コラム特集
五十嵐カノア来日「BCM直撃インタビュー」
photo ©KENYU
2016年、最年少18歳でCTルーキーとして世界のベストウェーブを回り、最終戦のパイプラインマスターズではケリー・スレーターや、ジョーディ・スミスなどの強豪を倒してファイナル進出。
ルーキーイヤーにして2位という大活躍、総合ランキング21位でリクオリファイを果たした五十嵐カノア。
2017年はホームのカリフォルニア・ハンティントンで開催されたQSのファーストイベントで優勝と幸先良いスタートを切っています。
今回はオーストラリアレッグの前に急遽来日となったカノアへ、一般サイン会が予定されていたインタースタイル会場でBCMが直撃インタビュー。
まだあどけなさの残る19歳、今年で20歳という若さながら、世界でたった34名の選ばれし者らしい自信に満ちた表情でしっかりとした回答をしてくれました。
■昨年の最終戦、パイプラインでの活躍に興奮しました。
ハワイ、そしてパイプラインは何歳から経験しているの? ワイメアやビッグウェーブでの経験は?
■五十嵐カノア
ハワイは9歳から行っているので、昨年が10年目のシーズンです。
12歳からはパイプラインにあるクイックシルバーハウスに通って経験を磨き、17歳から18歳頃にはパイプラインでローカルが波を譲ってくれ、乗れるようになってきました。
昨年のパイプラインマスターズの後にはローカルからのリスペクトをもらったし、もうホームみたいな感じです。
ワイメアには3回入ったことがあります。
ハワイではみんなビッグウェーブが優先。自分もビッグウェーブはサーフィンの一部として凄い好きです。
ブラジルのQSのような波と違い、パイプは一回のチューブという波なので、サーフボードは長め。
そういうサーフィンが凄い好きです。
昨年のパイプマスターズで2位の快挙 photo ©WSL/Cestari
■昨年、初めてワールドツアーを回っての感想は?
シーズンで印象深かったイベント、一番良い波だったイベントは?
■五十嵐カノア
パイプラインマスターズが一番印象に残りました。
他にはフィジーですね。大会が始まる3日前に行ったのですが、波が凄い良くて、良いチューブにも入れたし、ずっと友達とやっていました。
大会が始まってからは少し悪くなってしまったけど、とても印象に残りましたね。 これがCT、チャンピオンシップツアーなんだなって思いました。
パイプラインでは一日チューブに入ってファイナルまでいけて面白かったです。
9.93pt、8.83ptのエクセレントライドでジョーディ、ケリーを撃破 photo ©WSL/Poullenot
■結果を残した昨年のマスターズもそうですが、スマートな試合運び、スコアするべき場面でスコア出来る安定感があなたの武器だと感じます。
QS時代と比べてヒートの戦略や考えなど変わった点は?
■五十嵐カノア
子供の頃から大会を見るのが好きで、自分が参加していないイベントでもライブを良くみていました。
勉強という感じではないけど、ただサーフィンを見るのが好きだし、沢山見ていると自然に頭の中にも入ってくるんです。
例えば、ヒートでジャッジがどんなスコアを出すのとか、どういうサーフィンをすればスコアが出るのかとか...。
波によっても、タヒチのチョープーだったら、アクションをしてもスコアは出ないし、トラッセルズだったらチューブにスコアが出ないし。
いつも見ていたのが勉強になったし、考えていました。
■気持ちを落ち着かせるための方法はある?
■五十嵐カノア
シンプルに“深呼吸”するだけです(笑)
■ヒート前のルーティーンは?
■五十嵐カノア
少しウォームアップして波を見て、海に入る前にリラックスするためにサーフボードを抱えて一緒に目をつぶるんです。
そして、これから大会が始まるんだよという合図、身体のスタートボタンという感じで目を開ける。
目を開けた瞬間、リセットして始まるんだ!という気持ちになります。
ライブ中継でもお馴染み、カノアがヒート前に集中するシーン photo ©WSL/Laurent Masurel
■今シーズンの目標は?
■五十嵐カノア
トップ10入りが目標です。あとはCTでの優勝ですね。
■レオ(レオナルド・フィオラバンティ)、ジーク(イズキール・ラウ)と、クイックシルバーのチームメイトが今年から一緒にツアーを回ることになるけど、先輩として彼らに一言アドバイスは?
■五十嵐カノア
ルーキーイヤーは難しいし、ギリギリで負ける時も多い。
それをポジティブに受け止めて落ち込まないように進むことが大切だと思います。
親友のEzekiel"Zeke"Lauは、カノアの成績によって今季ツアー入りが確定 photo ©WSL/Steve Sherman
■先日、NHK BS1で放送されたカノアの特集番組で「オリンピックに出られるのなら、日本人として出たい」と言ってましたが、国籍についてアメリカと日本、何か特別な思いがありますか?
■五十嵐カノア
自分は二つの国籍を持っています。
WSLはアメリカですが、オリンピックは日本の代表で出たいと思っています。
今後、どうやって選べるのかフォーマットを待っています。
■オリンピックに向けた準備はしていますか?
■五十嵐カノア
オリンピックも同じサーフィンの大会なので、サーフィンの練習をしてトレーニングするだけです。
あと3年もあるので、その間、身体を準備してWSLの大会のように考えています。
photo ©WSL/Damien Poullenot
■最後にBCMのファンに向けて、一言メッセージをお願いします。
■五十嵐カノア
いつも応援してくれてありがとうございます!
また今年もパワー全開で頑張ります! (facebook動画で見る)
今回、3日間という短期間で急遽来日を果たした五十嵐カノア。
分刻みで動く超過密スケジュールの中、取材はTV等の一般メディアのみという流れでしたが、BCMなど専門メディアのファンにもメッセージを届けたいというカノア本人の意向もあり、わずかな時間ながらインタビューを実施することができました。
このインタビューの翌日にはオーストラリアに向かい、ニューキャッスルで開催されるQS6,000に参加するというカノア。今年も彼の活躍から目が離せません!
繰り返しの取材・撮影で大忙しの中、全てを笑顔で、スマートに対応するカノア
2016シーズンに着用したゼッケン。日本人として初のCT入りを果たし世界中を転戦
シーズン前にはパイプラインは得意と公言、それを証明して見せた
インタビュー後のサイン会は、特別室への通路?階段、会場の外まで長蛇の列
用意された整理券はあっという間に終了
ファンにとっては嬉しい交流の場。一番乗りの彼はWSLのカノアTシャツを持参
一般マスメディアを含む多くの報道陣がカノアの動向を取材
キッズの前ではひときわ優しい笑顔を見せるカノア
五十嵐カノアに憧れて、これから成長していくキッズにも期待!
BCM の Facebook に「いいね!」をしよう
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。