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『Quiksilver Pro Gold Coast』開幕!


PHOTO: © WSL/Sloane

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、タイラー・ライト(AUS)の新しいワールドチャンピオンが誕生した2016年シーズン。
今年は多くの関係者が口を揃えるように過去最高水準のメンバーによるワールドツアーが実現。
現地時間3月16日、待ちに待った開幕戦『Quiksilver Pro Gold Coast』がオーストラリア・ゴールドコーストのスナッパーロックスを舞台にスタートしました!

今年はメインスポンサーだった韓国の大企業「Samsung」が撤退した一方、ライブ中継では「Facebook」と提携。

主役である選手の方は、ミック・ファニング(AUS)がスポット参戦からフル参戦に戻り、オーウェン・ライト(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)が選手生命を脅かすようなワイプアウトからカムバック(写真下)を果たし、ケリー・スレーター(USA)が45歳、引退を目前にして12度目のワールドタイトル獲得を公言。

昨年、初のワールドタイトルを獲得したジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を筆頭としたガブリエル・メディナ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)という今後10年間はタイトルを争うだろうと予想されている新世代の台頭は明らかであり、オープニングデイも堂々とR1をクリア。

更にイーサン・ユーイング(AUS)、フレデリコ・モライス(PRT)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)を始めとした過去最高レベルのルーキーも今シーズンのスパイスになりそうです。


PHOTO: © WSL/Cestari

3-5ftレンジのクリーンなグッドコンディションに恵まれた初日はR1の12ヒートにR2の2ヒートが進行。
ウィメンズの『Roxy Pro Gold Coast』を合わせると21ヒートも行われたマラソンデイでした。

長い髪の毛を少しスッキリさせたディフェンディングチャンピオンのウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)を始め、コロヘ・アンディーノ(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)などレッドジャージを着るトップシードが1位通過でR3へ。
オーウェンもカムバック最初のヒートを勝ち上がり、笑顔でビーチに戻ってきました。
ルーキーではフレデリコがフィリッペ・トレド(BRA)、エイドリアン・バッカン(AUS)とのクロスゲームを制してR3進出。

R1で最も注目されたケリー・スレーター(USA)、ミック・ファニング(AUS・写真最上部)、ジェレミー・フローレス(FRA)のゴールデンカードはジェレミーが主導権を握り、ミックがそれを追い、ケリーはやや離されてヒートが進行。
このカードでは伏兵とも言えるジェレミーのペースながら、終了間際にミックが目の覚めるようなスピードのリップからカービング、シグネチャーターン、フィニッシュのフローターまでメイクして7.17をスコア。僅か0.14差でジェレミーを上回り、次に進みました。

「プライオリティを持ってしばらく波を待っていたけど、今日のようなコンディションではそれが仇になることがある。最後まで落ち着いて戦えたことは大きな自信になったし、一年を通して保ちたい。結果ばかりを気にし過ぎたくはないけど、この調子で勝ち続けたいよ」

スポット参戦だった昨年のミックは、J-Bayでの優勝、ベルズでの3位などタイトル争いのプレッシャーがない中で良い結果を残していましたが、フル参戦になった今年はワールドタイトルという重圧がのしかかるため、全く違う気持ちだとのこと。
また、昨年はランキング18位なので、今回のようなR1からトップシードとの組み合わせが実現。第2戦以降も面白いカードが見られる可能性が高そうです。


PHOTO: © WSL/Sloane

R1の最終ヒートでルーキーのイーサン、シーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)に対して8ポイント台を2本スコアしてラウンドアップを決めたオーウェン(写真上)
すでにQSではニューキャッスルで復帰していましたが、CTは特別な舞台であり、そこで最初に勝てたことは大きなプラスになることでしょう。
休んでいた間に大分痩せたものの、大柄な身体を活かしたバックハンドのターンは負傷前と変わらず、勝利後はチームメイトのウィルコなどと喜びを分かち合っていました。

「今日勝てたことは素晴らしい気分だし、感情的になったさ。ここまでは厳しい道のりだった。この場所で戦えること自体を楽しんだよ。復帰後初のヒート、更に父親となって最初のヒートを勝てたのはこれ以上ない嬉しさだね。父親になったことでエネルギーと人生の使命を与えられている感じさ」

家族からの惜しみない愛に加え、自ら父親になったことでその愛を受け継ぐ立場となったオーウェン。
まだ小さな命が復帰後の彼の大きな力となることでしょう。


PHOTO: © WSL/Sloane

R1終了後には日没前にR2が2ヒートだけ進行。
2年連続でワイルドカードを得たオーウェン&タイラーの弟、マイキー・ライト(AUS)がミシェル・ボウレズ(PYF)、ケリー(写真上)がトライアルを勝ち上がったナット・ヤング(USA)を抑えてR3進出。

R2の残りヒートの注目カードは、H11の五十嵐カノア(USA) vs コナー・オレアリー(AUS)
アメリカ国籍ながら日本人の両親を持つカノアと元JPSAプロの柄沢明美の長男、コナーの対戦は日本人として見逃せない勝負と言えるでしょう。

なお、ガブリエルがバックハンドのロデオの着地で右膝をひねったという心配なニュースが入っていますが、優秀なメディカルスタッフの処置によって次もR3には問題ないそうです。


PHOTO: © WSL/Sloane

前日に一足先に開幕したウィメンズの『Roxy Pro Gold Coast』はR2が終了してR3を戦う12名が決定。
スモール&オンショア、更にこの風によってブルーボトル(カツオノエボシ)が大量発生した悪条件のR1からR3行きを決めたのは、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)
翌日に持ち越された最終ヒートでは一転してクリーンなグッドコンディションにローカルのステファニー・ギルモア(AUS)が爆発。大きなマニューバーにバレルライドまで披露してレイキー・ピーターソン(USA)、マリア・マニュエル(HAW)を完全に抑えてラウンドアップ。

敗者復活戦のR2ではキーリー・アンドリュー(AUS)、ルーキーのブロンテ・マコーレー(AUS)、タイラー・ライト(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ココ・ホー(HAW)、レイキー(写真上)が勝ち上がっています。

記念すべき2017年初のパーフェクト10に加え、9.27のハイスコアを重ねトータル19.27という驚異的な数字を出したレイキーは、「私が最後に10ポイントを出したのがいつか教えて欲しいわ。足首の怪我に悩まされた昨年、オフシーズンはハードなトレーニングを重ね、それが最終的に報われた感じね。10ポイントを出した後に時計を見たらまだ15分も残っていたの。パーフェクトなスナッパーロックスに二人だけ。そんな状況に興奮したわ。健康で幸せな状態でこの場所にいることを感謝したい」とコメント。

レイキーもまた2016年シーズンを棒に振り、カムバックを果たした一人。
オフシーズンにはフィリッペにコーチを依頼してエアリアルのトレーニングをしていたそうなので、シーズンのどこかでそれが発揮される場面もありそうです。

ネクストコールは現地時間3月17日の7時30分(日本時間の同日6時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると東よりのウネリが強まり、風も合う予想なので、コンテストは続きそうです。

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