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ウィメンズワールドツアー第5戦『Fiji Women’s Pro』終了!



ステファニー・ギルモア(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジョーディ・スミス(ZAF)までもが怪我で欠場というニュースが飛び込む中、進行したフィジー・タバルア島でのウィメンズワールドツアー第5戦『Fiji Women’s Pro』

全10戦用意されているウィメンズワールドツアーのイベントで最もチャレンジング、言い方を変えれば危険なブレイク。ボトムは珊瑚礁、シャローなアウターリーフの「Cloudbreak」で3日間に渡り世界のトップ17がリスクを恐れないチャージを繰り返し、現地時間6月4日にその勝負が決定。

オーストラリアレッグでの勢いが衰え、今イベントは特に精彩を欠いていた印象のカレントリーダーのカリッサ・ムーア(HAW)がR4で敗れ、2位のコートニー・コンローグ(USA)がQFで敗退。
そんな中、ワイルドカードのマエダ・マヒナ(HAW)とのR2で左耳の鼓膜を破ってしまったサリー・フィッツギボンズ(AUS・写真下)がそのアクシデントを逆に勝利への執念に変え、ハイスコアを塗り替えながら快進撃を続けて優勝!
フィジーで2連勝。ランキングでも6位から一気に3位にジャンプアップして後半戦のタイトルレースに挑みます。

「涙が出るほどとても疲れたわ。この数日間、痛みもあったし本当に大変だった。例え、それが私に海が与えた試練だとしても、今は満足と言える。R3ではみんながサポートしてくれたことがモチベーションになった。ホームにいる家族の助けもあったの’みんなありがとうね’(カメラに向かって)逆境に直面したことで、間違いなくこれまでの優勝の中で特別なものになったわ」



優勝直後、ラインナップではファイナルの対戦相手、ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)とハグを交わし、すでに現地入りしているミック・ファニング(AUS)と勝利の喜びを分かち合い、ガッツポーズをしながらジェットスキーでボードキャリーとして側でサポートしていた父親の元に戻ったサリー。
ロージー・ホッジからのインタビューを受ける前には色々な感情が入り乱れて号泣する場面も...。

左耳の鼓膜を破った後、ドクターの忠告を押し切ってテーピングを巻いてR3にパドルアウトしたサリー。誰もが真似出来ることでは無く、彼女が強いコンペティターとして長年トップに君臨している理由がそこにあったとも言えます。

「長年続けてきたトレーニングと精神的な部分の鍛錬のおかげよ。それは自分だけが知り得ることでもある。フィジーでは海との繋がりを強く感じる。巨大な力に立ち向かう大きな挑戦よ。今日も何度かやられたけど、リラックスするように自分に言い聞かせたの。片耳が聞こえれば大丈夫ってね」

カリッサがR4で敗れ、ステファニーが怪我で2戦欠場。上位2名とのポイント差はまだ大きいものの、初のワールドタイトル獲得に向けて少し希望が見えてきました。

「シーズンの始めはサーフィンの調子が良かったし、強い気持ちだったけど、それが結果に結び付かなかった。これまでの経験で良い流れに乗ることが大切だと学んだの。ヒートに勝てない時でも楽しみ、時に耐えることが必要よ。自分が出来ることをハードにこなす。でも、それってツアーに参加しているみんながやっていることなのよ。彼女達が刺激を与えてくれるし、教えてくれるの」

カリフォルニアのハンティントンビーチで開催される次の第6戦は7月27日から。程度にもよりますが、鼓膜の再生は比較的早いため、その頃には完全復活したサリーが姿を見せてくれることでしょう。




185センチの高身長とフロントサイドの利点を活かし、通算4つの9ポイント台をスコアしてブラジル戦に続くファイナル進出を決めたビアンカ。
ファイナルでは大きめのセットを狙っていたサリーに対してミドルサイズの波に手を出してしまい7ポイント止まり。
親友のジョアン・ディファイ(FRA)とのSFが激しいバトルだったこともあり、このラウンドが彼女のピークになってしまった印象でした。

「ウィメンズサーフィンにとって素晴らしい一日になったし、その中で優勝したサリーを誇りに思うわ。彼女は勝利に値する真の戦士。もちろん、私的には優勝出来なくてちょっと残念だけど...。WSLにとっては素晴らしいイベントになった。エクセレントな波に恵まれ、私達はステップアップ出来たと思う。凄いことに2度目の2位。これで後半戦に向けてとても良いポジションにつけたわ」

波の大小に関わらず勝ち上がれるようになったツアー3年目のビアンカ。優勝を手にするのも時間の問題でしょうし、近い将来タイトル争いに絡んでくる可能性も十分にあります。



滞在場所の問題などでメンズと期間をずらして開催されているフィジー戦ですが、すでに現地入りしている選手は多く、文中のミックを始め、ケリーも姿を見せてインタビューを受けていました。
なお、ミシェル、ブレット、ジョン・ジョン、ジョーディと今のところ4名の欠場が決定。代理はマーガレットリバーで活躍したジェイ・デイヴィス(AUS)、アリッツ・アランブルー (ESP)、トーマス・ヘルメス(BRA)かギャレット・パークス(AUS)
ワイルドカードはデーン・レイノルズ(USA)とローカルのアカ・ラヴォロ(FJI)

メンズの『Fiji Pro』は6月7日〜19日に開催されます。

『Fiji Women’s Pro』結果
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2位 ビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)
3位 レイキー・ピーターソン(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)
5位 ローラ・エネヴァー(AUS)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)、コートニー・コンローグ(USA)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)

2015年WSL Women’s Samsung Galaxy Championship Tour
『Fiji Women’s Pro』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 37,800pt
2位 コートニー・コンローグ(USA) 36,900pt
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 29,600pt
4位 レイキー・ピーターソン(USA) 27,300pt
5位 タイラー・ライト(AUS) 26,700pt

WSL公式サイト

photo: WSL Covered Images

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