コンテスト
CT第8戦『Hurley Pro at Trestles』3日目 ワイルドカードがタイトルレースをかき回す!
PHOTO:© WSL/Rowland
玉石の上で割れるマシーンブレイクが多くのサーファーを虜にしているカリフォルニアを代表するポイントブレイク、ローワー・トラッセルズで開催中のCT第8戦『Hurley Pro at Trestles』は3日連続で進行。現地時間9月10日にR3とR4が行われました。
この日の主役は二人のワイルドカード。
サンクレメンテ代表のターナー・グダスカス(USA)、「Hurley」代表のシンポことブレット・シンプソン(USA・写真最上部)
まず、前日のR2でランキング2位のウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)を倒したシンポはR3でカレントリーダーのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)と対戦。
現地の『F+』のつのだゆき編集長によるとジョン・ジョンはタヒチ戦で負傷した膝の具合があまり良くないようで、このヒートでは4ポイント台止まり。一方のシンポは序盤にライトのセットの波でエアーリバースをメイクして8.33をスコア。後半には6.83のバックアップスコアを重ね、トータル15.16。ジョン・ジョンをコンビネーションスコアに追い込んでR4進出を決めていました。
「ジョン・ジョンや、その他のトップの連中と対戦する時は、彼らに圧倒されないようにと願っているんだ。だから、8.33をスコアした後も神経質になっていたよ。早く次の良い波に乗ってバックアップする必要があると考えていたのさ。過去に良いスコアを出すと次を待ち過ぎて逆にプレッシャーになることが多かったんだ。本当に嬉しい。ツアーにいる間に同じことが出来れば良かったのにね。今はプレッシャーから解放されているからかな。リラックスして自由にやるよ」
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シンポの大金星の次のヒートに登場したターナー(写真上)は、ランキング3位のガブリエル・メディナ(BRA)を相手に開始直後にレフトの波をキャッチ。
フロントサイドでパワフルなターンを重ねて8.50をスコア。ガブリエルもそれに応え、バックサイドで8.83を返します。
ガブリエルにとってはジョン・ジョン、ウィルコとのポイント差を縮めるチャンスでしたが、ホームのギャラリーを全て味方につけたターナーの勢いと流れには勝てず、ハイスコアの応酬となったクロスゲームは僅か0.04差でターナーに軍配が上がりました。
「あのヒートは本当に勝ちたかった。特別で理想的な勝利だったよ。ガブリエルは素晴らしいコンペティターだし、彼は最初から本気で仕掛けてきた。二人共にいきなり8ポイント台なんて凄かったよね。彼の最後の8ポイント台の波は横で見ていて、やられたと思ったけど、僅かにスコアが足りなかった。この勝利にストークしている。CTでR3を通過するのは初めて。それをホームの観客の前で成し遂げた気分は最高さ。ビーチからのみんなの応援が届いた瞬間は特別だった」
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R3ではローカルヒーローのコロヘ・アンディーノ(USA・写真上)も勝利。
更に数年前に家族と共に移住してきたフィリッペ・トレド(BRA)も順調にゲームを進めているため、ビーチは大騒ぎの一日でした。
ジョン・ジョン、ガブリエルが敗れ、この結果に救われたのは今シーズン2度目のR2敗退、最下位が決定して事態が悪化していたウィルコ。
フランス、ポルトガル、ハワイと残り3戦。タイトルレースも不透明に...。
今イベントでもしケリーが優勝すれば、12度目のタイトルの可能性が出てくることも付け加えておきます。
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R3ではワイルドカードの他にベテラン勢の活躍が目立ち、ケリー・スレーター(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ジョシュ・カー(AUS)がラウンドアップ。
ジョーディ・スミス(ZAF)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、ルーキーのアレックス・リベイロ(BRA)もR4へ。
ディフェンディングチャンピオンのミック・ファニング(AUS・写真上)はリプレイスメントのスチュアート・ケネディー(AUS)に敗れ、早くも姿を消すことに...。
今シーズンは早くからスポット参戦を表明してスナッパーロックス、ベルズ、フィジー、J-Bay、トラッセルズと5戦出場。
ワイルドカードを得ずに自力でリクオリファイを可能にすることが目的であり、昨年のシャークアタックのトラウマを乗り越えて優勝したJ-Bayを始め、ベルズでの3位、フィジーでの5位と好成績を重ねて簡単にクリア。
ヒート終了後のインタビューでは来年のスナッパーロックス、ベルズには戻ってくると公言していました。
R3の後は3人ヒート(1位はQFへ。2位と3位はR5へ)のR4が行われ、ジョーディ、フィリッペ、ターナー、アレックスが1位通過でQFへ。
その中でもジョーディとフィリッペは共に9ポイント台を2本スコア。8ポイント台を捨てる好調さで、特にフィリッペはR3でも9ポイント台を2本、R1でも9ポイントを出しており、サイズダウンが予想されるイベント後半を考慮しても優勝候補の筆頭と言えます。
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フィリッペの他に怖い存在はタヒチで完全優勝を成し遂げ、過去に6度も今イベントを制しているケリー(写真上)でしょう。
R4ではジョーディに完敗したものの、R3ではエアーにカービングとフリーサーフィンのようなライディングでジャック・フリーストーン(AUS)をコンビネーションスコアに追い込んで圧勝。
「今朝は調子が良く無かったけど、サーフボードのおかげで勝てたよ。ここは12歳からサーフィンした初めてのポイントブレイクなんだ。あの日からこの波にぞっこんさ。今でも大好きな波の一つ。もし、ヒートで一定のポジションで待っている場合、自分が乗った波と比べて相手が何をしているか想像するんだ」
連日お伝えしている通り、WSLのセキュリティのトップ、ディヴィッド・ウッド、通称ウッディの突然の死による悲しみを引きずっているケリーですが、ヒートに入ればスイッチが入るようで、この日は何度もエアーリバースにトライしていました。
R5の対戦相手はコロヘ。バックには沢山の応援団がいるだけにやりにくいヒートになりそうです。
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ネクストコールは現地時間9月12日の朝7時30分(日本時間9月12日夜11時30分)
トラッセルズのルールとして土日のどちらかはコンテストがオフになるため、11日はレイデイ。
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南西〜南南西のグランドスウェルは弱まる傾向。
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