コンテスト
『Vans World Cup』ミックがハワイで初優勝!
33周年を迎えたハワイの伝統的イベント、トリプルクラウンの第2戦『Vans World Cup』が現地時間12月3日に終了。
初日から豊富なウネリに恵まれた会場のサンセットビーチ。ファイナルデイも前日に入った巨大な北西ウネリが続き、世界のトップ選手がオープンフェイスでのビッグカービング、インサイドボウルでのバレルライドと圧倒的なパフォーマンスを披露。
ハワイらしい気持ち良い晴天の下、ビーチに集まった沢山のギャラリーの前で最後に笑ったのは、ワールドタイトル争いでもトップに立つミック・ファニング(AUS)でした!
「何度も惜しい経験はした。ファイナルまで進んでも優勝を手にしたことは無かったんだ。サンセットでの優勝は光栄だよ。みんながクレイジーでとても厳しいイベントだった。だから優勝の喜びも’ひとしお’さ」
ミックの他、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)とCT選手が揃ったファイナル。
序盤はパーフェクトなポジションからテイクオフしたジュリアンがパワフルなライディングで9.47をマークして主導権を握り、ミックは最下位でしたが、中盤にプライオリティを持っていたミックはテイクオフからストールしてバレルイン(写真下)、抜けてから大きなラウンドハウスカットバックをメイクして9.87をスコア。5.33のバックアップスコアと合わせてトータル15.20。一気にトップに立ち、そのまま後半もリードを保って優勝。
ウィニングライドではガッツポーズを見せてチームメイトのウィルコとハグを交わし、ジェットスキーのアシストを受けてビーチへ。
ウィルコ、オーウェン・ライトの「RipCurl」チームに担がれセキュリティに囲まれながらビーチ凱旋。
「素晴らしい一日、そして波だった。このパーフェクトなサンセットで他の3人だけでパドルアウト出来たなんて、本当にラッキーさ。とても疲れたけど、最高に嬉しいよ」
前日はR3の1ヒートのみでしたが、ファイナルデイはR4、QF、SF、ファイナルと4ヒート。それも舞台は「世界で最もチャレンジングな波」であり、一般サーファーには想像もつかないようなハードなコンディション。
疲れたと言うコメントとは裏腹にファイナル終了後のミックに疲労の色はうかがえず、それだけ普段のトレーニングがハードだということなのでしょう。
2002年のルーキーイヤーから活躍して3度もワールドチャンピオンを獲得しているミックですが、ハワイでの優勝は意外にも初。
もちろん、最終戦のパイプラインも優勝経験はなく、トリプルクラウンを獲得した経験もありません。
ミック、フィリッペ、エイドリアーノ、ガブリエル、オーウェン、ジュリアンの6名で最終戦に持ち込まれたタイトルレース。
その前に非常に縁起の良い優勝を成し遂げたと言えるでしょう。
現在ランキング7位のジュリアン(写真上)もタイトル争いに絡んでいる一人。
昨年はガブリエルとのファイナルを制してパイプマスターの座を手に入れ、更にオージーとしては4年振りにトリプルクラウンを獲得してハワイに関して言えばミックよりも結果を残しています。
パイプマスター、トリプルクラウン。世界中のコンペティターが憧れる二つのタイトルを獲得した後、一番欲しいのはワールドチャンピオンの座でしょう。
「トリプルクラウンはワールドタイトルの次に大きな栄冠だと思っているから、もしタイトルレースから脱落しても全力を尽くすよ。間違いなく最も狙っているのはワールドタイトルだけどね」
3人のオージーに囲まれたファイナルで唯一のハワイアン、それも生まれ育った場所で行なわれたイベントは言うまでもなく、ジョン・ジョン(写真上)にとって特別な戦い。
アウトよりもインサイドボウルでのバレル、掘れたセクションでのターンに狙いを定めていた彼は次々とハイスコアを生み出し、QFでは18.63のハイエストヒートスコアをマーク。
コナー・オレアリー(AUS)からミシェル・ボウレズ(PYF)に渡ったトリプルクラウンの3イベントでハイエストヒートスコアを出した選手に贈られるハワイアンエアラインの250,000マイル「Hawaiian Airlines Best-In-Class」も今のところジョン・ジョンがトップ。
彼ならば最終戦のパイプラインで自らの記録を塗り替える可能性も十分にありそうです。
「ジュリアン、ミック、ウィルコとのファイナルは本当に凄かった。ジュリアンが最初に9ポイントを出して次はミック。彼はワールドタイトルまで一歩。ミックが9ポイントを出した波はパドルしながら見ていたよ。自分もあんな波に乗りたかった。あれはパーフェクトな波だったからね。ミックの優勝にストークしているし、パイプでは彼の役に立てたら良いと思っているよ」
今回の3位のトロフィーの他にQSのハワイ・リージョナル・チャンピオンのトロフィーも手に入れたジョン・ジョン。
その表情は自信に満ち溢れており、最終戦のパイプラインではタイトル争いをしている6名の横で重要な鍵となる選手になりそうです。
ハワイ・リージョナルの2位に入ったイアン・ウォルシュは、5,000USドルの「Vans Travel Award」を受賞。
来年のQS10,000のシード権も与えられます。
また、トリプルクラウンのルーキー・オブ・ザ・イヤーは今イベントでSF進出を果たした17歳のジャック・ロビンソン(AUS・写真上)が獲得。
なお、今回はQS最終戦のため、最終ランキングが決定。
2016年のルーキーとしてカイオ・イベリ(BRA)、ジャック・フリーストーン(AUS)、五十嵐カノア(USA)、アレックス・リベイロ(BRA)、コナー・コフィン(USA)、ライアン・カリナン(AUS)、デイヴィー・キャッスル(AUS)の7名が決定。
スチュアート・ケネディー(AUS)、リクオリファイがかかっているダスティ・ペイン(HAW)はパイプラインでのコロヘ・アンディーノ(USA)、ミゲル・プーポ(BRA)の結果に左右されます。
11位だったコナー・オレアリー(AUS)は15位までランクダウンしており、クオリファイは出来ず...。
この日、ハワイではオアフ島で31周年の『The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau』のオープニングセレモニー(写真上)が行なわれ、マウイ島「Jaws」ではBWT(ビッグウェーブツアー)の『Pe’ahi Challenge』にグリーンアラートが発令し、現地時間12月6日に開催予定をコール。
週末には今冬最大の北西ウネリが到達する予報のノースショア。
12月8日からウェイティングピリオドに入るトリプルクラウン並びにワールドツアー最終戦『Billabong Pipe Masters』も素晴らしいコンディションが期待出来るのでは?
『Billabong Pipe Masters』は今年も脇田貴之、辻裕次郎による日本語放送が決定。
WSLではミック、フィリッペ、エイドリアーノ、ガブリエル、オーウェン、ジュリアン、各選手毎のスペシャル動画も公開され、Xデーのカウントダウンが始まっています。
『Vans World Cup』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
4位 マット・ウィルキンソン(AUS)
WSL公式サイト
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
photo: WSL Covered Images
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