コンテスト
CT開幕戦はジュリアン・ウィルソン&レイキー・ピーターソンが優勝!
ケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」がカリフォルニアのトラッセルズの変わりに加わるなどのスケジュール変更や、R5(ウィメンズはR4)の廃止、デュアルフォーマット(オーバーラッピングヒート)が使用可能なイベントの追加、五十嵐カノアの日本国籍への変更、ベルズ戦限りでの引退を表明したミック・ファニングなど開幕戦前から多くのトピックがあった2018年シーズン。
オーストラリア・ゴールドコーストのスナッパーロックスを舞台にウェイティングピリオド初日からスタートした『Quiksilver Pro Gold Coast』&『Roxy Pro Gold Coast』の最中もジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)と世界のトップ2を倒したイベントワイルドカードのマイキー・ライト(AUS)、欠場したケリー・スレーター(USA)のリプレイスメントで、ミック引退後の枠に入ることが決定したマイケル・フェブラリー(ZAF)やルーキーの活躍、フィリッペ・トレド(BRA)のリップの下での革新的なマニューバーなど多くの話題が続き、あっという間の5日間、現地時間3月15日にイベントは終了しました。
ファイナルデイは前日に入った東海上のサイクロン「Hola」の東ウネリが更に強まり、会場を6-8ftレンジのキラに移動してQFからファイナル、ウィメンズはSFとファイナル、合計10ヒート。
キラと言えば2013年のケリーvsパーコの名勝負が生まれた場所。
この日はウネリが安定せずに本来のシリンダーバレルがコンスタントに入るキラではなかったものの、ゴールデンルーキー、グリフィン・コラピント(USA)がスコアしたトリプルバレルによるイベント唯一のパーフェクト10を始め、いくつかのバレルがあり、大いに盛り上がっていました。
ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ウィメンズはレイキー・ピーターソン(USA)が共に開幕戦で初優勝。
そして、初のカレントリーダーの座を手に入れました!
「サンシャインコースト出身の自分にとってこの’Quiksilver Pro’での優勝は子供の頃からの夢だった。地元から最も近いイベントだし、昔からみんなが勝つ姿を見ていつかあの舞台に立ちたいと思いながらツアーを目指したんだ。だから、この優勝は特別。このイベントでは自分自身について多くのことを学んだよ。肩の怪我、妻アシュリー、生まれたばかりの娘、オリビア。第一子を授かったことによって、信じられないほど肩の痛みが消えて戦い抜くことが出来たのさ。妻のアシュリーに感謝したい。彼女の出産という経験が偉大なインスピレーションを与えてくれたんだ」
開幕戦の約6週間前、マウンテンバイクでトレーニング中に転倒事故をして肩鎖関節を脱臼していたジュリアンでしたが、1週間前に生まれたばかりの娘が彼に力を与え、キャリア4度目の優勝を導いていました。
29歳、昨年もタイトル争いに絡んでいた彼が初のワールドチャンピオンに向けて最高のスタートを切り、次のベルズへ。
「昨年のオーストラリアレッグよりもベターな結果になって嬉しい。凄いポジティブになるし、次のベルズが楽しみだよ。怪我を直して次の戦いに挑みたいね」
ジュリアンとファイナルを戦ったのはエースことエイドリアン・バッカン(AUS)、キラの波に対してバックサイドとなるグーフィーフッターは不利な立場と思えましたが、ベテランらしい正確なボードコントロールでスコアを重ねていました。
「もちろん、優勝したかったけど、ジュリアンが勝つ姿を見れて嬉しい。彼は最近、怪我をした一方、父親になったんだ。だから、この優勝は彼にとって素晴らしいものになるだろうね。キラを二人きりで貸切り。それも親友とだなんて最高だった。これ以上求めることはないさ」
35歳の最年長として2020年東京オリンピック、オーストラリア代表のトレーニング合宿にも参加しているエース。
2年後に日本で戦う可能性もありそうです。
ウィメンズの『Roxy Pro Gold Coast』も波乱が続き、ワイルドカード時代を合わせると通算6回も優勝、ディフェンディングチャンピオンでもあるステファニー・ギルモア(AUS)を始め、2年連続ワールドチャンピオンに輝いたタイラー・ライト(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)と2009年から開幕戦を制していた3強がイベント前半で次々と敗退...。
その一方、今シーズン唯一のルーキー、16歳のキャロライン・マークス(USA)や、ダークホースのキーリー・アンドリュー(AUS)、優勝したレイキーなどフレッシュなメンバーが活躍した開幕戦でした。
「様々な感情が湧いてしまい言葉が見つからないわ。2度目の優勝まで7年間、このために頑張ってきた気持ちよ。遂に成し遂げたわ。信じられない、最高よ。もし、過去に優勝経験がなかったとしたら、諦めてしまっていたかも。それだけ長かった。ハードなトレーニングがやっと報われたわね。ずっと一緒にやっているマイク・パーソンズを始め、素晴らしいサポートクルーに恵まれているの。私達にとってこの優勝は本当に大きな意味があるわ」
2016年、足首の怪我で開幕戦から5イベントも欠場が続きシーズンを棒に振ってしまったレイキー。
ワイルドカードを得た2017年は開幕戦、フランスでファイナル進出と見事な復活を果たしていました。
2018年の開幕戦前にはパートナーと婚約と公私共に充実したポジティブなエネルギーが今回の結果にも結び付いたと言えます。
「最終戦までイエロージャージを離さないわ。目標は一年を通して安定した結果を残すこと。自分自身を信じてサーフィンを楽しみたい。人生もサーフィンも両方楽しみながら過ごしたいわ。今日のような私達のレベルを上げてくれる素晴らしいコンディションで開催してくれたWSLに感謝したい。ここでみんなと戦えて楽しかったし、念願だったこの舞台に立てたことを光栄に思う」
2012年の『Nike US Open of Surfing』以来、2度目のCT優勝を決めたレイキー。
そのサーフィンは明らかに進化しており、タイラー、ステファニー、カリッサ、サリーと共にタイトル争いに絡んできそうです。
次のCT第2戦は3月28日〜4月8日にベルズビーチで開催される『Rip Curl Pro Bells Beach』
ミック・ファニングが17年間の長いキャリアに終止符を打ちます。
『Quiksilver Pro Gold Coast』結果
1位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
2位 エイドリアン・バッカン(AUS)
3位 トーマス・ヘルメス(BRA)、グリフィン・コラピント(USA)
5位 オーウェン・ライト(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)、マイケル・ロドリゲス(BRA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
『Roxy Pro Gold Coast』結果
1位 レイキー・ピーターソン(USA)
2位 キーリー・アンドリュー(AUS)
3位 マリア・マニュエル(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 タイラー・ライト(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、キャロライン・マークス(USA)、ステファニー・ギルモア(AUS)
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