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『Quiksilver Pro France』ガブリエルが今シーズン初優勝!



フランスの首都・芸術の都パリから約800km、スペインとの国境から僅かな場所に位置するサーフタウン、ホセゴーで開催されていたヨーロッパレッグのファーストイベント、第9戦『Quiksilver Pro France』が現地時間10月15日に終了。

強烈なカレントの裏でビーチブレイクとは思えないホレホレのバレル、絵に描いたようなマシンブレイクとイベント期間中は刻々とコンディションが変化。
ファイナルデイはその変化が更に細かくなり、霧が立ち込める朝はクリーンでパーフェクト。その霧が晴れて大陽が顔を出すと今度は潮が動き、僅か数日で地形にも変化が出てクローズアウト(ダンパー)中心に...。
また、この霧で分かる通り、気温と水温の差が大きく、ヒート後は足の冷えを抑えるためにお湯をかけるような場面も。
ある意味これがフランスらしさでもあり、この自然の変化に対応する力が求められるイベントでもありました。

QFから再開したファイナルデイは今年のフランス戦の舞台となった「Culs Nus」で引続き行なわれ、公式4-6ftレンジ。
H5ではガブリエル・メディナ(BRA)vsジョン・ジョン・フローレンス(HAW)というゴールデンカードもあり、過去の対戦成績を3:2で上回っていたガブリエルが4勝目を決め、SFではエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)を相手に難しいコンディションの中、バックハンドでのバレル(写真下)からターンまで完璧にメイクしてイベント2つ目の10ポイントをマーク。
ガブリエルの勢いはファイナルでも止まらず、粛々と勝ち上がってきたツアーの伏兵、ビード・ダービッジ(AUS)をコンビネーションに追い込んで昨年のタヒチ以来の優勝を決めました。



「最高の気分だね。今年は大変だったから、この優勝は本当に嬉しいよ。サーフボードの調子が本当に良くて、全て自分の思い通りになった感じさ。久々の表彰台。それも優勝して上がれたのは最高だね。大好きなフランスに戻って来れて嬉しいよ」

フランスのビーチブレイクらしく刻々と変化したコンディションについては、「ここはリーフブレイクに近い。ブラジルには無いタイプさ。この土地や波が好きだし、クロワッサンもバケットも大好き。その全てが結果に結び付いたんだと思う」

「このイベントで優勝することを心に決めていたんだ。何故なら数ヶ月前に亡くなった祖父のため。彼に優勝を捧げたかった。きっと天で喜んでいると思うよ」

祖父のことを話す時は悲しみのあまり言葉を詰まらせる場面も...。

「今回は自分の思う通りのサーフィンが出来てストークしている。9ポイントも10ポイントも出た。祖父が良く言っていたんだ。’行け!エアーだ〜’ってね。だから、今回はいくつかのエアーをメイク出来て嬉しい。彼に自慢したいよ」

ブラジリアン初のワールドタイトルを獲得した昨年と一転してシーズン序盤はベルズを除くとR3止まりだったガブリエルでしたが、中盤はタイトルのプレッシャーから解放されたこともあり、南アフリカで5位、タヒチで2位、カリフォルニアで3位とリズムを取り戻し、今回の優勝。
2011年にルーキーとして初優勝を飾ったこのフランスで今後の自信にも大きく結び付く1勝を上げ、ランキングも5位にアップしています。



マニューバー勝負のマシンブレイクに恵まれたイベント中盤には持ち味である美しいカービング(写真上)で9ポイント台を合計3つもマーク。
ベテランらしい試合運びでQFでは同郷のミック・ファニング(AUS)、SFではジュリアン・ウィルソン(AUS)を倒し、ブラジル戦以来のファイナル進出を決めたビードでしたが、最後は波に見離された形、更にガブリエルの勢いに圧倒された幕切れに...。

「自分にとって最高のヒートが続いたけど、最後は良い波を全て乗っていたギャビー(ガブリエル)のワンサイドだったね。一番避けたい形のヒートだったよ。でも、ポジティブに考えると再び表彰台に上がれたし、優勝のチャンスさえあったんだ。次の機会は優勝トロフィーを持ち帰りたい。ポルトガルは過去にも良い成績があるし、楽しみさ」

2位が2回と5位が1回。他は最下位、R3止まりの13位と成績に波がある今シーズンのビード。
それでもランキングは11位とリクオリファイの条件である22位以内には余裕があり、来シーズンも玄人好みのライディングでWSLファンを魅了してくれそうです。



タイトル争いではカレントリーダーのミック・ファニング(AUS)、3位のオーウェン・ライト(AUS)がQFで敗れて5位。
2位のエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)がSF進出の3位でフィニッシュ。
この結果によってミックとエイドリアーノのポイント差が1,750から450まで縮まっています。
また、R2で敗退したフィリッペ・トレド(BRA)が3位から6位に転落。変わってオーウェン・ライト(AUS)が3位、ジュリアン・ウィルソン(AUS)が4位に上昇。
エイドリアーノとオーウェンのポイント差は5,850あり、アジャスト(11戦中、上の9戦のポイントをカウント)を考えると次のポルトガルで波乱がない限り、タイトル争いはミックとエイドリアーノの二人に絞られてきそうです。

ちなみにSFでガブリエルと対戦したエイドリアーノ(写真上)は、ヒート前に波打ち際でひざまずいて集中。
ガブリエルが10ポイントを出した後は、わざわざジェットスキーを呼んでポイントを稼げそうな離れたピークへ移動するなど決して最後まで勝負を諦めないプロの姿勢を見せ、タイトルへの執念も感じました。

「ガブリエルとの対戦はいつもプレッシャーがあるよ。今回は難しいコンディションでいらいらしていた。でも、セミファイナル進出は良い結果だし、次のポルトガルも楽しみさ。あそこでは毎年良い気分で滞在出来るし、波も決まれば最高だね」

ワールドツアー、次のイベントは10月20日〜31日にポルトガルで開催される第10戦『Moche Rip Curl Pro Portugal』

WSLが発表したシチュエーションによると、もし、ミックがポルトガルで優勝した場合、エイドリアーノは9位以上で最終戦にタイトルレースを持ち込める。
ミックが2位の場合、エイドリアーノは最下位でもタイトルレースは最終戦へ。
もし、エイドリアーノが優勝した場合でも無条件(ミックが最下位でも)でタイトルレースは最終戦へ。





『Quiksilver Pro France』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ビード・ダービッジ(AUS)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)
3位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
5位 イタロ・フェレイラ(BRA)、ミック・ファニング(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)

2015年WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Quiksilver Pro France』終了後のランキング
1位 ミック・ファニング(AUS) 49,900pt
2位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA) 49,450pt
3位 オーウェン・ライト(AUS) 43,600pt
4位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 41,450pt
5位 ガブリエル・メディナ(BRA) 40,650pt

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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