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ジョーディ・スミス 克服 そして飛躍


PHOTO:© WSL/Scholtz

昨シーズン、膝と腰の負傷によってシーズンを棒に振ったジョーディ・スミス。
今年はベルズでの2位をベースに着々と結果を残し、カリフォルニア・トラッセルズでの第8戦で優勝。
ジョン・ジョン、ガブリエリ、ウィルコで争われていたタイトルレースに加わり、次のヨーロッパレッグへ向かいます。
今回は優勝直後のジョーディにWSLが行ったインタビューを翻訳。

WSLのセキュリティのトップ、ディヴィッド・ウッド、通称ウッディの訃報、ジャッジに関しての論争などコンテスト中に起こったことや、ヨーロッパレッグ、最終戦のハワイ...。
サンクレメンテに拠点を置いていることがトラッセルズでの優勝にどれだけ関係していたのかなど興味深い話も。

■JS=ジョーディ・スミス


■WSL
トラッセルズとの相性が良かった感じだよね。


■JS
トラッセルズとはとても良い関係を築いているんだ。あそこでサーフィンする時間も多い。というか、カリフォルニアにいる時は最高の時も最悪の時もほとんどトラッセルズだね。熱心にトレーニングしているし、玉石の位置まで把握しているよ。
自分にとってトラッセルズはJ-Bayのシナリオに変わる舞台。ツアーの舞台の中でも最もサーフィンしている時間が多いし、ベストな成績を残すようになっている。経験と記憶を積み重ね、全ての波のニュアンスを理解しているよ。
今後はこの経験を違う場所でも活かし、理論を利用してサーファーとして成長したい。


■WSL
サーファーしての成長の話を聞きたい。ワールドタイトルレースに加わった気分は?


■JS
タイトルレースの話が出来るのは素晴らしいことだね。出来ればもっと早く話をしたかったけど...。
2014年のヨーロッパまでは良かったんだ。
でも、翌年は怪我で機会を逃してしまった。


■WSL
トラッセルズでは海でも陸でも強さを感じたけど。


■JS
今回のイベントではジャッジについて論争があったよね。
サーファーを含め、多くの人がその件について話していたんだ。
でも、ある段階にきてから自分はその話題から離れた方が良いと気付いたのさ。


■WSL
具体的にはどのように離れたの?



PHOTO:© WSL/Scholtz

■JS
論争が起きている場所には近づかないようにした。自分はその件に関して全て穏やかに、謙虚なスタンスを維持した方が良いと思ったよ。関係者の状況に敬意を保ったんだ。
その後は論争を巻き起こすことなく、その問題からも遠ざかっていったのさ。
自分は落ち着きたかった。そして、全て冷静なアプローチを維持したかったんだ。


■WSL
今回のイベントはジャッジの問題と共にウッディ(WSLのセキュリティのトップ、ディヴィッド・ウッド)が亡くなった影響もあるよね。


■JS
本当に悲しかったよ。
誰がイベントで優勝しても、そこで彼の死が現実的になるし、思い出してしまう。ファイナルで誰が勝っても、彼はその場所にいない。そんなクレイジーなことを考えてしまったんだ。
長い間、ウッディは私達の一部として存在していたし、彼の死を受け入れることは難しかったよ。
そして、彼の死が忘れていたことを呼び起こした。


■WSL
どのようなことを呼び起こしたの?


■JS
明らかなことは別として、なるべく会話して必要な時は助けを求めること。
私達は同じツアーを回っているということを実感したし、出来る限り、互いを気遣う必要がある。
互いを必要とする、それは人生そのものだと思う。


■WSL
話は変わって、このイベントで特別な儀式みたいなものをした?


■JS
特に無い。
でも、奇妙なことに自分の空間が今まで感じたことが無いような快適さだった。


■WSL
その奇妙とは良い意味で?


■JS
もちろん。
イベント中は早起きして移動していた。自分はサーフィンする前に少し時間を置きたいんだ。
例えば、ベットから飛び起きてすぐにヒートにパドルアウトすることは出来ないタイプさ。
だから、5時(ファーストコールは7時30分)に起床。6時過ぎ頃に太陽が顔を出し、自分の身体も目覚め始め、ゆっくりと一日が始まる。
ここには自宅があるから、サーフィンの後は家に帰ってリラックスしていたし、いつもの生活を変わらないように過ごしていた。
銀行に行ったり、支払いを済ませたり、メールに返信したりね。
それはカリフォルニアで過ごす日常と同じだったよ


■WSL
ジョエル・パーキンソンとのファイナルはどうだった?


■JS
素晴らしかったね。
ジョエルは表彰台でも本当に良いコメントをしていた。
正直、それは彼が言う必要がない言葉だったかもしれないけど、自分はとても良い気分だった。
全てに置いて良い一日だったさ。


PHOTO:© WSL/Rowland


■WSL
トラッセルズで使用していたサーフボードはスピード、レールターンと全て素晴らしい感じに見えたけど。


■JS
あれは’Channel Islands’の「The Bunny Chow」というモデル。スプレーが上がりやすいと言われているんだ。
トラッセルズの前は本当に忙しかった。
タヒチのイベントから一度南アフリカに渡って2日間滞在。ウネリが入ったナミビアに直行して、ケープタウンに戻り、翌日にはトラッセルズに向かったのさ。
サーフボードを選ぶ時は考え過ぎないようにして、自分のサーフボードのストック以外を使用することもある。
選んだボードは乗り込むよ。乗る度に少しずつ理解を深め、全ての特性を掴む。そして、徐々にベターになっていくんだ。イベントが始まり、最初はしっくりこなくても、勝ち進む度にマジックボードのような感じになるのさ。


■WSL
ヨーロッパでも上手くやっているようだけど、次のレッグは楽しみ?


■JS
ヨーロッパで上手くやった選手が有利になるし、確実に何かが起こる。
4-6ftレンジのアウトサイドでのロングウォールか、ビーチブレイクでの大きなチューブ。リップしやすいボウルがあるかもしれないし、逆に小さくてオンショアの可能性もある。
それらに対応出来る道具を揃えるべきだよね。
波の変化に素早く対応出来るサーファーがヨーロッパではベストだと思うよ。


■WSL
最終戦のハワイについてだけど、ずばり自信はある?


■JS
自信があるし、ハワイでは一日中パイプで過ごす予定さ。
大きくても小さくても、ストーミーでもパーフェクトでもね。
トラッセルズやJ-Bayでのアプローチや関係を応用して出来るだけ波への理解を深めたい。
勝っても負けても引き分けでも、何かを学ぶつもりさ。


■WSL
最後にトラッセルズでの優勝祝いは?


■JS
いつものように静かにディナーを楽しんだよ。
特別なお祝いは必要ない。
パーティーをするには、もう年をとり過ぎたしね(笑)

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