F+（エフプラス）コラム「Fromカリフォルニア：今日は2枚の比較」

Text by つのだゆき / Photo by snowy





ほんとにだいぶ前から思ってたし、言ってもきたけど、私はどうしてもこのフィリッペのカービング（とみんなが思っている、そしてそのように採点されている）マニューバーが好きになれない。最後をテールで回るやつ。
もう1枚のジョエルのそれと比較すると、まるで違うのがわかるでしょ?　フィリッペのほうがすごく見える人は、これを読んでもう一度考えてみましょう。

何が一番違うかというと、フィリッペのほうは後ろ足加重、パーコは前足加重。トラックの出方も違う。これね、似てて非なり〜、なんですよ。
ターンのこの段階で後ろ足加重でノーズが上がってる、ということは、やっぱり止まるサーフィンだと私は思う。勢いつけてテールで回ってるわけです。えぐってるように見えるのは、ものすごいスピードでこのターンにアプローチしていて、急激に方向転換してるからなだけで、スプレーも出てはいるけど、パーコのそれと比較すると、ターン全体に丸く出ているのではなく、振り回した部分だけに出てる。これねぇ、スナップの延長だと思うんだよね。で、フィリッペはこのノーズ浮かしたまま、テールを支点にしてくりっと方向を変えてまた次のセクションに向かうんですね。このテールだけを使って方向転換するというのは、CTレベルだとあまりよろしくないわけです。日本人にはよくありがちなサーフィンではあるけど。ノーズ浮かしちゃうってね、レール抜いて軽く回るってことですから。

パーコの場合、前足加重のここから、つま先踏んで、手前側のレールを入れて加速していくんですね。レールトゥレール。これ、難しいんですよ。
よって私は、フィリッペのエアーとスピードは買うけど、このなんちゃってカービングとフローターとフィニッシュのエアーに9点はないなぁ、と思うわけです。ジャッジーズ、早く気が付いてくれないかなぁ。本当にものすごいスプレーとスピードと流れの中で行なわれちゃうからね、私みたいに気にいらないなぁ、って目であら探ししながら見てないと、わかんないんだろうけど……あ、諸説あります、ってことで（笑）。
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