コンテスト
カリッサが4度目のワールドタイトルを獲得!ウィメンズCT最終戦『lululemon Maui Pro』ファイナルデイ
男女賞金同額化や、フォーマットの変更があり、2020年東京オリンピックの選手選考も兼ねていた2019年のワールドツアー。
メンズよりも一足先にウィメンズの最終戦『lululemon Maui Pro』がハイシーズンのハワイ、マウイ島のホノルアベイで開催され、現地時間12月2日に終了しました!
カリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)、キャロライン・マークス(USA)の3名によるタイトルレースは前日のR3(Round of 16)でレイキーが脱落。
3度のタイトルを持つベテランのカリッサとツアー2年目の17歳、キャロラインの新旧一騎打ちとなり、QFで決着がつきました。
カリッサが4度目のワールドタイトルを獲得!
PHOTO:© WSL/Sloane
前日に入ったノースよりのウネリはピークを過ぎたものの、公式4-6ftレンジの十分なサイズが残ったファイナルデイのホノルアベイ。
QFではまずカリッサが土壇場でリクオリファイを確定させたばかりのニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)と対戦。ディフェンディングチャンピンであり、3度もこのイベントを制したことがあるカリッサは一貫したパワーサーフィンとバレルライドで2本の8ポイントを揃えてコンビネーションの圧勝。
ここで負ければ初のタイトルのチャンスを失い、尚且つ4度の最多優勝記録を持つステファニー・ギルモア(AUS)とのカードと計り知れないプレッシャーを抱えたキャロラインは武器のバックハンドでのターンが伸びず、6ポイント止まり。中盤にエンジンがかかってきたステファニーに逆転され、終了間際のチャンスも活かせず...。
キャロラインが敗退した時点でロッカールームで一人静かにその瞬間を待っていたカリッサのタイトルが確定しました。
「最高の気分よ。次はSFだし、感情を抑えて集中力を保つのが大変だったわ。信じられない。長年の成長と学習、積み重ねてきたことのおかげよ。全てが旅であり、この瞬間を本当に楽しみにしていたの。まだ実感はわかないけどね。ここには家族や友人が一緒にいるので、このタイトルの喜びを皆んなと共有するのを楽しみにしているわ」
4度目のタイトルが確定した直後、バートン・リンチからマイクを向けられてまずは今の素直な気持ちを話していたカリッサ。
PHOTO:© WSL/Sloane
現在27歳のカリッサは今回の4度目のタイトルでリサ・アンダーソン(USA)、ウェンディ・ボータ(ZAF)、フリーダ・ザンバ(USA)に並び、プロサーフィンの歴史に残る偉業を達成。
ハワイアンではアンディ・アイアンズの3度、ジョン・ジョン・フローレンスの2度を上回り、世界の舞台で最も成功したサーファーに。
「この瞬間を本当に長い間夢見ていたの。ワールドタイトルを獲得した経緯は全て違うけど、間違いなく今回の4度目は最も難しかった。タイトルを争ったレイキーとキャロラインは信じられないほど素晴らしいサーフィンで私を刺激してくれた。そして、素晴らしいサポートチームがいなければ、私はここにいなかったでしょう。今年の旅には愛を感じ、それが強く突き動かしたと感じるの。少し違うことを試したかった今年、私の非営利団体’ムーアアロハ’(カリッサが行うサーフキャンプやキッズを育てる活動)、が目的意識を与えてくれた。今回のタイトルで物事が一周したように感じる。来年はオリンピックでデューク・カハナモクの足跡を辿る。そんなことを考えただけでワクワクするわ。私はハワイアンとして東京でアロハスピリットを広めたいと思っている。アメリカ、特にハワイを代表することは光栄だし、誇りに思うわ」
2019年のカリッサは驚異的な強さで、全てのイベントで唯一QF以上をメイクして4度のファイナル進出、2度の優勝。
過去にタイトルを獲得した2011年、2013年と同じように圧倒的な数字を並べたカリッサのシーズンでした。
優勝はステファニー・ギルモア
PHOTO:© WSL/Miers
QFでキャロラインを倒したステファニーはSFでカリッサと対戦。ステファニーのスタイルとカリッサのパワーが最高の舞台で凌ぎを削り、僅か0.87ポイント差のクロスゲーム。
終了間際のカリッサのライディングはレイバックスナップを含む彼女らしい一本でしたが、逆転には及ばず、この勝負はスタイルのステファニーに軍配が上がりました。
ファイナルではステファニーが18ヶ月振りのコンテストに復帰したタイラー・ライト(AUS)と対戦。2017年、カムバック優勝を果たした兄のオーウェンが頭をよぎるような展開ながら、最後はステファニーの強さが際立ち、ホノルアベイで自身の記録を塗り替える5度目の優勝!
CT通算31勝目を上げました。
「キャロラインとのヒートでは自分自身がリードして良いポジションにいると気付き、ワールドタイトルレースに参加しているようなスリリンングな気持ちを思い出したわ。今年は多くの危ういことがあり、新しい道具を試したの。皆んなにとって素晴らしいイベントとシーズンになった。もちろん、タイラーが戻ってきたことは本当に良かったわ。今日、ファイナルを共有するのに彼女以上ふさわしい人は思いつかなかった。彼女のサーフィンは今まで以上よ。来年、また’危険過ぎる’彼女とこの舞台で会えるのを楽しみにしているわ」
タイラーの完全復帰
PHOTO:© WSL/Miers
18ヶ月振りにツアーに戻ったタイラーは体の線が細くなったような印象でしたが、R3(Round of 16)でレイキーを倒すなどタイトルレースに大きな影響を与えていました。
2020年はワイルドカードが与えられる可能性が高く、ツアーで一番のパワーサーフィンでCTファンを楽しませてくれるでしょう。
「今日、ここにいられるのは本当に幸運だし、感謝しているわ。ほんの数ヶ月前には、まだ先が見えない場所にいたのにね。私を支えてくれた人々を感謝したい。特にガールフレンドのアレックスの存在は大きかった。彼女は最悪の状況の時も私の側でずっと見ていてくれたの。ここでサーフィンをして健康で幸せな気持ちになったわ。本当に大変な時期があっただけに、この瞬間をとても楽しんでいる。オリンピックはウィメンズの全ての枠が決まり、男女賞金同額化の最初の年を迎えた。それは私達のスポーツの大きな瞬間よね。今年は一人のファンとして見ていたけど、ますますこのスポーツが好きになったわ。この大きな枠に関わっている全ての人に感謝したい」
2020年東京オリンピックに出場するCT枠の8名
PHOTO:© WSL/Cestari
前日もお伝えしましたが、今イベントでは2020年東京オリンピックに出場するCT枠の8名全てが決定しました。
その他の12名は2020年ISAワールドサーフィンゲーム、2019年ISAワールドサーフィンゲーム、2019年パンアメリカン競技大会から選出されます。
アメリカ
カリッサ・ムーア、キャロライン・マークスオーストラリア
ステファニー・ギルモア、サリー・フィッツギボンズブラジル
タティアナ・ウェストン・ウェブ、シルヴァナ・リマフランス
ジョアン・ディファイコスタリカ
ブリッサ・ヘネシー2020年CTルーキーは?
2019年の最終戦が終わり、QSを含めてランキングが決定。
CTのリクオリファイは10位まで。
残念ながら脱落したのはシルヴァナ・リマ(BRA)、ココ・ホー(HAW)、ペイジ・ハレブ(NZ)の3名。
タイラー・ライト(AUS)はワイルドカードが与えられると予想されます。
QSランキングで6位以内に入り、2020年CTルーキーとしてデビューするのは、イザベラ・ニコルス(AUS)の1名。
セージ・エリクソン(USA)、キーリー・アンドリュー(AUS)の2名は返り咲き。
ブロンテ・マコーレー(AUS)、ブリッサ・ヘネシー(CRC)、メイシー・キャラハン(AUS)の3名はCTの方で10位以下だったため、QSからのリクオリファイでツアーに残ります。
都筑有夢路はQS8位で2020年のクオリファイラインに1ランク届かず。
しかし、怪我人が出た場合のリプレイスメントとして出場するチャンスはあるでしょう。
ウィメンズCT最終戦『lululemon Maui Pro』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、キャロライン・マークス(USA)
2019 Women’s Championship Tour 最終ランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 59,940pt
2位 キャロライン・マークス(USA) 55,545pt
3位 レイキー・ピーターソン(USA) 55,125pt
4位 ステファニー・ギルモア(AUS) 49,810pt
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 48,950pt
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