WCT第5戦「ビラボンプロ」終了！

南アフリカのJ-BAYで開催されていたWCT第5戦「ビラボンプロ」は、現地時間の7月21日に全日程を終了。オージーのタジ・バロウ(AUS)が、8Xのケリー・スレーター(USA)をファイナルで破り、優勝!第2戦のベルズに続き、今シーズン2勝目を上げました。

ファイナルデイのコンディションは3-4ftのオフショア。日本の基準で考えるとエクセレントでしたが、ここJ-BAYにしては今一つで、波数も少ない状況でした。

そんな中、行なわれたファイナルのタジ・バロウ(AUS) VS ケリー・スレーター(USA)は、ケリーに良い所がまるで無く、ワイプアウトを続出。スコアも延びず、最高でも3.60ptのトータル6.17pt。一方のタジは持ち味であるスピードを活かした切れのあるライディングで、前半と後半に8t台をまとめてトータル16.50ptとケリーに対してコンビネーションの圧勝。タジは昨年のこのイベントでもファイナルまで進んだものの、ミックに破れてあと一歩のところで優勝に届きませんでした。さらにJ-BAYでの優勝は彼にとって初めてということで、嬉しさも倍増していた様子。

表彰台でのインタビューでも、「この1勝はデカイよ。このイベントは大好きだしね。毎年ここに来るのを楽しみにしているし、居心地が良いんだよね。水温はオレのホームと同じ感じだし、天候だってそっくり。最高のライトブレイクもあるしね。ここではいつも上手くやりたいって思っていたから、良い方向に向かったんだよ。」と満面の笑顔で答えていたのが印象的でした。

また、今シーズンのタジの好調さの秘密は、新しく導入した「ファイヤーワイヤー」の存在が大きいようです。「ファイヤーワイヤー」とは、新素材のサーフボードで、軽量かつ丈夫。昨年まではサーフボードがクラッシュするのを恐れ、フリーサーフィン用とコンテスト用のボードを分けていました。それが、この丈夫な素材のボードにより、余計な神経を使わないで済むようになり、早くもそれが良い結果に結び付いているようです。

一方、破れたケリーの方は、「疲れちゃったよ。一日で4ヒートなんて、久しぶりだからね。ファイナルでは8pt以上のスコアが必要だったけど、それが出せなかった。序盤に良い波を乗ったんだけど、しくじったよ。あのチャンスを逃したのがね〜。とにかく、心身ともに疲れちゃったんだ。タジは上手く波をまとめてたしね。」とコメント。
ケリーは、クウォーターファイナルでアドリアーノ ・デ・ ソウザ(BRA)を相手に9.70pt＆9.53ptのハイエストヒートポイントを出したものの、ディーン・モリソン(AUS)とのセミファイナルでは、わずか0.07ptの僅差と苦戦。
今年で35歳となったケリーに連続でのヒートはキツかったようです。

なお、シーズン初めからレイティングトップをキープしているミック・ファニング(AUS)は、セミファイナルでタジに破れてしまったものの、3位となり、依然トップに君臨しています。

このイベントで優勝したタジは、4位から2位に返り咲き、トップのミックとのポイント差は574pt。
今シーズンの最高位となったケリーは、6位から4位へアップしてますが、ミックとの差は約1000ptと大分離れているため、残り試合を考えると9Xの可能性は低いと予想されます。
3位をキープしているアンディでさえ、ミックとのポイント差は900pt以上離れているため、よほどの番狂わせが無い限り、今シーズンの優勝争いはタジとミックに絞られてくるのではないでしょうか。

次は9月9日からカリフォルニアのトラッセルズで開催されるWCT第6戦「ブーストモバイルプロ」。
BCMではこのイベントもフォローしていくので、お楽しみに！

WCT第5戦「ビラボンプロ」
主な結果は以下の通り。

1位　タジ・バロウ(AUS)
2位　ケリー・スレーター（USA）
3位　ミック・ファニング（AUS）、ディーン・モリソン（AUS）
5位　ジョエル・パーキンソン（AUS）、ダニエル・ウィルス（AUS）、アドリアーノ ・デ・ ソウザ(BRA)、アンディ・アイアンズ（HAW）

ASP WCTレイティングTOP10
1位 ミック・ファニング（AUS）4860pt
2位 タジ・バロウ（AUS） 4286 pt
3位 アンディ・アイアンズ（HAW）3921pt
4位 ケリー・スレーター（USA）3840pt
5位 ジョエル・パーキンソン（AUS）3804pt
6位 ダミアン・ホブグッド（USA）3599 pt
7位 ビード・ダービッジ（AUS） 3057pt
8位 ダニー・ウィルス（AUS）2942pt
9位 ディーン・モリソン(AUS)2838 pt
10位 トラビス・ロッジ（ZAF） 2810pt

photo: ASP Covered Images