F+（エフプラス）コラム「エディ問題勃発」⇒続報：やっぱりGOに

Text by つのだゆき / Photos by tom servais



ハワイではもうジョン様祭りが止まらない、といった感じのようだが、いつもの年ならそろそろエディ・アイカウのイベント招待選手とかの話題が舞い込んでくるころだ。しかし、現時点では2016-17年のワイメアのエディのイベントは宙ぶらりんというか、開催のめどが立っていない。
そもそもあのイベントはホクレア号で命を落としたエディ・アイカウをしのんで、アイカウファミリーや有志がワイメアにビッグウエイブが立った時に哀悼の意を表して行われていたものだ。それを1985年からクイックシルバーがサポート、近年はクイックシルバーが冠につくWSLのスペシャリティイベントとなっていた。
そのクイックシルバーとアイカウファミリーの交渉が決裂、この先、従来の形でのコンテストの開催ができなくなった。
ハワイでコンテストを行うには州の許可が必要だが、クイックシルバーはその許可証、つまり開催権をアイカウファミリーにゆだねることとなった。
ま、言葉は悪いが、ほかでやるんならご自由にどうぞ、的な。

交渉の決裂は、おそらく金銭問題に他ならないわけだけど、それが高すぎたのか安すぎたのか、つまり、クイックとしては昨年以上の、従来以上のビッグイベントとして商業ベースに乗せたいと思うのが当然で、エディ・アイカウの名前を使ってバンバン行きたいだろう。スポンサーとしては当然の行動。しかし、アイカウファミリーとしては、感情的には微妙なところだと思う。ま、遺族も高齢だし、そっとしておいてほしい気持ちもあるだろうし、逆に、そこまでビッグに行くならそれなりの見返りを、というケースもあるだろう。あるいは、小さなコミュニティのためだったものが、ここまで大きくなっちゃうと、どうなの?　的な戸惑いもあるかもしれない。現地に行っていろいろ聞いてみないと何とも言えないけど、事実としては、エディのイベントは今のところ開催不能な状態だ。



ま、ここ何年かの過熱ぶりは異常だし、開催されれば周辺はパニック、交通はマヒし、ノースショアは一日陸の孤島と化す。カメハメハ・ハイウェイは1本道で、ワイメア周辺にはバイパスはないので、それがマヒしてしまえばアウトだ。以前は島を逆まわりでタウンに出る、という方法が取られたりしたが、今やどっち回りもワイメアを頭にパニックする。サーファーではない、一般住民にしたら、相当迷惑なことだ。しかも日付が決まっているわけではないので、Xデーは突然やってきて、日常生活に支障をきたす。

とにかくサーフィンをメジャースポーツにしたいWSLからしたら、こういうイベントはぜひともビッグウエイブツアーに入れたいだろう。いま、まだそんなに浸透していないけど、より一般に速やかに浸透しそうなのはビッグウエイブツアーだ。エクストリームスポーツとして、サーファー以外の観客にもわかりやすいし、ある意味ルールやポイントなんて関係なく楽しめる。一目瞭然、ドキドキハラハラだ。スター選手不在でもビッグウエイブにチャレンジする、という行為そのもので人を呼べるので、CTより一般客を取り込める可能性は大だと私は思う。

しかし、アイカウファミリーにしてみれば、ツアーの一環って違うんじゃないのかな、と思う。WSLのスペシャリティイベントですら、違うんじゃないのかね。自分たちの招待した選手だけで、一日ワイメアの本当のビッグウエイブをサーフする、というシンプルな追悼セレモニーも、管理されてしまえば本来の目的とはズレていく。
その辺なのかなぁ、と思う。このリリースがWSLとクイックシルバーの連名で届いた時、一番最初に、私がアイカウファミリーの一員なら、もういい加減にしてくれ、と思うだろうな、と思った。

【続報】2016/11/29 14:00更新
いきなりまた和解、エディ・ウッド・ゴーになったようで……
結構迷惑な話(笑)
1日がセレモニーだから、このタイミングでってことになると、相当ガタガタしてたんだろうなと。
真実を知ろうといくつか筋を当たってみたんだけど、現地ガード堅い堅い(笑)。
やっぱいかないと真相は闇の中ですね。


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