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二人のチャンピオンが胸の内を語る



全ての仕事には良い日と悪い日があると思います。
しかし、プロサーファーにとって悪い日が重なれば一年を棒に振ることにも繋がり、特にワールドタイトルを狙っている選手にとっては重要な問題に...。

全11戦で争われる2015年の「WSL Samsung Galaxy Championship Tour」は現在第7戦がタヒチで開催されており、すでに終了した6戦までの結果によると昨年ブラジリアンとして初のワールドタイトルを獲得したガブリエル・メディナ(BRA・写真最上部)は15位。11Xのケリー・スレーター(USA)は6位。
「J-Bay」ではケリーが3位、ガブリエルが5位と今シーズンでは最高の結果を得て共にランキングを5位上昇させていますが、タイトル争いには及ばず、新旧の二人のチャンピオンにとって厳しいシーズンになっています。

今回はトップ34の中でも常に注目されるこの二人にスポットを当てて、WSLがインタビュー。
その胸の内とは?

世界のサーフィン業界にとって歴史に残るシーズンとなった2014年。
主役はゴールドコースト、フィジー、タヒチで優勝し、最終戦のパイプラインでワールドタイトルを獲得した若きブラジリアン、ガブリエルでした。
サッカーの次に人気のあるスポーツ、サーフィンで20歳の彼が成し遂げた偉業。それは多くのツアーのファンに感動を与えただけでなく、ブラジルの労働者階級の家族の元で育った彼のシンデレラストーリーは夢を持つ子供達の励みにもなりました。

一転、2015年は最下位の25位が1回、R3敗退の13位が3回。最高でも5位で、ランキングは15位。
しかし、彼の苦難の道はプロサーファーとしての重要なプロセスの一部でもあるとWSLは考えています。

「最近は勝利でも敗退でも多くのことを学んでいる。特に負けた時は何が悪かったかを見直せるし、学ぶことも多い。物事が上手く行かない時は、自分自身を見つめ直し、修正するべき。自分は毎回それを考え、懸命に努力しているよ」

この言葉を裏付けるようにタヒチでは同世代で最もライバル関係にあるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とのR3をクロスゲームの末に競り勝ち、今シーズン3度目のR4進出を決め、復活の兆しが見え始めています。



同じ低迷したシーズンでも、ツアー歴5年のガブリエルと20年以上のケリー(写真上・下)では話が変わってきます。
更にケリーは僅かな可能性ながら、まだ2015年のワールドタイトルに望みがあるのです。

「意欲がなくなっているのかも...。長い間ツアーにいると昔のような新鮮さが欲しくなる。今のランキングはある意味新鮮だけどね。それにここ数年、良いポジションにいながらタイトルから遠ざかっているのも今までの自分と違う。こんな会話からでさえ自分を探している状況さ。以前とは違う視点から見ている気がするよ」

今年のケリーの不振の理由の一つはスコアに波があること。
例えば、第2戦のマーガレットリバーではR3で10ポイントを含む19.50を出したものの、R4、QFでは最高7ポイント台。
過去にパーフェクトヒートをメイクしたことがあるフィジーでもR2、R3がピークでR4、R5では失速...。
スコアさえもコントロール出来る力を持っていた一番強かった時期に比べると明らかに変わっていると言えます。

「ハイスコアを重ねられるヒートはあるけど、それが続かないんだ。それが現在のポジションの理由でもあるね」

ケリーのコンテストに対しての姿勢の変化は、ここ数年で忙しくなったビジネスの影響も...。
アスリートならいつ引退してもおかしくない43歳という年齢。次の人生を考え、「Firewire」との関係を深め、家具ブランド「PBteen」とのコラボ作品や、アパレルブランド「Outerknown」の始動。
サーフィン業界以外にも舞台が広がり、とても忙しい日々を送っています。



「まだ自信はあるんだけど、たまに混乱することがあるんだ。正直に言うと自分の考え、脳はサーフィンから離れ初めている。それは生活の変化にも関係している。周りとの関係、仕事、全て。とても深い話なんだ。全てが心の中で済む話なら大きな影響はないんだけど、そうはいかない。それが問題の一部でもあるのさ」

「今は色々なことに気が散っていて、ツアーに集中することを最優先にはしていない。それがヒートを勝ち進むのを難しくしていると思うよ」

苦難のシーズンを送っている二人のチャンピオンにとってタヒチが終わってからカリフォルニア、フランス、ポルトガル、ハワイと続く道のりはとても長く感じられると思いますが、これまでのような悪い日が続かなければ、彼らは再びタイトル争いに戻ってくることでしょう。

ちなみにガブリエルとケリーは昨年のタヒチのファイナリスト。過去最高のコンディションで9ポイント台の応酬となり、僅か0.03ポイント差でガブリエルが優勝。
今年も組み合わせ的に分かれるため、お互いが勝ち進めばファイナルで対戦することになります。

注目の『Billabong Pro Teahupoo』は8月25日まで。
ネクストコールは現地時間8月22日の早朝7時30分(日本時間8月23日深夜2時30分)

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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