コンテスト
『Billabong Pro Teahupoo』開幕!
『Billabong Pro Teahupoo』開幕!ミック・ファニング(AUS)がファイナルでシャークアタックに遭うという過去に例がない南アフリカ「J-bay」の戦いから約1ヶ月。
「60minutes」というドキュメンタリーに出演してあの時の気持ちや状況などを伝え、海にも復帰(そこでもサメの姿を見て急いで岸に戻ったのですが...)したミック。
3度のワールドタイトルを手にしたチャンピオンのメンタルは強く、現地時間8月15日に開幕したタヒチ・チョープーでのCT第7戦『Billabong Pro Teahupoo』にも元気な姿を見せてくれました。
初日のコンディションは新しい南西ウネリが入りながらも風が悪く、トリッキーなコンディション。
ミドルスコアがアベレージとなり、ハイスコアはジュリアン・ウィルソン(AUS)の8.33。
後半には更に悪化してR1のH8を終了した時点でこの日はオフが告げられました。
あの悪夢のような出来事からの復帰戦となったミック(写真最上部・下)はトライアルを勝ち上がったローカルワイルドカードとアダム・メリング(AUS)が波選びに手こずる中、序盤に短いながらバレルを2本メイクしてトータル12.17でラウンドアップ。まずは一つ勝ち上がり、幸先良いスタート。
「コンテストにカムバックを果たし、再びサーフィンに集中出来るのは本当に嬉しいよ。’J-bay’のことでメディアから相当注目されたけど、早く忘れて次に進みたかったんだ。あの出来事は自分が年を重ねた後の話のネタの一つさ。波は厳しかったね。チャンスは少なく、波を掴めたのはラッキーだった。5,6ポイントでも十分だったよ」
「J-bay」ではファイナルを戦ったジュリアン・ウィルソン(AUS)と同率2位という形になり、現在のランキングは2位。
カレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)との差は僅かしかなく、早ければ今イベントの最中にトップに立つ可能性もあります。
タイトル争いの件を聞かれると、「自信はあるよ。波運や他の選手のこともあるけど、まずは自分の出来ることに集中する。そして、挑戦する。これから年末にかけてツアーの全てのスポットがお気に入りなんだ。落ち着いて厳しく挑むつもりさ」
ちなみに今年のミックのサーフボードのイメージカラーだった蛍光イエローはサメが寄り付きやすい色と判明。今イベントからはボトムをブルーに変更して更にサメ対策で効果があるとされているストライプ柄を施し万全を期しているようです。
2008年にマノア・ドローレ(PYF)とのワイルドカード同士のファイナルを制して優勝したブルーノ・サントス(BRA・写真上)は、カレントリーダーのエイドリアーノ、ローカルのミシェル・ボウレズを相手に波数が少ない厳しいヒートを勝ち上がり、R3へ。
ヒート終了後のインタビューでは、あの二人との対戦に興奮した?それとも緊張した?と聞かれ、「興奮したね。エイドリアーノは現在の1位だし、ミシェルはローカル。ここの波を知り尽くしている。サイズはあるものの、コンディション的には厳しかった。良いポジション、良いタイミングを掴むのも難しかったけど、ラッキーにもベターな波に乗ることが出来た。明日は良い波になれば良いね」
最も危険なワイルドカードと呼ばれているブルーノ。他の多くのビッグウェーバー然り、海での激しいチャージとは別人のように陸では穏やかなでメロー。
ここ数年はコンテストに力を入れていなく、今年はWSLで初のイベント。逆にプレッシャーは一切ないため、R3以降も他の選手にとって怖い存在になりそうです。
2000年の初優勝から通算4度の優勝をこのタヒチで重ねているケリー・スレーター(USA・写真上)はオープニングヒートで2つのディープなバレルをメイクして7ポイント台を2本。トータル15.10でブレット・シンプソン(USA)、ジャドソン・アンドレ(BRA)をコンビネーションに追い込んで圧勝。
自身のアパレルブランド「Outerknown」のプロモーションのために直前までガールフレンドのカラニと日本に滞在。
台風スウェルがヒットした湘南では、ゴールドコーストの開幕戦で話題になった「ダニエル’トモ’トンプソン」のユニークなデザインのサーフボードなどでファンウェーブを堪能。その模様はSNSなどで拡散され、日本中のサーファーの話題になっていました。
「飛行機の中で爆睡したよ。この1週間はとても忙しかったんだ。タヒチに着いたのが昨晩の10時でチョープには12時30分。2時頃には狂ったようにボードにワックスしていた。ヒート前、1時間半くらいはサーフィンしたかな」
他の多くの選手が調整のために早めにタヒチ入りしていた一方、ケリーは東京でも忙しい時間を過ごし、タヒチに到着したのはヒートが始まる12時間前だったとか...。
ここが違う場所なら話は別ですが、舞台はツアーの中で最も危険なタヒチ・チョープー。僅かなウォーミングアップでシャローなリーフ上でのバレルをメイクしてしまうのは彼ならではの技。
その一方でリスクもあり、ワイプアウトの際に顔面を強打して歯が折れそうになったそうですが、恐れることはなく、ヒート後半には禁断のライトにテイクオフしたことも付け加えておきましょう。
その他にR1を1位通過したのは、フィジー戦で2つのパーフェクト20、ミラクルなパフォーマンスを披露したオーウェン・ライト(AUS)、アリッツ・アランブルー (ESP)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ダスティ・ペイン(HAW)、ジョエル・パーキンソン(AUS)
フリーサーフィン中のアーリーウープの着地に失敗して2戦欠場していたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、インドネシアの秘境で顔に大怪我を負ったジェレミー・フローレス(FRA)は共に復帰してR1の残りヒートにクレジット。
ジョーディ・スミス(ZAF)、マット・バンティング(AUS)は怪我のために欠場。アリッツとギャレット・パークス(AUS)が代理を務めています。
ネクストコールは現地時間8月16日の早朝7時30分(日本時間8月17日深夜2時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南西ウネリのピークは過ぎるものの、コンディションはベターになる予想。
17日には新しい南ウネリが加わり、その後はサイズダウン傾向。次のウネリはウェイティングピリオドの後半になる予想。
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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