コンテスト
『Rip Curl Pro Bells Beach』波乱の5日目!
オーストラリア・ビクトリア州のベルズビーチを舞台に毎年イースターホリデーに合わせて開催されるCT第2戦『Rip Curl Pro Bells Beach』
ツアーでは唯一入場料が徴収されるため、多少コンディションが悪くてもゴーサインが出されることが多いのですが、現地時間3月28日のコンテスト5日目は朝からオンショアの影響でイベント期間中最も悪く、ケリーの言葉を借りるなら、「2ftのスモールよりはベター」の波で、メンズR3の残りヒートは番狂わせが続出することに...。
前日に入った大きな南西ウネリのピークが過ぎ、バンピーでまとまり無いベルズ。
6ヒート行なわれた内の最初の2ヒートはミック・ファニング(AUS・写真最上部)、ジョーディ・スミス(ZAF)とレッドジャージを着るトップシードの選手が勝ち上がったものの、そこから先はジョエル・パーキンソン(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)が次々と姿を消し、この4名を倒した内、3名が2016年のルーキーでした。
ジョエルを倒してR4進出を決めたのは、カリフォルニア・サンタバーバラ出身のコナー・コフィン(写真上)
カリフォルニアを代表するポイントブレイク、リンコンをホームとしてトム・カレンのスタイルを継承する彼は毎年開催される『rincon classic』でも常勝。
ベルズのようなライトのポイントブレイクは一番得意とする舞台であり、序盤に8.17をスコア。ヒートはジョエルが主導権を握りながらも、ラスト2分切ってニード6.46のシチュエーションで8.17を返して逆転に成功。最後のライディングで披露したレイバック・スナップはジャッジ受けも良く、同じタイミングでテイクオフしたジョエルの波の方がロングライドは出来たものの、スコアは伸びませんでした。
「良い波さえ選べればとても楽しいけど、それはかなり限られているね。ジョエルを倒すことは自分の目標だった。最後に彼とマンオンマンで対戦したのは、数年前のトラッセルズ。自分が’Hurley’からワイルドカードを得た時。あの時は完敗だったけど、多くのことを学んだ時間だった。最高の機会だったし、あの経験が今に繋がっているのさ」
コナーと五十嵐カノア。カリフォルニア出身の二人のルーキーの大きな違いは、カノアがビーチブレイク、コナーがリーフブレイクをホームとしていること。
イベント期間中にグラッシーなベルズが姿を現せば、コナーの実力が更に発揮されそうです。
コナーの他にR4進出を決めたルーキーは、カイオ・イベリ(BRA・写真上)、デイヴィー・キャッスル(AUS)
カイオは彼女のアレッサ・クイゾンが静かに見守る中、ジョン・ジョンを相手に土壇場での大逆転。ニード7.83のシチュエーションでビッグターンを重ね、フィニッシュまでメイクした後は会心のアピール。ブラジルの国旗を持ったサポーター達も大騒ぎでした。
開幕戦でフィリッペが怪我をして欠場したのを始め、今イベントではエイドリアーノ、ガブリエルがR3で敗退していますが、イタロ、ウィゴリー、カイオと「ブラジリアン・ストーム」の新しい勢力が増しており、この3名の活躍がR4以降も注目されそう。
「ヒート半分を過ぎてから二本の波を見つけることが出来たんだ。前日に乗っていたボードよりも大きなサイズに変更してそれが功を奏したよ。ヒートを通過出来て本当に嬉しい!」
初のベルズで快進撃を続け、まるで優勝したかのような大喜びのカイオに対して敗退したジョン・ジョンはファンサービスもなしに足早に控え室へ。
コンペティションに集中し、勝つための仕事をこなしているものの、結果に結び付かず...。
いつもは穏やかな彼も今回の負け方には複雑な心境だったようです。
自身のサーフボードブランド『Slater Designs』で迷走を続けているケリー(写真上)はミシェル・ボウレズ(PYF)に敗退。
今シーズンのCTで初のヒート勝利となった前日は笑顔でファンの対応をしていましたが、この日はジョン・ジョン同様に立ち止まらず...。
今年もベルズの勝利の女神はケリーに無情だったようです。
R3の6ヒート終了後にはレジェンドによるヘリステージシリーズがバートン・リンチ(写真下)、ダミアン・ハードマンによって行なわれました。
バートンは1991年、ダミアンは1988年。ベルズを制した数少ないグーフィーフッター同士の戦いはバートンに軍配が上がりました。
ネクストコールは3月29日の朝8時(日本時間の同日朝6時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南西ウネリはゆっくりと弱まる傾向となり、オンショアが吹き込む見込み。
30日〜31日にかけてもサイズダウンが進む予想ですが、4月1日には新しい南西ウネリが入り、風もオフショアの見込み。
メンズ、ウィメンズを合わせると26ヒート残っているため、最低でも残り2日は必要です。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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