風が強く厳しかったため、「The Left」と呼ばれるシークレットポイントで開催。
公式5-6ftレンジで風が強く、油断するとサーフボードが吹き飛んでしまうような難しいコンディション
SFではクロエがアリス・レモーン(FRA)に敗退した一方、ホノルアはタリー・ホワイト(AUS)を大差で倒してファイナル進出。
優勝すればワールドタイトル獲得、敗退するとクロエとのサーフオフというシチュエーションでヒート前半に6ポイント台を2本まとめてリード。
最後はプライオリティを持って逃げ切り、2度目のワールドタイトル獲得に成功しました。
「言葉が出ないほど嬉しいわ。この一週間、タイトルレースに残れて良かった。全然勝ち目がないように感じたけど、巻き返すことに成功したわね。私は勝てるんだといつも思っている。ヒートを確実に勝ち、それが私をこの場所に導いた。本当に嬉しいわ」
PHOTO:© WSL/Hain
2017年に初めてワールドタイトルを獲得した年もクロエと争っていたホノルア。
クロエは2014年、2015年にランキング3位。2016年、2017年にはランキング2位と常に上位にいる強豪。
特に今年は2連勝の後にNYでは2位。更にタイトルレースに関係ない1,000イベントでは2勝とまさに無敵の存在でした。
「クロエとの勝負はいつも怖いわね。彼女は信じられないほどのサーファーであり、常に最高の結果を出している。いつも支えてくれている家族、スポンサーに感謝したい。再びワールドチャンピオンになれたなんて、まだ信じられないけど...」
2019年の日本人選手とツアーを振り返る
PHOTO:© WSL/Hain
今イベントでは井上鷹、田岡なつみ、小山みなみ、吉川広夏が出場。
井上鷹、田岡なつみ、吉川広夏はR3に進んだものの、「The Left」での強い風で実力を出し切れずに敗退。
3名ともに9位で最終戦をフィニッシュしました。
今シーズンは6,000が3戦、10,000が1戦とイベント数が増えたため、チャンスが広がり、経験する機会も多くなり、スペインでは井上鷹が3位。
ヌーサでは小山みなみが5位に入る活躍をショートボードのCTレベルの舞台で見せていました。
デヴォン・ハワードを中心とした2019年ロングボードツアーの改革は僅か1〜2戦でワールドタイトルを決めていた昨年までのフォーマットを一新させ、タイトルを獲得したジャスティン・クインタルやハリソン・ローチのようなシングルフィンを愛用するロガーが興味を持つツアーに生まれ変わりました。
日本のみならず世界的に見てもショートボードと比べると軽視されることが多いロングボードのコンテストですが、今年11月に湘南で初開催されたダクトテープの盛り上がりを見ても、内容さえ充実していれば観客は集まり、興味を持つ人も増えていくと思います。
何より幅広い波で楽しめるロングボードは魅力的、ショートボードよりも圧倒的にキャパシティは大きいのです。
『Taiwan Open World Longboard Champs』結果
1位 ロドリゴ・スファイアー(BRA)
2位 テイラー・ジェンセン(USA)
3位 ルカス・ガリード・レッカ(PER)、ジャスティン・クインタル(USA)
ウィメンズ
1位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
2位 アリス・レモーン(FRA)
3位 タリー・ホワイト(AUS)、クロエ・カルモン(BRA)
2019 Men’s Longboard Tour 最終ランキング
1位 ジャスティン・クインタル(USA) 18,500pt
2位 ロドリゴ・スファイアー(BRA)14,200pt
3位 テイラー・ジェンセン(USA) 13,100pt
4位 カニエラ・スチュワート(HAW) 12,650pt
5位 カイ・サラス(HAW) 12,350pt
...12位 井上鷹(JPN) 8,217pt
2019 Women’s Longboard Tour 最終ランキング
1位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW) 20,500pt
2位 クロエ・カルモン(BRA) 18,500pt
3位 アリス・レモーン(FRA) 13,300pt
4位 レイチェル・ティリー(USA) 12.300pt
5位 リンジー・ステインリード(USA) 10,500pt
...15位 小山みなみ(JPN) 5,950pt
17位 吉川広夏(JPN) 5,750pt
17位 田岡なつみ(JPN) 5,750pt
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