コンテスト
『Billabong Rio Pro』R2で番狂わせ!?
ブラジル・リオデジャネイロで開催中のASPワールドツアー第4戦『Billabong Rio Pro』は1日のレイデイの後、ウィメンズのR4、メンズのR2が進行。
ストームの接近に伴いサイズアップ傾向ながらオンショアも強まる一方となったメイン会場の「Barra Da Tijuca」は初日、2日目より更にトリッキーとなり、昨年のワールドチャンピオン、ミック・ファニング(AUS)がワイルドカードのデヴィッド・ドゥー・カーモ(BRA・写真最上部)に敗れるという番狂わせも...。
グーフィーフッターのデヴィッドはルース&パワフルなフロントサイドのターンで7.00をスコアすると今度はバックハンドでもバーディカルなトップアクションを披露して7.93を叩き出し、悪天候にも関わらずビーチに集まった沢山のブラジリアンサポーターを熱狂させ、トータル14.93でミックを撃沈。
珍しくエアリアルにトライしていたミックでしたが、ハイスコアには結び付かず、ベルズでの優勝の後一気に失速という形。マーガレットリバーを制したミシェル・ボウレズ(PYF)がベルズのR2で早々と敗れたり、今年は優勝後の次のイベントに魔物が潜んでいるのかも...。
「自分の国でミックと対戦出来ただけでも素晴らしいことだよ。こんな気持ちは初めて。ミックは昔から憧れの存在。彼は世界一さ。そのミックを倒せてとても嬉しいね。海に入る前、みんながオレの勝利を願ってくれ、それが大きなエネルギーになったんだ。ヒートでは全てを尽くしたし、ラッキーな部分もあったと思う。もし、オレが乗った波をミックが手に入れていたら、もっとスコアは出ていただろうね」とミックとの対戦を振り返ったデヴィッド。
一方、2012年のサンタクルーズ戦以来、久々にR2敗退という結果を出してしまったミックは、「ヒート前は全てが調子良かったんだけどね。狙っていたライトの波が来なかったのが敗因かな。それにデヴィッドの出来が素晴らしかったし、こんなこともたまにはあるよ。プレッシャーは無かった。みんながベストを尽くし、勝利のチャンスがある状況の中、今日は彼がオレを上回っただけの話しさ」とコメントを残していました。
デヴィッドの次のヒートには同じくワイルドカードのピーターソン・クリサント(BRA)が登場。
マンリーの『Hurley Australian Open of Surfing』でファイナルデイまで残った実力者のピーターソンも前ヒートの流れに乗ろうとケリー・スレーター(USA・写真上)を相手にチャージを繰り返したものの、ケリーにしてみれば嫌な流れを払拭するように冷静に序盤から着実にスコアを重ね、4〜6ポイント台のミドルスコア勝負を制してピーターソンを抑えてR3へ。
「今まで沢山のワイルドカードと対戦してきた。彼らとの勝負は油断が出来ないし、何が起こっても対処出来る気持ちが必要なのさ。今回も過小評価はしなかったよ」とケリー。さらに「今日の波ではフェイスに二つの良いターンが入れば良い方だった。今後波は上がる傾向みたいだし、チャンスが増えるよ。とにかく今日は厳しかったね。波の急激な変化に合わせてのターンすることが必要だったんだ」と話していました。
2011年に今イベントを制し、昨年もファイナルまで進んだエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)はフリーサーフィンで怪我をしたと情報が入っていましたが、グレン・ホール(IRL)とのH3では十八番のパワーサーフィンを爆発させ、バックハンドで6.93、5.73を重ねてラウンドアップ!
突然の激しいスコールも関係無く、エイドリアーノは自国での2度目の優勝に向けて力強い一歩を踏み出しました。
トリッキーなコンディションにクロスゲームが多かったR2。ここで負けた選手は最下位の25位の屈辱を味わうことになるため、ヒート終了のホーンが鳴るまで決して諦めません。
ジュリアン・ウィルソン(AUS・写真上)とブレット・シンプソン(USA)のカードは序盤にジュリアンが高さのあるバックハンド・ローテーションで8.60をマークしたものの、後半にフロントサイド・ローテーションで6.43、更にビハインドピークからテイクオフし、風の影響で乱れたフェイスにパワフルなトップアクションを繰り返して8.73を重ねたブレットが逆転。
残り時間僅かでニード6.54に追い込まれたジュリアンは、辛抱強く波を待ち、ラスト1分を切ってから再びバックハンドでローテーションにトライして成功。両者共に海から上がってスコアを待ち、6.77がコール。ジュリアンがラウンドアップし、ブレットは開幕から4戦続けて25位という厳しい結果に...。
別名ドリームツアーとも呼ばれ、世界中のコンペティターが憧れるワールドツアーですが、トップ34のメンバーにはミック、ケリー、ジョエルのように常に上位をキープする選手がいる一方、ブレットのように毎年リクオリファイギリギリのラインで戦っている選手も沢山いる厳しい世界なのです。
ジュリアンが笑顔でファンサービスをしていたのとは対照的にブレットは無言のまま控え室へ。
彼の周りには誰も寄せ付けないほどの重い空気が漂っていました。
その他、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ディオン・アトキンソン(AUS)、トラビス・ロギー(ZAF)、アリッツ・アランブルー(ESP)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ビード・ダービッジ(AUS)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、エイドリアン・バッカン(AUS)がラウンドアップを果たしています。
同時開催のウィメンズ『Rio Women’s Pro』は、ポーリン・アドゥ(FRA)、ココ・ホー(HAW・写真上)、ルーキーのアレッサ・クイゾン(HAW)&ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)が勝ち上がり、QFへ。
R2で見事なローテーションエアーをメイクさせてステファニー・ギルモア(AUS)を敗ったシルヴァナ・リマ(BRA)はここで姿を消すことに...。
以上のメンバーに加え、R3を1位通過したレイキー・ピーターソン(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)がQFを戦うこことになります。
ネクストコールは現地時間5月11日朝7時(日本時間11日夜7時)
11日は更にサイズアップ傾向ながら引き続き風は悪い予想。
週明けには風が変わり、コンディションも整いそうです。
ASP公式サイト
photo: ASP Covered Images
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