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『Billabong Pro Teahupoo』終了!



全11戦で争われる2015年の「WSL Samsung Galaxy Championship Tour」の中で最も危険なスポット、タヒチ・チョープーで開催されていた第7戦『Billabong Pro Teahupoo』が現地時間8月25日に終了。

ファイナルデイは公式6ft。前日同様にトリッキーなコンディション。オープニングヒートのR5のH1ではイタロ・フェレイラ(BRA)が次々に波をキャッチしていたのに対してフィリッペ・トレド(BRA)は1本も乗れないという珍しい場面も...。

また、R2でハイエストスコア、R3では今イベント唯一のパーフェクト10をマークしたC.J・ホブグッド(USA)は、R5、QF共に見事な逆転劇でラウンドアップ。
特にジョシュ・カー(AUS)とのQFは残り1分に乗った波でバレルをメイクして7.40。スコアが出るのが遅れたこともあり、C.Jはじれったい表情をして両手を合わせて天を仰ぎ、逆転が決まった後は本当に嬉しそうにしていました。
残念ながらSFでは逆の立場となり、ジェレミー・フローレス(FRA)に逆転されて2010年、アンディ・アイアンズ(HAW)とのカード以来のファイナルはメイク出来なかったものの、引退前のタヒチで10ポイントは彼のキャリアのハイライトになりそう。
更にアンディに敬意を表して作られた「Andy Irons Award」も受賞しています。

ファイナルはジェレミーと不調だった今シーズンに「J-Bay」から復活の兆しが見えてきたガブリエル・メディナ(BRA)のカード。
ヒート開始直後に入ったセットにまずはプライオリティを持つガブリエルがテイクオフしますが、すぐに潰されてしまい、その後に入ったセットでジェレミーはテイクオフからグラブレールでバレルイン。完全に包まれてから姿を現し、9.87!
後半には7.00のバックアップを重ね、最後までガブリエルを抑えてツアー2度目の優勝を決めました!



「タヒチは第二のホームみたいだから、レイデイも苦にならなかったよ。ガブリエルは駆け引きが上手い。だから、彼のゲームに乗ってやろうと思ったんだ。彼のゲームとは海の中でとてもアグレッシブになること。自分はその上を行こうと考えたのさ。彼には脱帽。全てのイベントで素晴らしいサーフィンをするからね。間違いなく難しいヒートだった。あの一本、9.87が全てを決めたと思うよ」

ファイナル直後、ピーター・メルと肩を並べ、サーフボードの上でインタビューに答えていたジェレミー。

多くの波に手を出していたガブリエルに対して僅か2本の波で勝負を決めたことについては、「アウトでは構えて待っていたんだ。終わるまで長かったけどね。波数が少なく、ファイナルは最初に決まったようなものだった。周りの山を見たりして、もし、ここで負けても自分はパラダイスにいるんだ。それだけでもラッキーだよと考えていたり、ボートから落ち着けというサインを貰ったりしていたのさ」

2007年、19歳のルーキーイヤーから活躍を続けて今年でツアー歴9年目となるジェレミー。
2010年にはパイプラインで初優勝を果たし、2011年の今イベントではパーフェクトヒートをメイク。「Andy Irons Award」を受賞してバレルの名手としての地位を確立。
しかし、最近はQSからリクオリファイを果たした昨年を始め、良い結果を残せず、コンテストへの意欲が薄れているとのコメントも残していました。

「ここ数年は望むような結果が得られなかったし、何よりも気持ち的に楽しめなかったんだ。サーフィンは世界で最も美しいスポーツ。そのサーフィンを楽しめないのは何か問題があると思ったんだよ。それからは自分の考えを改め、リスタートを切ったのさ。家族と愛する人の側にいることで以前のような楽しい気持ちとハングリーさを取り戻した。今年は優勝出来たけど、もし、優勝がなくても全ては上手く行っているよ」

フィジー戦の後、インドネシアの秘境でフリーサーフィン中に頭部と顔に大怪我。一歩間違えれば命にも関わるワイプアウトをして「J-bay」を欠場。
復帰した今イベントでも大事をとってヘルメットを着用していたジェレミー。
怪我人が多い今シーズンの問題となっているフリーサーフィンについてですが、それもまた彼らの仕事の一部であり、ある程度の危険を犯してでも譲れない部分なのかもしれません。



今イベントのディフェンディングチャンピオン、並びに昨年のワールドチャンピオン、ガブリエル(写真上)
今シーズンの不調が嘘のように次々とハイスコアをマークして2年連続のファイナル進出。優勝こそ逃したものの、残り4戦を戦う上で今回の成績は大きな自信になったと思います。

「ファイナルは最初のプライオリティでミスを犯したと思う。スコアに結び付くような波も来なかったね。それでも2位は嬉しいし、怪我から復活したジェレミーの姿を見るのもハッピーさ。再び表彰台に上がれてストークしている。最後は難しかった。もっと波に乗りたかったけど、この結果には満足しているよ」

今シーズン最高位、昨年のパイプライン以来の2位でトータルでも15位から10位にランクを上げたガブリエル。
タイトル争いには遅いながら、来年に向けて更に上を目指したいところでしょう。

ランキングではエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ミック・ファニング(AUS)のトップ2は変わらず、SFまで進んだオーウェン・ライト(AUS)が5位から3位に上昇。ジュリアン・ウィルソン(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)が同率4位。
上位5名のポイント差は僅か1,750。例年になくタイトル争いは熾烈になっており、ファンとしては興味深いシーズン後半になりそうです。



次の第8戦は9月9日〜20日、カリフォルニアのローワー・トラッセルズが舞台の第8戦『Hurley Pro at Trestles』
御存知の通り、大原洋人がワイルドカードとして出場します!
ウィメンズの第7戦『Swatch Women’s Pro』も併催されるため、華やかな雰囲気でイベントは進行しそうです。

『Billabong Pro Teahupoo』結果
1位 ジェレミー・フローレス(FRA)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 オーウェン・ライト(AUS)、C.J・ホブグッド(USA)
5位 イタロ・フェレイラ(BRA)、カイ・オットン(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)、ケリー・スレーター(USA)

2015年WSL Samsung Galaxy Championship Tour
『Billabong Pro Teahupoo』終了後のランキング
1位 エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA) 34,950pt
2位 ミック・ファニング(AUS) 34,700pt
3位 オーウェン・ライト(AUS) 34,400pt
4位 ジュリアン・ウィルソン(AUS) 33,200pt
4位 フィリッペ・トレド(BRA) 33,200pt

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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