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『Billabong Pro Teahupoo』3日目 ガブリエルvsジョン・ジョンのスーパーヒート!



現地時間8月17日、タヒチ・チョープーで開催中のCT第7戦『Billabong Pro Teahupoo』は前日までの雲がなくなり、青空が広がるまさにコンテスト日和の天候でR3が進行。
期間中では最もクリーンなコンディションにも恵まれていましたが、初日に入った南西ウネリはダウン傾向。
予想されていた南ウネリも反応が鈍かったため、3日目は8ヒートのみで終了することに...。

この日の注目カードはディフェンディングチャンピオンのガブリエル・メディナ(BRA・写真最上部)vsジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真下)
2012年のタヒチのQFで初めて顔を合わせ、その時はジョン・ジョンが勝利。次の対戦は2014年のフィジーのQFでガブリエルがリベンジを果たしてイーブンに。
この世代では最も実力と人気を兼ね備えている二人の3度目の対戦。WSLのニュースでも’スーパーヒート’と称されていました。

序盤は9.07をスコアしたガブリエルが主導権を握り、スローな展開でしたが、中盤から後半は9ポイントの応酬。
終わってみれば9ポイントが3本づつ。合計6本の9ポイントがスコアされたと言えばいかにハイレベルだったことが理解できると思います。
期待を裏切らない素晴らしい名勝負の結末は、土壇場で9.73をマークしたガブリエルに軍配が上がったものの、スコア以上に僅差の勝負。
僅かにガブリエルの運が勝っただけと言えるでしょう。



「ヒート前から興奮していたと同時に怖いという気持ちも少しあったよ。ジョン・ジョンはタヒチでベストなサーファーの一人。自分自身見ていたい大好きなサーファーでもあるんだ。二人で何本かの9ポイントを分け合う良い勝負だった。バレルをメイクしてストークしている。最高の波で勝ち進めたことは嬉しいね。厳しいヒートになることは分かっていたけど、父がハイスコアにこだわるな。良い波を探し、自分のやるべきことだけに集中するんだってアドバイスをくれたんだ」

昨年はタヒチを含め、全11戦3勝。ブラジリアン初のワールドタイトルを獲得してサーフィン界の歴史を変えたガブリエルでしたが、今年は最下位の25位が1回、R3敗退の13位が3回。最高でも5位で、トータル15位と厳しいシーズンを送っています。

「今年は負けが続いているから、またヒートを勝てて嬉しい。ここの波は大好きさ。良い結果を出せると良いね」

「J-Bay」で今年2回目の5位に入り、今回もジョン・ジョンとの勝負に競り勝って先に進むことが決定。
誰の心も魅力してしまうタヒチという場所もあり、硬い表情が多かったシーズン前半のインタビューと変わって穏やかな口調、笑顔を見せながら話していました。



2008年にはブルーノ・サントス(BRA・写真上)vsマノア・ドローレ(PYF)というワイルドカード同士のファイナルがあったほど、タヒチでのワイルドカードは手強いと選手達の間で恐れられています。
その時の勝者であるブルーノは、R1で抑えたエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)とR3で再び対戦。カレントリーダーの座が危うくなってきたエイドリアーノに対してノープレッシャーのブルーノは序盤からフリーサーフィンを楽しむかのように次々とバレルインを繰り返し、8.43を含むトータル16.20で圧勝。
ヒート終了後、エイドリアーノを励ますようにハグを交わすという場面も...。

「凄く興奮したね。あのヒートは素晴らしかったよ。とても嬉しいと同時に悲しくもある。エイドリアーノは親友だし、彼が今年の最後にタイトルを獲得するのを心底見たいんだ」

エイドリアーノは2014年にネイザン・ヘッジ(AUS)、2013年にはアラン・リオウ(PYF)と2年連続でワイルドカードにR2で敗退しており、相性は最悪。親友との対戦は更にやりにくかったことでしょう。

ブルーノの次の対戦相手はイタロ&ガブリエルのヤングブラジリアン。タヒチでは同じ家に滞在しているそうですが、今回のエイドリアーノとの対戦も含め、勝負とは別の話。
「海ではベストを尽くすだけ」と話していました。



この日の後半、コンディションが悪化したヒートに重なったミック・ファニング(AUS)は、代理で参加しているアリッツ・アランブルー(ESP・写真上)を相手にスコアを伸ばせず、逆転のチャンスさえも与えられないままあっけなく敗退...。
「J-Bay」で僅差に詰め寄り、エイドリアーノがR3を敗退した時点でトップを奪い返すチャンスが巡ってきたものの、それは次のカリフォルニア以降に持ち越しになったと同時に3位のジュリアンの結果次第では自らのランキングが下がる可能性も出てきました。

「最初に良い波を乗れたのはラッキーだったね。自分が乗った二つの波以外に良いスコアを出せるような波が来なかったのが勝因さ。ミックとのヒートはどんなミスでも致命傷になるから、スマートにやるように心掛けたんだ。それが功を奏して嬉しいよ」



その他にR3からR4に進んだのは、フィリッペ・トレド(BRA)、カイ・オットン(AUS)、オーウェン・ライト(AUS・写真上)、イタロ・フェレイラ(BRA)、ウォゴリー・ダンタス(BRA)
オーウェンは2つの9ポイントを揃え、パーフェクト20を2つもメイクしたフィジー戦の再来さえ期待させるような最高のリズムでした。

R3の残りヒートにはジョシュ・カー(AUS)、エイドリアン・バッカン(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、ジェレミー・フローレス(FRA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、C.J・ホブグッド(USA)がクレジット。

ネクストコールは現地時間8月18日の早朝7時30分(日本時間8月19日深夜2時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によるとサイズダウン傾向となり、19日〜20日はタヒチにしてはスモールになる予想。
次のウネリは21日以降に入るようです。

なお、アメリカ・バージニアではQS3,000『Vans Pro』が開幕。『Vans US Open of Surfing』で優勝した大原洋人を始め、多くの日本人が参加している注目イベントはR3のH6まで進行。
R2では小林桂が勝ち上がった一方、脇田泰地が敗退。R3では加藤嵐、河村海沙がラウンドアップ。残りヒートには辻裕次郎、喜納海人。
R4からはトップシードとして五十嵐カノア、大原洋人、村上舜、仲村拓久未、大橋海人、新井洋人が登場します。

こちらは日本時間8月18日の夜9時頃からライブ中継が行なわれる予定。

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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