コンテスト
2017/2018のBWTタイトルはビリー・ケンパーが獲得!
2017年1月〜2018年2月の長いウェイティングピリオドを設けて行われるWSLのBWT(ビッグウェーブツアー)が終了。
今シーズンはプエルト・エスコンディードでの『Puerto Escondido Challenge』、マウイ島の「Pe’ahi」での『Pe’ahi Challenge』、ポルトガルのナザレでの『Nazaré Challenge』と3イベントが行われ、2度の2位と4位に入ったハワイアンのビリー・ケンパーが初のワールドタイトルを獲得しました!
「タイトルの知らせを聞いた時、本当に嬉しかった。最高の気分さ。大きなアップダウンがあった感情的な年だった。プエルトリコのコンテストの数週間後に二人目の子供を授かり、すくすくと健康に育っている。その一方で母親がステージ4の癌と戦っているんだ。誰もが嫌になるような苦しみさ。癌を全て取り除いて生きて欲しいと自分は強く願っているよ。このワールドタイトルは彼女に捧げる。彼女こそがワールドチャンピオンなんだ。本当に感謝している」
PHOTO: © WSL/Hallman
『Puerto Escondido Challenge』ではカイ・レニー、『Pe’ahi Challenge』ではイアン・ウォルシュと両イベント共に同じマウイ島のライバルが優勝した今シーズン。
第2戦を終了した時点でトップはカイ、2位にビリー、3位にイアンと続き、迎えた最終戦『Nazaré Challenge』はカイとビリーがファイナル進出とタイトル争いは僅差でした。
「ナザレでのファイナル、タイトル獲得に関してのチャンスは把握していたよ。今シーズン最後のイベント、獲得するにはカイよりも上にいる必要があった。ワールドタイトルが目の前にあったんだ。カイとは旧知の仲さ。彼が子供の頃に私の母のデイケアをしていたし、お互いが生まれる前から家族ぐるみの付き合いだった。海でも一緒だし、プッシュし合う仲だよ。ファイナル前に握手を交わした時、二人共緊張していたと思うね。実は私はカイの大ファンなんだ。彼もそのことを知っている。QSを中心に経験を積んだコンテストがビッグウェーブのイベントでも助けになったんだ」
昨年のナザレでは最下位に近い19位という結果だったビリー。
ホームのマウイ島「Pe’ahi」がバレルもある極上のビッグウェーブであるのに対してナザレの波は好みではないとか...。
そして、このメンタル面をコーチ&トレーナーのカヘア・ハートに正されたのが今年の結果に結び付いたのだと言っています。
ファイナルでは優先権を利用してカイに波を乗らせないように執拗にマークする余裕もあり、「必要ならフランスまでパドルしてマークする気だったよ(笑)」と話していました。
PHOTO: © WSL/Saguibo
普段は4人の子供のパパでもあるビリーの仕事を支えているのは、彼が留守の間に家庭を守っている妻。
そして、コーチ&トレーナーのカヘア・ハートの存在が大きいと言います。
ビリーが19歳の頃から側にいるカヘアは現在47歳。
ハワイでは有名なコーチであり、その他の選手のインタビューにも度々登場します。
ハワイのシーズン前、9月〜10月は週5日と特に入念にトレーニングを重ね、カヘア自身も一緒に水泳やフィジカルトレーニングを行い、メンタル面のアドバイスも優秀だとか。
2015年、歴史に残るエピックコンディションに恵まれた『Pe’ahi Challenge』で初優勝、2016年にも同イベントで優勝とビリーを語る上で欠かせない「Pe’ahi」
初優勝の直後には栄養面のアドバイスも受けるようになり、それをカヘアのワークアウトと組み合わせた翌年は無敵に感じ、ファイナル終了後に更に3時間もサーフィンしていたそうです。
PHOTO: © WSL/Saguibo
『Pe’ahi Challenge』でイアンに優勝を奪われた数ヶ月後、2018年1月にサンセットビーチで開催されたQS1,000『Sunset Open』で優勝。
『Pe’ahi Challenge』での結果は今までで最も悔しい2位で、サンセットビーチでもネガティブな気持ちだったそうですが、ヒートを勝ち上がり、闘病中の母が応援に来たことで気持ちが一新。
「今の私が人生のどこにいるのか...。そして母親の身に何が起きているのか...。考えてしまったよ。自分にとって家族が全てなんだ。今私がしたいのは家族と一緒にいることだけ。母親の前で優勝し、この場所にいることに感謝出来るようにしたい。彼女が真のチャンピオンさ」
ビリーの次の目標はハワイアンなら誰もが目指している『 Vans Triple Crown of Surfing』の獲得。
「自分のキャリアはまだ始まったばかりだよ」と今年で28歳の彼は言っています。
なお、ウィメンズは昨シーズン同様に『Pe’ahi Challenge』の1戦のみ開催され、優勝したペイジ・アームが2年連続のタイトルを獲得しています。
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