ビッグウェーブワールドツアーのタイトルを手に入れたのは？

ベストシーズンに合わせ、4月15日〜8月31日の南半球レッグと10月15日〜2月28日の北半球レッグ。それぞれ3戦、合計6戦用意されたBWT(ビッグウェーブワールドツアー)がウェイティングピリオドを終え、ワールドチャンピオンが決定。

6戦の内、条件が揃って行なわれたのは2戦のみ。
初戦の南半球レッグ、7月に南米・ペルーの「Pico Alto」で開催された『Billabong Pico Alto』は公式20ft、フェイスで25-40ftという一般サーファーには想像が出来ないような文字通りのビッグウェーブで行なわれ、ワイルドカードのマクアカイ・ロスマン(HAW)が優勝。

南半球レッグは他にも南アフリカ「Dungeons」、チリ「Punta de Lobos」で予定されていましたが、見送られて北半球レッグへ。
12月にスペイン・バスクの「Punta Galea」で開催された第2戦『Punta Galea Challenge』は公式30-40ftレンジ。
ここでもマクアカイはファイナルに進出して2連勝も目前でしたが、10ポイントライドを披露したニック・ランブ(USA)が逆転優勝を決めていました。

数々のビッグスウェルが到来したハワイ・ノースショアのシーズン。
マウイ島「Jaws」では1月にイエローアラート、次にグリーンアラートまで発令。同時にワイメアでの『THE EDDIE』の開催も期待されたものの、条件には満たず．．．。

他にもメキシコ「Todos Santos」でのイベントが見送られ、ペルーで優勝。スペインで2位に入ったマクアカイがWSL(旧ASP)として初めてツアー化したBWTのチャンピオンに選ばれました。

「WSLのビッグウェーブチャンピオンになれて最高の気分！夢が叶ったよ。全てのイベントには招待されず、ワイルドカードとして参加したのに、ワールドチャンピオンになれたんだ。それは強い決意とハードワークによって勝ち得たもの。ワールドチャンピオン。これ以上の喜びはないね」



以前からQSには参加していたマクアカイですが、コンディションが悪くても進行するコンテストに馴染めず、ここ数年はハワイでのQSを中心にいくつかのイベントに参加する程度。目立った結果も出せませんでした。
しかし、映像で決める『Billabong XXL』では優勝経験があり、『THE EDDIE』には毎年招待選手として選出。
マクアカイ=リアルなビッグウェーバーという印象は強く、その実力に合う舞台がやっと用意されたと言えます。

「オレはただサーフィンを心から愛している一人の男さ。自分の人生を振り返るとずっと波を追い求めていた。楽しいからそれを優先させているだけ。他に理由なんてないよ。頭で考えるよりまずは行動。それがオレさ」

オアフ島・サンセット出身のマクアカイ。『Da Hui』の創設者であるエディー・ロスマンの息子でもある彼はサーフィンを始めた頃からビッグウェーブでのサーフィンが日常にあり、それを愛する偉大なサーファーに囲まれて成長。
一般サーファーには危険を伴うようなヘビーなコンディションになった時が彼にとっては最高の舞台となり、周囲には「スモールウェーブでベストなサーファーになることは考えていない」とも話していたそうです。

BWTのコミッショナーであり、自身もビッグウェーブでのサーフィンに魅了されているピーター・メルは、「ハワイにとって、もう一つのワールドタイトル。マクアは早くからこのツアーに参加したいし、夢だとも言っていたんだ。だから、心から祝福するよ」と話していました。

ちなみにマクアカイはアーティストとしても活動。ウクレレの温かくメローなトラックに甘い歌声。サーフィンを題材に情景が目に浮かぶようなリリックでハワイのFMではヘビーローテーションされていたとか．．．。
(デビューアルバム、お勧めです！）

WCTとは違ったスタンスで開催されるBWT。2015年/2016年の発表はまだされていませんが、ビッグウェーバーの新たなステージとして今シーズンも注目が集まりそうです。

2014年/2015年
ビッグウェーブワールドツアー最終ランキング
1位 マクアカイ・ロスマン(HAW) 20,833pt
2位 ガブリエル・ヴィラーン(PER) 13,021pt
3位 ニック・ランブ(USA) 11,851pt
4位 ショーン・ダラー(USA) 11,750pt
5位 アンソニー・タシニック(USA) 11,287pt

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photo: WSL Covered Images