コンテスト
『Fiji Pro』開幕!
世界最高峰のサーフィンレース、WSL Samsung Galaxy Championship Tourはオーストラリアレッグからブラジルを経て南太平洋に浮かぶフィジー・タバルア島へ。
サリー・フィッツギボンズ(AUS)が左耳の鼓膜を破りながらも制した激しい戦いから約1週間。
現地時間6月12日、メンズの第5戦『Fiji Pro』がウェイティングピリオド初日から5日連続のレイデイの後に開幕!
新しい南西のグランドスウェルは入ったものの、「Cloudbreak」らしからぬスモール〜ミドルサイズのアクション勝負の波でR1が終了しました。
シーズン中盤の気の緩みか、今イベントは怪我での欠場が多く、ブラジル戦に続き、2戦欠場のミシェル・ボウレズ(PYF)を始め、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョーディ・スミス(ZAF)がキャンセル。
代理としてアレホ・ムニーツ(BRA)、ジェイ・デイヴィス(AUS)、アリッツ・アランブルー (ESP)、ローカルのイニア・ナカレヴ(FJI)がクレジット。
更にワイルドカードとしてデーン・レイノルズ(USA・写真下)、アカ・ラヴォロ(FJI)が加わっています。
この日のハイエストスコア9.23並びにハイエストヒートスコア17.13をマークしたのは、ディフェンディングチャンピオンのガブリエル・メディナ(BRA・写真最上部)
ブラジリアンとして初のワールドタイトルを獲得した昨年と一転して今シーズンは不調が続いているガブリエルですが、フロントサイドで3つのビッグターンとフィニッシュまでメイク。
バレルがほとんど無かったこの日、スコアの基準である「スピード、パワー、フロー」に最も当てはまったライディングでジェレミー・フローレス(FRA)、今シーズン限りでの引退を表明したC.J・ホブグッド(USA)を圧倒。
「まるでビーチブレイクみたい。どこで割れるか分からないトリッキーなコンディションだったよ。でも楽しかったし、良い波に2本乗れたね。サーフボードも良いし、ここでは良い結果が欲しい。フィジーは大好きさ。波も良いしね」
カレントリーダーのエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、開幕戦と直近のブラジル戦を制して2位にランクするフィリッペ・トレド(BRA)の活躍が際立っているここまでのシーズン。
ブラジリアン・ストームを起こした張本人として巻き返しを期待したいところです。
ガブリエル同様に今シーズンは結果を残せていないケリー・スレーター(USA・写真上)はオープニングヒートで積極的に波をキャッチしたアレホに敗れ、コロヘ・アンディーノ(USA)と共にR2の敗者復活戦行きに...。
2013年のフィジー戦でもR2行きを強いられたケリーでしたが、その年は今回も出場しているローカルのアカを倒し、R3以降は驚くべきバレルライドを連発してQFではパーフェクト20。合計4つの10ポイントをマークして全く隙の無いパフォーマンスで優勝を決めていました。
2013年を含め、通算4度もフィジーを制しているケリーだけに予報通り波が上がれば他の選手にとって最も怖い存在になることは間違い無いでしょう。
ブレットの代理として急遽フィジー入りが決まったジェイは数少ないディープなバレルをメイクして8.17をスコア。
しかし、バックアップスコアが足りず、ルーキーのウィゴリー・ダンタス(BRA・写真上)に僅差で敗退...。
ワイルドカードで出場したマーガレットリバーでは、ガブリエルとミック・ファニング(AUS)を倒してQF進出を決め、「ワールドチャンピオンキラー」の称号を与えられたジェイ。
彼のバレルのスキルはWSLファンなら御存知の通り。リアルな「Cloudbreak」でチャージする姿を見たいと思っている方も多いのでは?
フィジー、J-bay、タヒチ。タイトル争いの重要な鍵となり、別名ドリームツアーの中で最高のサーフスポットを巡る3連戦。
正念場とも言えるエイドリアーノ、フィリッペが共にR1を落とした一方、ランキング3位のミック(写真上)は確実に自分の仕事をこなし、バーディカルなリップをベースにスコアを重ね、トータル13.77でルーキーのリカルド・クリスティ(NZL)とローカルのアカ・ラヴォロを抑えてR3にジャンプアップ。
ヒートでは1本目の波に乗った後、すぐにサーフボードをチェンジ。インタビューでは、まずその件について尋ねられ、「通常よりもハーフインチ長いボードを使用したんだけど、ちょっと長いと感じたんだ。だから、少しだけ短いボードに変えたのさ。ボードを変えてすぐに2つスコアを出せたよ」
トップシードの常連であるミックは早いラウンドでワイルドカードと対戦する機会が多くなります。3度もワールドチャンピオンに輝いている彼と戦うことはローカルにとって特別な意味を持ちます。
「フィジーではローカルとサーフィンする機会に恵まれる。ワイルドカードを得たアカ、イニアにとってもホームブレイクで戦える良い機会なんじゃないかな。もし、波が良い場合は危険な存在になるけどね。特にレストランツや最大レンジのクラウドブレイクでやる場合、彼らに勝つのは簡単ではないよ」
ツアーでもベテランの域に達するミックは明日6月13日に34歳の誕生日を迎えます。
その他にR1を勝ち上がったのは、タジ・バロウ(AUS)、エイドリアン・バッカン(AUS)、カイ・オットン(AUS)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、ナット・ヤング(USA)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、ルーキーのキアヌ・アシング(HAW)&イタロ・フェレイラ(BRA)
ネクストコールは現地時間6月13日の朝7時30分(日本時間の同日早朝4時30分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると南西のグランドスウェルのピークは週明け15日になる予報。
なお、2009年のスマトラ島沖地震をきっかけにサーファー、ジョン・ローズがスタートした世界中にクリーンウォーター(綺麗な水)を作るフィルターを届ける活動「WAVE FOR WATER」は、「Hurley」との提携から次は「WSL」に拡大。
彼らのミッションは「全ての人に綺麗な水を」というシンプルながら難しいこと。
日本の日常である「蛇口をひねれば安全な水が出る」ことは世界的に見ると当たり前ではないのです。
公式サイトでは選手達も参加しているその活動の模様や、世界の状況などを伝えています。
安全な水が得られないことで命を落とす人が世界には沢山います。まずはその現実を知ることから始めてください。
「WAVE FOR WATER」は死者8,000人以上の甚大な被害を受けたネパールの大地震の被害者にも支援を続け、公式サイトで募金も行なっています。
WAVE FOR WATER
WSL公式サイト
photo: WSL Covered Images
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