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『Volcom Pipe Pro』 ケリー2年振りの優勝!



現地時間2月2日、今シーズンのノースショアを象徴するような素晴らしいコンディションに恵まれた『Volcom Pipe Pro』が終了!

ブルースカイ、ビッグスウェル、オフショア。
全てが完璧に揃った今年のファイナルデイ。

昨年の大野修聖に引続き、今年も日本人が残り、多くの日本人サーファーが夜中からのライブ中継に夢中になっていたことでしょう。
残念ながらスロースタートとなった朝方のヒートに重なったために脇田貴之、村上舜共に実力を発揮出来ず、R4敗退。村上舜は危険なワイプアウトでサーフボードを折ってしまうトラブルも発生しましたが、世界の舞台で戦う彼らの姿は勇気を与えてくれたと思います。

コンテストの方は後半から新しい北西ウネリが入り、バックドアよりもパイプラインがメイン。やはりハワイアンの強さが際立ち、ジェイミー・オブライエン、マカイ・マクナマラ、ブルース・アイアンズ。2014年のウィナー、ケリー・スレーター(USA)を含めた4名がファイナルへ。



序盤は8.67をスコアしたマカイがリードをしていましたが、中盤にはケリー(写真上)がストールからのバレルインで7.83。更に深い位置からのパイプラインをメイクして8.73を重ね、トータル16.56。
2位以下をコンビネーションに追い込んで圧勝。CTを含めても2年振りの優勝にビーチ凱旋では少年のような笑顔を見せていました。

「ストークしているよ。久々の優勝だからね。2年間にこのイベントで優勝した以来さ。とても良い気分。最高の一年のスタートになったよ。ビッグウェーブに乗り、何本ものナイスバレルとハイスコア。理想的だった。完璧な南東からのトレードウィンドに大きなウネリ。なんて良い一日なんだ!」

2月11日に44歳の誕生日を迎えるケリーとって一足早いバースデープレゼント。
最近は自身のサーフボードブランドを始めとしたビジネスや、約10年を費やしたウェーブプールなど様々な舞台で活躍していますが、やはり一番しっくりくるのは表彰台の頂点、トロフィーを掲げる姿だと再認識させていました。

ちなみに昨年を含めて4度も今イベントを制しているジョン・ジョン・フローレンス(HAW)はQFで敗退。それでもR4では後半にパイプライン、バックドアで素晴らしいバレルライドを披露して9ポイントを2つスコア。続けざまのこのパフォーマンスに18.50とファイナルデイではベストヒートスコア。MCも「まるでキッチンで料理をするように決めてしまった」と冗談を言いながら笑うしかなかったようです。



ファイナルではケリーに主役の座を奪われてしまったジェイミー(写真上)でしたが、R4ではファイナルデイで一本目のパーフェクト10をスコア。
ラスト11分までノーライドだったジェイミーは、パイプラインのディープな位置からレイトテイクオフ。完璧に姿を消してからスピットと共にもの凄い勢いで飛び出してビーチ向かってアピール。
鳥肌もののパフォーマンスはさすがとしか言いようがありません。

R4終了後のインタビューでは、「あの波のために約11分待ったよ。波が見えた時、自分はプライオリティを持っていたから、出来るだけベストな場所に移動したんだ。通常、ヒート中に奥過ぎる位置で待つことはないんだけど、窮地に追い込まれていたからね...。メイク可能とは思わなかった。でも、スピットがまるで大砲のような勢いで身体を吐き出してくれたのさ。あれはストークしたね。目一杯、アピールしたよ。ビーチからの大歓声に10ポイントのコール。最高の気分だった。あのアピールは間違いなかったんだ」とコメント。

コンテストではギャラリーを感動させるようなライディングを披露する一方、フリーサーフィンではソフトボードの「キャッチサーフ」や、巨大SUP、他にも常人が想像もしないようなありとあらゆるクレイジーな遊びを本気で行なっているジェイミー。
彼こそが世界で最もリアルなサーファーなのかもしれません。



3つの10ポイントがマークされた今年の『Volcom Pipe Pro』
R3のエゼキエル・ラウ、R4のジェイミー、そして3人目はSFのマカイ(写真上)でした。
そのSFで前半にインターフェアを犯してしまったマカイ。2本目のスコアはカットされてしまったものの、トリッキーなコンディションに助けられ、10ポイントだけでファイナルの切符を手に入れることに成功。

「人生最高の日だった。この疲労感は説明不可能さ。本当に今日は疲れ果てたよ。沢山の出来事があったけど、今はそれさえも思い出せない...。記憶に残るような波にワイプアウト。初めての表彰台は最高に嬉しいし、またここに上がりたいね」

昔から日本人のケアで有名なリアム・マクナマラの息子であり、まだ20歳のマカイ。
2014年にはパイプラインマスターズの出場経験もあり、有望なヤングハワイアンの一人と言われています。



本当に良い波だけを待ち、その波をスタイリッシュにメイクするブルース(写真上)
彼にふさわしい波が入れば勝利は堅く、もし波が入らなければその場を去るだけ。世界でもこのスタイルが許されるのはブルースを含めて数名のみでしょう。

その圧倒的な存在感に1997年2月13日、フェイスで50ftはあったと言われているアウターリーフのアリゲーターロックで命を失ったトッド・チェイサーに敬意を表した「Todd Chesser Hard Charger Award」が贈られていました。

「この賞を貰えるとは考えてもいなかった。トッド・チェイサーのことを見て育った自分としては特別な意味があるよ。まだ自分は若かったけど、彼は常に’トッド・チェイサーという男’だった。いつも彼がその日の一番大きな波に乗っていたのをビーチで見ていたんだ。自分もアウトに出る時は彼のように大きな波を求めている。ジーニー(トッドの母)のことも大好きだし、この賞を彼女から手渡されるのは本当に光栄さ。とても嬉しいよ」

現地にいる「カラーズマガジン」の吉田“yoge”憲右氏によるとブルースが使用していたサーフボードは故・兄のアンディがパイプラインマスターズで乗っていたエリック・アラカワシェイプで、デザインも同じ日章旗だったそうです。

QSながらパイプラインマスターズに並ぶ、いや、コンディション的にはそれ以上となった『Volcom Pipe Pro』の全てのヒートは公式サイトの「HEAT ON DEMAND」で振り返ることが可能なので、見逃した方はぜひチェックしてみてください!

『Volcom Pipe Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ジェイミー・オブライエン(HAW)
3位 マカイ・マクナマラ(HAW)
4位 ブルース・アイアンズ(HAW)

WSL公式サイト

『Volcom Pipe Pro』公式サイト



photo: WSL Covered Images

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