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『Vans World Cup』2日目コナー・オレアリーがラウンドアップ!



現地時間11月29日、オアフ島・ノースショアのサンセットビーチで開催中のQS10,000『Vans World Cup』は2日目を迎え、R2の全てのヒートとR3の1ヒートを消化。
前日に入った北西ウネリは夜中がピークとなり、やや北よりにシフト。20ftプラスのクリーンなサンセットの波は心を揺るがすような巨大で美しいオープンフェイスでのターンが実現出来る反面、危険なワイプアウトが隣り合わせのまさにノースショアらしいコンディション。
「世界で最もチャレンジングな波」はここにありと言わんばかりの大迫力。見応えある一日でした。

R2では初日のR1でインサイドボウルでのバレル、7.83をマークして元CT選手のティム・レイズ(USA)と共にラウンドアップを果たした喜納海人がロースコア勝負の難しいヒートに苦戦。
残念ながら4位敗退に終わった一方、コナー・オレアリー(AUS・写真下)がバックハンドで大きなボトムターンから際どいポジションのリッピングに成功。7.33をマークしてトータル12.43。ミゲル・トゥデラ(PER)と共にR3進出。
現在QSランキング11位とクオリファイ圏内ギリギリのラインにいるコナー。次のR3は彼よりもランキングが上の選手が多数控えている勝負のラウンド。コナーが勝ち上がり、上位の選手が負ければランキングが入れ替わる可能性も十分にあります。





2日目で一番盛り上がった’スーパーヒート’はハワイアンのエゼキエル・ラウ、ジェイミー・オブライエン。カリフォルニアのパトリック・グダスカス(写真上)、イタリアの注目の若手、レオナルド・フィオラヴァンティによるH12でした。

蛍光色のボードを駆るパトリックによるチャージから始まったこのカード。中盤に入ったセットでは他の3名も大きなターンを重ね、スコアを伸ばしていきます。
残り10分、トップはレオナルドでしたが、次のセットでシチュエーションは変わり、エゼキエルが逆転、すぐにパトリックがインサイドボウルでのバレルをメイクして8.83。トータル14.33で頭一つ抜けてリードを握ります。
この時点で4位にいたジェイミーですが、難しいセクションでのテイクオフからオープンフェイスまで抜けてレイバック。高々とスプレーを上げたこのライディングに6.27がコールされ、一気に2位にアップしてパトリックと共にラウンドアップ。

ハレイワの『Hawaiian Pro』で3位に入り、QSランキング18位まで上げていたエゼキエルは今イベントでSF進出がクオリファイの条件でしたが、僅か0.06ポイント差で夢がやぶれることに...。
それでも『Billabong Pipe Masters』出場の2名のワイルドカード枠を決めるトライアルの結果次第ではトリプルクラウンの栄冠にまだチャンスが残されています。

この’スーパーヒート’を1位通過したパトリック(写真上)は、「バレルは期待していなかったよ。ハイリスクだと思いバレル狙いは避けていたんだ。でも、あの波は素晴らしかった。ジェイミーが一つ前の波に乗ろうとしたけどミスして自分にプライオリティが回ってきたのさ。突き刺さるように超ハードなテイクオフからバレルを抜ける時は、まるでスイカの種を吐き出すように飛び出てきたよ。気持ち良かった。多分、今までで最高レベルのヒートだったと思う。ジェイミー、ジーク(エゼキエル)、レオ、みんな凄いサーフィンをしていたよね。本当に頭がどうにかなりそうな気分さ」と彼らしい陽気な笑顔でインタビューに応えていました。



パトリックの8.83に並ぶこの日のハイスコアを出したのは、ハレイワローカルでトリプルクラウンでは常に上位に顔を出すジョエル・センティオ(写真最上部・上)でした。
2014年のワールドジュニアでポルトガル人として初の優勝を成し遂げ、今シーズンのワールドツアーのポルトガル戦ではワイルドカード出場で快進撃を続けたヴァスコ・リビイロ。ミッチ・コルボーン、ディオン・アトキンソンの二人の強豪オージーを相手に序盤からチャージ。テールハイドロップから大きなボトムターン、巨大なウォールでの弧を描くグラブレールのカットバック。パワー・フロー・スピード。三拍子揃ったクラシックなサンセットでの乗り方を提示。カレントを利用してのアウトまでの戻り方でさえ他の選手にとって勉強になるような身のこなしでした。
終了間際には6.03のバックアップを揃え、トータル14.86で余裕のラウンドアップ。

「大きな波でラウンド3に進めた。この状況が自分にとって理想なんだ。あの一本の波に乗るためにアウトに出る。これがサンセット。チャレンジなんだよ。波は全てのヒートで変化するから、それに合わせることも必要だね。残りのヒートも勝ち進みたいよ」

サンセットはアウトが遠いために替えのサーフボードを持つキャディーが一人付くのですが、ジョエルには今シーズンツアーを引退したフレッド・パターチア(写真下)がその役を務めています。アウトでは言葉を交わすことも可能なため、ジョエルにとっては心強いアドバイザーも兼ねているようです。



その他にR2を通過したのは、ジャック・ロビンソン(AUS)、リカルド・クリスティ(NZL)、コナー・コフィン(USA)、アリッツ・アランブルー (ESP)、R1でハイエストスコアをマークしたマルコ・ジョルジ(URY)、カルロス・ムニョス(CRI)、ヤディン・ニコル(AUS)など。
ハワイアンではケコア・カジメロ、メイソン・ホー、トリー・マイスター、ダスティ・ペイン、マクアカイ・ロスマンがR3へ。

1ヒートだけ行なわれたR3ではQSランキング7位の五十嵐カノアがトップシードとして登場しましたが、フレデリコ・モライス(PRT)、ジョーディ・スミス(ZAF)が通過して五十嵐カノアは4位敗退に終わっています。

R3の残りヒートにはジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を始め、ガブリエル・メディナ、エイドリアーノ・デ・ソウザのワールドタイトルを争っているブラジリアン、ディフェンディングチャンピオンのミシェル・ボウレズ(PYF)などCT選手が多数登場。

R2でポルトガルのフレデリコと共にラウンドアップを果たした大原洋人はH2でジョン・ジョン、コロヘ・アンディーノ(USA)、ハワイアンのベンジ・ブランドと対戦。
ハレイワの『Hawaiian Pro』に補欠待ちで出場、R2進出を果たした新井洋人は今回も補欠待ちを続けており、R3で誰かが欠場すれば出場が出来る予定。

ネクストコールは現地時間11月30日の早朝7時(日本時間の12月1日午前2時)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると北西よりのウネリはダウン傾向。十分なサイズが残る予想ですが、12月2日には次の大きな北西ウネリが予想されているため、待つ可能性もありそうです。

WSL公式サイト

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト



photo: WSL Covered Images

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