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『VISSLA ISA World Junior』日本は総合5位!



2020年の東京オリンピックの追加種目にサーフィン(正式決定は2016年8月のIOC総会後)が選ばれた中、そのオリンピックの代表選手候補になるであろうジュニアが世界中から集結して行なわれたISA主催の『VISSLA ISA World Junior』がカリフォルニア・オーシャンサイドピアで10月11日〜18日に開催。

36カ国から322名のジュニアサーファーが集まった過去最大級のイベントは18歳以下、16歳以下でボーイズとガールズの4クラス。その総合で国別の順位を決め、トロフィーの他にオリンピックのようにメダルが授けられます。
個人競技のWSLと比べ、国対抗の意識が強く、普段は争っている同じ国同士の選手がこのイベントだけは一丸となって母国のために戦います。



最もレベルが高い18歳以下のボーイズは、ファイナルで完璧なフルローテーションをメイクしてパーフェクト10をスコアしたイタリアのレオナルド・フィオラヴァンティ(写真上・下)がトータル19.23で圧勝。
日本人として唯一ファイナル進出を決めた村上舜はリズムが合わず、4位でフィニッシュしていました。

「’ISA World Juniors’には何度も参加してきたけど、今年が最後なんだ。だから、自分の全てを出し切るって誓ったのさ。ファイナルは凄いサーファーが揃ったから、大技で挑んだ。成功して本当に嬉しかったね。イタリアのために貢献したと思う。私達の国でサーフィンは盛んではないから、この優勝は今までで最高なんじゃない。イタリアのワールドチャンピオンさ。ストークしているよ」



レオナルドのコメント通り、イタリアでサーフィンは一般的ではなく、今回参加した選手もレオナルド一人のみ。

少し足を伸ばせばフランス、スペイン、ポルトガルと波に不自由はなく、最近ではクリス・デルモロがイタリアの地中海の波を求めて旅するサーフムービー『ベラ・ヴィータ/Bella Vita』が話題になったほどで、自国でもサーフィン出来る波はあるため、この優勝をきっかけにイタリアでもコンペティションに興味を持つサーファーが増えてくるかもしれません。

レオナルド自身に目を向けてみると2014年のQSランキング28位
イタリアンというよりもヨーロッパを代表する選手としてツアー入りを期待されていましたが、2015年は年初の『Volcom Pipe Pro』で背中に大怪我をして出鼻をくじかれた形となり、復帰後もQSでは結果を残せず...。
今回の優勝はWSLとは別ですが、ハイレベルな戦いに変わりはなく、来年に向けて大きな自信に結び付きそうです。



18歳以下のガールズは2014年に16歳以下で優勝、同年のワールドジュニアで優勝したハワイの前田マヒナ、2014年の18歳以下のガールズで3位に入った北米のティア・ブランコなどハイレベルな戦いに。
そんな中、フランスのテッサ・ティッセン(写真上)がクロスゲームを制して優勝。

「このクラスで最後の年に優勝出来るなんて最高ね。自国のチームメイトからの応援が私をプッシュしてくれたの。みんな最高よ。フランスの代表として参加出来て本当に嬉しかった。厳しいコンテストだったから、優勝の喜びもひとしおね。私のチーム、そしてオーシャンサイドも大好きよ」

昨年は前田マヒナが優勝したワールドジュニアで2位に入った他、優勝が2回。今年はQSにも本格参戦してトップ17が多数参加していたニュージーランドの6,000では堂々の3位。
ランキング22位とクオリファイ(6位以内が条件)には遠いものの、来年は更なる活躍が期待出来そうです。

16歳以下のボーイズは、国別総合で初の金メダルを獲得した北米の選手が2名もファイナルに進出し、スティーヴィー・ピットマンが優勝。
16歳以下のガールズは昨年同様にハワイが強く、ISA初参加のサマー・マセドが優勝を決めました。



国別対抗、リレー形式で行なわれる「Aloha Cup」は、2013年に金メダル、2014年に銀メダルを獲得した日本が得意とするクラス。
今年は稲葉玲王、村上舜、田中大貴、中塩裕貴、田代凪沙の5名で参加。
SFをフランスに続く2位で通過し、ファイナルではトップにフランス、2位を日本、ブラジルで争う形となり、最後の波で今年のチームジャパンのキャプテンを務める稲葉玲王が逆転に成功して2位でフィニッシュ。2年連続で銀メダルを獲得しました。

なお、IOC(国際オリンピック委員会)とも関係しているISA。2020年の東京オリンピックでサーフィンが追加種目として選ばれた時も声明を出していた会長のフェルナンド・アギーレは今回のステージで、「カリフォルニアに世界から集まり、真のワールドチャンピオンシップが争われた素晴らしい8日間だった。36カ国、322名のサーファーは歴史を作っただけではなく、友人を作り、ジュニアサーフィンの進化や、国際的な交流の場となったと考えている。今回参加したサーファーは、2020年の東京オリンピックで初めての’オリンピックサーファー’となるチャンスがあるんだ」とコメントしていました。

チームジャパンの総合成績は5位。
個人では18歳以下のボーイズで4位に入った村上舜(写真下)が最高位です。





『VISSLA ISA World Junior』結果
U-18ボーイズ
1位 Leonardo Fioravanti(ITA)
2位 Nommé Mignot(FRA)
3位 Jake Marshall(USA)
4位 村上舜(JPN)

U-16ボーイズ
1位 Stevie Pittman(USA)
2位 Reef Heazlewood(AUS)
3位 Marco Mignot(FRA)
4位 John Mel(USA)

U-18ガールズ
1位 Tessa Thyssen(FRA)
2位 Tia Blanco(USA)
3位 Frankie Harrer(USA)
4位 Mahina Maeda(HAW)

U-16ガールズ
1位 Summer Macedo(HAW)
2位 Macy Callaghan(AUS)
3位 Brisa Hennessey(HAW)
4位 Teresa Bonvalot(POR)

総合
1位 北米
2位 フランス
3位 ハワイ
4位 オーストラリア
5位 日本

Aloha Cup(国別リレー)
1位 フランス
2位 日本
3位 ブラジル
4位 北米

■日本代表選手の結果
U-18ボーイズ
4位 村上舜
15位 稲葉玲王
21位 中塩裕貴
57位 田中大貴

U-16ボーイズ
17位 都筑百斗
21位 西優司、伊東李安琉
33位 安室丈

U-18ガールズ
9位 鈴木姫奈
11位 田代凪沙

U-16ガールズ
5位 川合美乃里
17位 野中美波

『VISSLA ISA World Junior』公式サイト

日本人選手についてはNSA公式サイトで。
http://www.nsa-surf.org/news/

photo:ISA

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