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ASPワールドツアー第8戦『Hurley Pro at Trestles』終了!



8月末、メキシコ西海上に発生してカテゴリー5まで発達したハリケーン「Marie」からのスウェルで1997年以来の大きなサイズアップを見せたカリフォルニア。
ジェイミー・オブライエンを始め、ハワイからもビッグウェーバーがその波を求めてやってきたほど。
間違いなく歴史に残るスペシャルな日はタイミング良くタヒチ戦終了後のオフに重なったため、トップ34のメンバーの多くもセッションに参加してメディアを賑わせていました。
その興奮がさめやらぬままASPワールドツアー第8戦『Hurley Pro at Trestles』がローワー・トラッセルズで開催され、現地時間9月18日に終了。

ブラジリアン初のワールドタイトルまで秒読みに入ったガブリエル・メディナ(BRA)と僅かな可能性を残して逆転を狙うケリー・スレーター(USA)が共にファイナルデイへ。
QFからスタートしたファイナルデイ。ガブリエルが敗れ、ケリーはSF進出。優勝して出来るだけ差を縮めたいケリーでしたが、SFではタヒチ戦でのリマッチ、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)と戦い、クロスゲームの末に敗退...。

ファイナルはエイドリアン・バッカン(AUS)を倒したジョーディとジョン・ジョンがビーチに集まった沢山のギャラリーの前でバトルを繰り広げ、波に恵まれた今イベントの最後を締めくくるにはふさわしい展開に!
序盤は一本目から持てる力を全て出し尽くしたようなビッグカービングとクローズアウトセクションでのテールスライドで9.33をマークしたジョーディがリード。そのライディングに対するジョン・ジョンのアンサーは得意のフルローテーションエアー。ミドルスコアに加え、残り10分には大きなレイバックとのコンビネーションで8.60をスコアして逆転に成功。
更に7.27とバックアップを伸ばしてジョーディが逆転に必要なスコアは6.54。ラスト数分、セットの波にテイクオフしたジョーディはインサイドまでキッチリと決めてヒート終了後にスコアを待ちます。
R5でのケリーとタジの対戦然り、今イベントでは終了のホーンが鳴ってから勝負が決まることが多く、それは僅か1ヒートで人生が変わってしまう可能性もあるトッププロの勝利に対する執念の証だと言えます。

ヒート終了後にはチャンネルでスコアを待ちながらピーター・メルに心境を聞かれ、「多分いけるよ。最初の9.33が最後の波だったら良かったのに(笑) 本当にスコアが欲しい」とそわそわしながら話していたジョーディ。
前日のスペシャルヒートでガーラックと対決したポッツがジャッジ一人一人のスコアを読み上げ、7.17で逆転が確定した瞬間は狂ったように叫び、喜びを表現していました。



「世界のベストサーファーとの対戦は夢の中にいるような感じだった。ファイナルまで9ポイントを出さず、ピークを丁度良い場面に持ってくることが出来たよ」とジョーディ(写真最上部・上)
逆転に結び付いた最後の波については、「終盤は神経を集中したよ。自分に波が来ると言い聞かせたんだ。二つのビッグターンといくつかのカットバック、フィニッシュも決まった。これはスコアが出ると思ったね。これが逆転までの流れさ。波の中盤まで乗った時点で良い感じだと考え、フィニッシュまでメイクしたかった。完璧なエンディングだったよ」とコメント。

「正直、変な感じさ。何をしたら良いか分からない。引っ越してきたばかりのこの街で優勝出来て本当に嬉しいよ。それに世界で一番好きなサーファーであるジョン・ジョンとファイナルを戦ったなんて信じられないね。かなり舞い上がっている」とテンション高めに話していました。

故郷の南アフリカからカリフォルニアに引っ越してきたジョーディ。
ジョシュ・カー(AUS)やフィリッペ・トレド(BRA)を始め、自らのシェイパーとコンタクトがしやすく、世界中を旅するのに便利な位置にあるカリフォルニアに拠点を移す選手は年々増加しているのです。

2013年のブラジル戦以来の優勝を決めたジョーディ。シーズン後半は早いラウンドでの敗退が多く、苦戦していただけに今回の優勝の喜びは格別だと思います。



前日に1ヒートで9ポイント台を5本と驚異的なパフォーマンスを披露したジョン・ジョン(写真上下)
ファイナルデイでもエイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)とのQFでカービング、レイバックとギャラリーを沸かせながら9.17をマーク。
ケリーとのSFはスコアこそ伸びませんでしたが、珍しく確実に勝つサーフィンをしていたのが印象的でした。

「とても残念だね。優勝に近づくといつもこうだ...。でも、次のイベントに向けて自信にはなったかな」とジョン・ジョン。

前日のR4では一人エクスプレッション・セッション、サーカス、そんな表現が当てはまるような刺激的なライディングでギャラリーの心も掴んでいました。
海から上がってのファンサービスもキッチリとこなすジョン・ジョン。「ギャラリーの声援を聞くのは素晴らしいことさ。離れていても彼らの叫びが聞こえるんだ。それで良いサーフィンが出来ることもあるよ。フリーサーフィンの時は色々な技を試す機会がある。今回のように沢山ヒートをこなすと同じような感じで更にジャッジが好む技のアイディアが出てくるのさ」と話していました。



タイトル争いではガブリエルのトップは変わらず。2位のケリーとの差は10,000ポイントから6,500ポイントに縮まったものの、ケリーが逆転するにはフランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグで自身が優勝し、ガブリエルが早いラウンドで敗退することが条件。
早ければ最終戦のパイプラインを待たずにガブリエルのブラジリアン初のワールドタイトルが確定する可能性もあります。

ヨーロッパレッグのファーストイベントは9月25日〜10月6日にフランス南西部で開催されるASPワールドツアー第9戦『Quiksilver Pro France』です。



ASPワールドツアー第8戦
『Hurley Pro at Trestles』結果
1位 ジョーディ・スミス(ZAF)
2位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
3位 エイドリアン・バッカン(AUS)、ケリー・スレーター(USA)
5位 ミック・ファニング(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)

2014年ASPワールドツアー
『Hurley Pro at Trestles』終了後のランキング
1位 ガブリエル・メディナ(BRA) 51,350pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 44,850pt
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 41,350pt
4位 ミック・ファニング(AUS) 39,600pt
5位 ミシェル・ボウレズ(PYF) 38,500pt


ASP公式サイト
http://www.aspworldtour.com/

photo: ASP Covered Images


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