コンテスト
ASPワールドツアー第6戦『J Bay Open』初日はジョーディが10ポイント!
FIFAワールドカップがブラジルでクライマックスを迎える頃、サーフィンの世界では2年間ツアーから除外されていた南アフリカ「J-bay」でのASPワールドツアー第6戦『J Bay Open』が開幕!
数日前から選手達の「instagram」で頻繁にポストされていたほど「J-bay」のラインナップは美しく、魅力的なフォルム。
初日となった現地時間7月10日も公式5-7ftレンジのまさに’ドリームウェーブ’そのもので、負けた選手も含め、トップ34の興奮が伝わってくるような素晴らしい一日でした。
MC席にはトレードマークの長髪をバッサリと切ってしまった(TVの企画でケリーがフィジーで優勝出来なかった場合の賭けに負けたため)オッキーことマーク・オクルーポや、ポッツことをマーティン・ポッター、親日家のトッド・クラインがスタンバイし、フィジー戦以来、約1ヶ月振りのワールドツアーがスタート。
オープニングヒートとなったR1のH1は、ミック・ファニング(AUS)がセバスチャン・ズィーツ(HAW)とディオン・アトキンソン(AUS)を相手に8.00を含むトータル15.00でラウンドアップ。
「子供の頃から憧れていた波の一つだった。だから、ここでのヒートは特別だし、優勝した時のことは忘れないよ。素晴らしい波だったけど、’デビルウィンド(サイド〜サイドオンショア)’が吹くとトリッキーになる。後半に良い波を2本乗れたのさ」とヒート終了後のインタビューに答えていたミック。
2002年、2006年と過去に2度今イベントを制した経験があり、「J-bay」のような世界有数のライトのポイントブレイクをホームにしているミック。今シーズンはすでに捨て試合にしなければいけない2つの悪い成績を残しているため、ここで好成績をあげてタイトル争いに返り咲きたいところでしょう。
カイ・オットン(AUS・写真上)がまるでオッキーが乗り移ったと錯覚させるパワフルなバックハンドターンでジョエル・パーキンソン(AUS)を下したり、ミシェル・ボウレズ(PYF)がダブルバレルを決めたり、カレントリーダーのガブリエル・メディナ(BRA)がアダム・メリング(AUS)に土壇場で逆転されたり、1996年の初優勝から4度も「J-bay」を制しているケリー・スレーター(USA・写真下)が’ケリー節’と言える誰もが唸るようなライディングを披露して勝ち上がったり、多くの見所があったものの、母国でのイベント復活を最も喜んでいたジョーディ・スミス(ZAF・写真最上部)の圧倒的なサーフィンの前には全てが霞んでしまうほどでした。
立て続けに9.80、9.50とパーフェクトに近いライディングを披露したジョーディは、最後の波で一番のセットを掴み、大きなオープンフェイスでのカービング、フローター、レイバック、バレルライド。ここで思いつく全てのパフォーマンスを完璧にメイクして10ポイントをマーク。まさに圧巻。初日はジョーディの独壇場だったと言えます。
「3年振りにここでコンテストが行なわれている。本当に待ち望んでいたことだよ。ヒートではベストな波に乗りたかった。後半はリーシュが切れてしまったけど、全ての出来事には理由がある。あの時間が心をリセットしてリラックスすることに結び付いたんだ。そして、ラインナップに戻ってから10ポイントが出たのさ」とジョーディ。
2010年、2011年と2年連続で今イベントを制したジョーディ。
前回の南アフリカでのW杯で話題になったブブゼラを持った熱狂的なサポーターも集まり、「J-bay」での3度目の優勝に向けてまずは快調な滑り出し。
海から上がった後はメディアやファンに囲まれ、身動きが出来ないような状態に。その中には憧れの眼差しで見つめる子供達の姿も目立っていました。
「ここには7歳の頃から来ている。’J-bay’の町の人達や波とは本当に良い関係を保っているよ。まだ観客の声援に十分に答えたとは言えないね。彼らはこのイベントを見るためにわざわざ南アフリカ全土からやってきたんだ。その姿勢とサポートにとても感謝しているよ。この場所がツアーに復活するのを知ったのは選手の中でオレが最初だったと思う。だから準備も万全さ」と念願だった母国での開催について意気揚揚と話していました。
ガブリエル・メディナ(BRA)とミシェル・ボウレズ(PYF)が共に2勝を上げ、その他にもカリフォルニアのナット・ヤング、コロヘ・アンディーノの上位入賞と今シーズンは明らかに昨年までと違うフレッシュなメンバーが活躍しています。
ランキング的にはやや乗り遅れた形ながら、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真上)もその一人。
2012年の6スター開催の時には南アフリカのローカルに敗れてしまったジョン・ジョンでしたが、あれから2年。確実に「J-bay」という舞台で自分だけにしか出来ない演技を披露。彼の革新的なマニューバーに目を奪われた方も多かったのでは?
「ジョーディのヒートを見て興奮してしまったよ。南アフリカには12歳の頃から来ているけど、とても素晴らしい場所だね。初めてここに来た時に一緒だったソニー・ミラーが悲しいことに昨晩亡くなってしまったんだ。それも含め、オレにとって’J-bay’は特別な場所さ」とジョン・ジョン。
心臓発作のために53歳で亡くなったソニー・ミラーに対して敬意を表していました。
★ソニー・ミラー=「Searching for Tom Curren」を代表作とするフィルムメーカー。
その他にR1を1位通過でR3へスキップしたのは、アリッツ・アランブルー(ESP)、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョシュ・カー(AUS)、コロヘ・アンディーノ(USA)など。
R1終了後に4ヒートだけ進行したR2は、ガブリエル(写真上)、ジョエル、ナット、ジュリアンが勝利してR3へ。
ブラジリアン初のワールドタイトル獲得が視野に入ってきたガブリエルはワイルドカードのデュラン・ライトフット(ZAF)を相手に7ポイント台を2本まとめて彼らしい堅実な試合運びを見せていました。
「デュランとのヒートはタフだと思っていたよ。全てのイベントに言えることだけど、ローカルを倒すのは難しいんだ。大きな波で大きなターンをする。そこに集中して賢明に戦ったのが勝因だね。ランキングのことは考えないようにしている。オレはただ自分のベストなサーフィンをしたいだけさ」とコメントを残していました。
ネクストコールは現地時間7月11日の朝7時30分(日本時間同日午後2時30分)
古い南南西ウネリはピークを過ぎて午後に新しい南南西ウネリが入る予報ですが、デビルウィンド(サイド〜サイドオンショア)からオンショアに変わる見込み。
ASP公式サイト
photo: ASP Covered Images
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