コンテスト
『Drug Aware Margaret River Pro』開幕!
PHOTO: © WSL/Sloane
オーウェン・ライト(AUS)の感動的なカムバック、約3年振りの優勝をホームで手に入れたステファニー・ギルモア(AUS)とニュース満載で開幕した2017年のワールドツアー。
次の舞台はWA(ウェスタンオーストラリア)のマーガレットリバー。今年はイースターの日程の関係か、昨年までのベルズと順番が入れ替わり、現地時間3月29日にスタートしました。
インド洋から届く巨大なウネリ、クリーンな海水、ワイルドな自然。何よりバラエティ豊かなブレイクが世界中のベストスポットを回っているCTサーファーでさえ魅了。サーフィン大国オーストラリアが誇るこの土地はまさにワールドクラスのクオリティと誰もが認めることでしょう。
メイン会場の「Surfers Point」のみで行われた昨年と違い、今年は素晴らしい予報が続いており、初日も特大の南南西ウネリがヒット。
バックアップ会場の「North Point」でR1の12ヒートが進行しました。
2015年にフリーサーフィンで話題になった「North Point」は、メイン会場の「Surfers Point」から約16キロ北部に位置しており、湾に囲まれたライトオンリーのポイントブレイク。
キラのような長いバレルが特徴で、2016年は新たにバックアップ会場として登録されたものの、サイズ不足で使用されず、2年越しの開催にイベント前から話題になっていました。
基本的に「North Point」は他が大き過ぎる時に回り込んでくる地形で、この日はウネリの向きも微妙に悪かったため、セット間隔が長く、ヒートの明暗も分けることに。
いくつかのバレルでハイスコアが生み出されたものの、ほぼ1チャンスという厳しいヒートもあり、ストレスを感じたサーファーも多かったようです。
しかし、「終わり良ければ全て良し」、最終ヒートでディフェンディングチャンピオンのシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW・写真最上部)が信じられないような長いバレルをメイク。
5名のジャッジが全て10ポイントを出す文句なしのパーフェクトスコアが最後にマークされ、「North Point」の素晴らしさを世界中に示していました。
「あの波は凄かった。そして長いバレルだった。まさかメイク出来るとは思っていなかったよ。あのバレルの半分はいけると思っていたけど、それでは充分とは言えなかったよね。最初のヒートを勝ち上がり、一日休めるのは最高さ。それもあんなバレルを得ての勝利。ストークしているよ」
ファーストセクションからバレルイン、この日いくつも見てきた出口無しバレルのように(目の前にはフィリッペがバドル)誰もが潰されたと思った瞬間に姿を現した時はMCのピーター・メルが興奮して我を忘れたほど。
「こんなの見たことないよ」「素晴らしい一日の終わりだ。これ以上はないよ」と何度も繰り返されたリプレイの際の言葉を綴ればその凄さが分かって頂けると思います。
シーバス本人もメイクした後は放心状態のようで、ワンタイミング遅れて「今の見たか?」のポーズを取っていました。
PHOTO: © WSL/Dunbar
開幕戦のR1で最も注目されたケリー・スレーター(USA・写真上)、ミック・ファニング(AUS)の豪華カードが第2戦でも実現。ルーキーのレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)を含めたこの対戦はオープニングヒートでもあり、手探りからのスタートでミックでさえも’らしくない’ワイプアウト。
レオナルドはかろうじて僅か1本乗れただけ...。
短いバレル、ダブルアップしてきたバレルにプルインしてアイランドプルアウトしてロースコアを重ねたケリーが辛くもラウンドアップを決めていました。
「本当に難しいヒートだった。6ft、いや8ftのセットも入っていたけど、波は不安定だった。私達はずっとポジションから外れているようだったよ。最後までみんなロースコア止まりだったしね。ミックとレオと最初のヒートで対戦することはクールさ。ここは素晴らしい波。コンテストの設置のために一晩中かけて実際に行われただけでも凄いことだと思う」
PHOTO: © WSL/Dunbar
ローカルトライアルを勝ち上がってワイルドカードを得たジェイコブ・ウィルコック(AUS)でさえ手こずったこの日。
難しいバレルこそ真価を発揮する2016年のワールドチャンピオン、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ジェイコブとルーキーのフレデリコ・モライス(PRT)とのカードで後半に猛チャージ。
ディープなバレルからスタイリッシュかつパワフルなレイバックで7.17。フルローテーションエアーで6.50のバックアップスコアを重ね、ロースコア止まりの両者をコンビネーションに追い込んで圧勝。
「今日はウネリの向きが良くないから難しいね。ウネリが入ってくるように見えても実際は違う方向に反れてしまうのは、ストレスになる。昨年は多くのことを学び、ヒートでの戦略が確実に好転している。全体的に見るとスローヒートだったけど、波が入れば楽しかったよ」
開幕戦ではSF進出の3位とまずまずの成績を残したジョン・ジョン。
2連連続のワールドタイトル獲得に向け、また一歩前進しました。
PHOTO: © WSL/Sloane
開幕戦で最高のカムバックを果たしてイエロージャージを手に入れたオーウェンもこの日のコンディションに苦労した一人。
イアン・ゴウベイア(BRA・写真上)、コナー・オレアリー(AUS)、二人のグーフィーフッター&ルーキーのクロスゲームとなり、バックハンドでダブルバレルをメイクして8.00をスコアしたイアンが勝利。
「夢のようなヒートだった。バックハンドのバレルは得意なんだ。だから、この’North Point’で他2名だけで楽しめるのは最高だね。ジェシーの勝利は刺激になった。ツアーにいるブラジリアン全てに影響されているんだ。あのバレルに興奮して自分も入りたくなったのさ」
二つ前のヒートでは、ガブリエル・メディナ、ウェゴリー・ダンタス、ジェシー・メンデスという全てブラジリアンのグーフィーフッターというカードがあり、ジェシーがレイトテイクオフからバレルをメイクして7.00をスコア。ワイルドカードながら強豪を倒してラウンドアップを決めていました。
ちなみにイアンは元CT選手、ファビオ・ゴウベイアの息子。
ウィメンズでは同時期に活躍していた元CT選手のデイブ・マコーレーの娘、ブロンテ・マコーレー(AUS)もルーキーとして2017年のツアーに参加。
更にその姉のローラ・マコーレーも今イベントのワールドカードに選ばれています。
その他にR1を勝ち上がったのは、コロヘ・アンディーノ(USA)、ジャック・フリーストーン(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)、カイオ・イベリ(BRA)、ジェレミー・フローレス(FRA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
五十嵐カノアはロースコア止まりで敗退し、次のR2ではミックと対戦します。
PHOTO: © WSL/Cestar
ネクストコールは現地時間3月30日の7時00分(日本時間の同日8時00分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南南西ウネリはピークを過ぎるものの、十分なサイズが残る予報。
「North Point」からメイン会場の「Surfers Point」に移動して行われる予定。
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