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『HIC Pro』終了!喜納海人は3位!



駆け足で冬が訪れている最近の日本。
日本の冬にシーズンを迎えるハワイのノースショアにはビッグウェーバー達が待ち望んだノーススウェルが次々と入っています。

そのシーズンにオアフ島で開催されるハレイワ、サンセットビーチ、パイプラインを舞台とした3つの大きなコンテストで構成されるトリプルクラウンは、ハワイアンはもちろん、世界中のコンペティターが憧れるタイトルであり、名誉。
現地時間10月31日に終了した『HIC Pro』は優勝すればハイグレードのトリプルクラウンの出場権を得ることが出来る前哨戦。
オープンフェイスのビッグマニューバー、インサイドボウルでのバレル。サンセットビーチは特有のクセがあり、毎年ローカルナレッジを活かした選手が勝ち上がり、上位はハワイアンで埋め尽くされることが恒例になっています。

今年はウェイティングピリオド前半から巨大な北〜北西ウネリがヒット。
最大でフェイスでは30ftオーバーまでサイズアップ。クローズアウトセットも入ったため、途中で中断されるほどウネリに恵まれていました。
ファイナルデイは12-15ftレンジのエピックコンディション。絵に描いたようなサンセットビーチの波が姿を現し、見応えある戦いに!

ウエスタンオーストラリア出身のジャック・ロビンソン以外は全てハワイアンが揃ったファイナル。ハワイで生まれ育ち、国籍はハワイながら日本人の喜納海人も見事な活躍で『HIC Pro』では初のファイナル進出を果たしていました。

この勝負の主導権を握ったのはマウイ島出身のイアン・ウォルシュ。一本目で9.33。ファイナルデイでのベストスコアをマークし、7.07のバックアップを重ね、トータル16.40で早々と2位以下をコンビネーションに追い込みます。
同じマウイ島出身のビリー・ケンパーが7.17、喜納海人も6.67をスコアしてコンビネーションを解消。追い上げを見せますが、逆転は出来ず...。
イアン(写真最上部)が10年振り、2度目のイベント制覇を果たしました!



「序盤に決めたかったんだ。大半の年でセミファイナルやファイナルまで進んでも、戦略を変えてしまい、必要なポイントを出せなくなる感じがする。だから、今回は最後まで戦略を崩さないようにしたのさ。同じリズムで同じことをする。その繰り返しでヒートを進んだのさ。もし、波が大きなキャンバスを与えてくれた場合、それを充分に活かす。もし、波が悪くても出来る限りのことをするよ」

世界を代表するビッグウェーブスポット「JAWS」でのチャージで有名なイアン。
一般サーファーとのスケールとは異なり、今回のサンセットビーチも彼にして見ればファンウェーブの内に入るのでしょう。

「この勝利を言葉にするのは難しいけど、素直に気分は良いね。目標のために努力をして表彰台に立てたし、賞金を得ることが出来た。この気持ちを簡単には説明出来ないよ。10年前に優勝した時からもう一度この場所に戻ってくることを望んでいたのさ。これに味を占めて他のイベントでも勝ちたいと思う。波によってサーフィンはアップダウンがある。心理的なことも関係するし、ヒートにも影響するんだ」

R4では自己ベストとなる9.87をスコア。10ポイントを出したジャックを除くとヒートスコアではトップ5を独占してコンスタントな強さを見せたイアン。
今回の優勝でトリプルクラウンの出場権も得て、次はハレイワでのQS10,000『Hawaiian Pro』へ挑みます。

「今冬は良いスタートだね。トリプルクラウンでもこの勢いを維持したいよ」

基本的にハワイでのコンテストしか出場しないイアンにとって、トリプルクラウンは特別なタイトル。
サニー・ガルシア、アンディ・アイアンズ、ジョン・ジョン・フローレンスなどが過去に獲得した栄光を受け継ぐことが出来るのか?
昨年はオージーのジュリアン・ウィルソンに奪われただけに、他のハワイアンにとっても特別なシーズンになりそうです。



イアンと同じく、マウイ島出身のビッグウェーバー、ビリー(写真上)
2010年、まだ20歳の時に今イベントを制しており、翌年の2011年にはファイナル進出の4位。2014年にも4位に入るなどファイナルの常連となっています。
彼もまたコンテストは基本的にハワイのみで、毎年ノースショアのシーズンを待ち望んでいるサーファー。
髭面にタトゥーと一見怖そうですが、誕生したばかりの愛息子を見つめる顔はとても優しく、良きパパでもあります。



今やJPSAロングボードチャンピオンの喜納元輝の弟というより、自分自身の名前の方が有名になっている21歳の喜納海人(写真上)
2014年はバージニア州でのプロジュニアで優勝。今年はQSのみの参戦でバリ島での1,000、湘南での1,500で共に3位。
ランキングでは100位以下とクオリファイには遠いものの、積極的に世界に飛び出して徐々に結果を残し始めています。
ハワイ育ちらしいおおらかな性格と兄よりも大柄な体格を活かした大きなライン。今回のサンセットビーチでは彼の長所が活かされ、数々の強豪を倒してのファイナル進出は誇れる結果だと思います。

自身のInstagram上では、「波が爆発したサンセットの’HIC Pro’で、素晴らしいサーフィンの時間を過ごせた。ファイナルではレジェンド達とエキサイティングな経験が出来たと同時に悔しい思いもしたね。WSL、HIC、このイベントを運営した全ての人に感謝したい。全てのヒートで自信を与えてくれたボードキャディーのマイカ・モニーツ(モニーツ一家の長男)にも感謝している。家族、友人、スポンサー、素晴らしいサポートに恵まれたよ」とイベント終了後の気持ちを残していました。



R2で唯一の10ポイントをマークしたジャック(写真上)は、17歳という年齢とハワイアンに独占されることが多い今イベントの中で一人奮起したオージーとして注目を浴びていました。
ウエスタンオーストラリアで鍛え上げられたビッグウェーブ、バレルのスキルがハワイでも十分に通用することを証明。

「ここに来るのを毎年楽しみにしているんだ。今年はエキサイティングな冬になりそうさ。ファイナルでは良いスタートを切れなかった。イアンや他の選手が良いポジションにいたしね。でも、再びコンテストのリズムが掴めたし、ファイナルまで進めただけでストークしているよ」

今のところコンテストには集中していないジャックですが、フリーサーフィンではすでに世界トップクラス。
ジョン・ジョン・フローレンスの話題の新作「View From A Blue Moon」でも、マーガレットリバーでのコンテストの合間に行なわれたセッションに登場しています。

今イベントには最年少14歳の安室丈を始め、脇田泰地、脇田貴之、河村海沙、西慶司郎、 渡辺寛、佐藤魁、加藤嵐、仲村拓久未と多くの日本人選手がエントリー。
昨年は田中海周と河村海沙がファイナルデイまで残っていましたが、今年はR3で全て敗退...。

なお、ブラジルで開催中の6,000『Mahalo Surf Eco Festival』はSFを戦う4名が決定。
五十嵐カノア、コナー・オレアリーがその中に残っています。

11月から12月にかけて行なわれるトリプルクラウンのスケジュールは以下の通り。

『Vans Triple Crown of Surfing』

■11月12日〜23日
開催場所・ハレイワ アリイビーチパーク
『Hawaiian Pro』

■11月24日〜12月6日
開催場所・サンセットビーチ
『Vans World Cup』

■12月8日〜20日
開催場所・パイプライン/バックドア
『Billabong Pipe Masters』

『HIC Pro』結果
1位 イアン・ウォルシュ(HAW)
2位 ビリー・ケンパー(HAW)
3位 喜納海人(HAW)
4位 ジャック・ロビンソン(AUS)

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト



photo: WSL Covered Images

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