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『Fiji Pro』2日目 ケリー復活か!?



300余の火山島と珊瑚礁からなるフィジー。その中で最もサーファーから愛されているハート型の島、タバルアで開幕した『Fiji Pro』は2日続けてオン!
現地時間6月13日にR2から再開。ワイルドカードのデーン・レイノルズ(USA)、過去に4度も今イベントを制しているケリー・スレーター(USA・写真最上部・下)が素晴らしいパフォーマンスを披露して特別な一日になることを予感させましたが、5ヒートが進行した時点で強い風がネックとなり、お昼までオンホールド。結局、改善はせずにこの日は早々とオフが告げられることに...。

僅か5ヒートながら内容は濃かった2日目。
序盤2ヒートはカレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、2位のフィリッペ・トレド(BRA)と今シーズンのブラジリアン・ストームの中心人物が共にローカルワイルドカードと対戦。

エイドリアーノは危なげない勝利でしたが、フィリッペは昨年も参加して『Fiji Pro』のCMにも「ブラー(こんにちは)」のかけ声と共に登場しているアカ・ラヴォロに追い上げられ、危機一髪。

「とても怖かったよ。彼はこの波で経験豊富だし、波の見極めも上手い。昨日は興奮し過ぎて失敗したけど、今日は朝起きた時からリラックスして何をすれば勝てるか考えていたんだ。次に進めて嬉しいよ」

ミディアム〜スモールサイズでは最強の男と呼ばれているフィリッペ。ブラジル戦での完璧な勝利で更にその印象が強くなった一方、フィジー、J-bay、タヒチと続く3連戦は逆にその印象がネガティブな方向に結び付く可能性があります。
しかし、このスペシャルな舞台を克服出来ればワールドタイトルへの道も開けてくると言えるでしょう。



前日のR1と比べてバレルになる波が多くなったこの日の「Cloudbreak」
それでも基本的にはマニューバー勝負でしたが、ケリーだけは違うピークでサーフィンしているように一本目からファーストセクションでディープなバレルに包まれ、8.77をスコア。
更に一本目よりも小さめの波にテイクオフ、バレルになるセクションを見逃さずにプルインから低姿勢で最高のポジションをキープして7.83のバックアップスコアを重ね、ワイルドカードのジェイ・デイヴィス(AUS)を早くもコンビネーションに追い込みます。

後半、風が強まってきた状況の中、ボトムターンからグラブレールで完全にバレルの中に姿を消し、抜けてからボーナスセクションと言えるインサイドでもバレルをくぐり抜け、このライディングに9.93がコール。
5人中、3人のジャッジが10ポイントをつけた限りなくパーフェクトに近いバレルライドにMCのポッツも思わず「アメージング!」と声を出していました。

「とても良かったね。本当に良いタイミングだったんだと思う。最初の8.77なんてほとんど待ってないからね」

9.93をスコアしたバレルについては、「少しバンピーだったけど、あのヒートで明らかに一番大きな波だった。バンピーで難しそうだったけど、リーフの上でバレルになるには十分なサイズだったよ。正面から見た感じは分からない。でも、乗っている時はエキサイトしたさ。目に入ったのはコブとボードと観客。全て邪魔だったね」とコメント。

タバルア島には変わったサーフボードを沢山持ち込んできたケリーですが、このヒートで乗っていたのは古くから愛用していた種類の一本でした。
「これまで乗ってきたモデルとロッカーに少し改善したボード。他のボードはマニューバーには最適なんだけど、対応するにはもっと乗り込む時間が必要。ロッカーがあり過ぎるんだ。スピードとカービング、ターン。それが上手く出来れば最終的に他のボードを選ぶ可能性があるけど、今日は把握しているボードに乗ったのさ」

自らのヒートの前に登場してジョシュ・カー(AUS)を倒したデーン(写真下)については、「デーンのサーフィンは素晴らしいね。この数年、彼がワイルドカードで出場する時は小波や、厳しいコンディションだったよね。でも、彼はフリーサーファーなんだ。だから、絶対に良い波でやりたいはずだよ」と話していました。

12度目のワールドタイトルを狙える位置にいた昨年と一転してすでに13位が2回。マーガレットリバーでの5位が最高位でトータル13位と低迷しているケリー。今シーズン一番良いライディングを見せたこの日。世界中のケリーファンが復活の兆しを感じたことでしょう。



ネクストコールは現地時間6月14日の朝7時30分(日本時間の同日早朝4時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南西スウェルが午前をピークに強まり、週明け15日には新たな南西〜南南西スウェルが入る予報。

WSL公式サイト



photo: WSL Covered Images

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