2013年ウィメンズワールドツアーを制したのは？

全8戦で争われる2013年ウィメンズワールドツアー。タイトルレースはポルトガル開催の最終戦『EDP Cascais Girls Pro』までもつれ込み、3勝のカリッサ・ムーア(HAW)をカレントリーダーとして2勝のタイラー・ライト(AUS)が僅か200ポイント差で後を追っていました。
上位6戦のベストリザルトを考慮しても、ポルトガルで一つでも上のラウンドに進んだ方がワールドタイトルを獲得出来る分かりやすい勝負となり、両者共にファイナルデイまで進出。

ファイナルデイはQFからスタートし、まずはカリッサがビアンカ・ベイタンタグ(ZAF)を下して、先手を打ちます。
タイラーの相手はフランス戦で優勝したサリー・フィッツギボンズ(AUS)で、まずはタイラーが主導権を握りますが、サリーが8.00を含むトータル16.33でタイラーを抑え込み、SFへ。
この時点でタイラーの逆転は不可能となり、カリッサ(写真最上部・下)のワールドタイトルが確定しました。

すでに次のSFのためにラインナップで準備していたカリッサはようやく決着がついた激しいタイトル争いの喜びを爆発！
海から上がってからのインタビューでは、「最高に幸せ。もう言葉もないわ。今朝起きて音楽を聞いている時、今日でやっと決着がつくと思い、自然に涙が出てきたの。父親やボーイフレンド、姉妹。全ての家族と友人が私のことを心から支えてくれた。みんなでシェア出来る特別なタイトルよ」とまずは一言。

終わってみれば全8戦中の大半をカリッサとタイラーが制し、優勝の山分けとなった今シーズン。
その勝負強さはもちろん、二人のサーフィンは急成長しているウィメンズサーフィンの中でも際立ってパワフルでした。

「タイラーとの接戦の上で勝ち取ったタイトルは大きな価値があるわ。彼女はとても若いけど、競争相手としては最強よ。今年の彼女との争いで何度駆り立てられたことか。色々なイベントを制し、私にとって大きな意味のあるシーズンになったわ」とカリッサ。

21歳のカリッサに対してタイラーは19歳。メンズよりも更に低年齢化が進んでいるウィメンズワールドツアー。
今年はステファニー・ギルモア(AUS)でさえファイナルに進めず、数年前までトップクラスにいたソフィア・ムラノヴィッチ(PER)に関しては全く勝てずに引退の危機まで迫っています。
来シーズンは若いメンバーが更に加わり、世代交代が進みそうです。

ルーキーイヤーから2年連続4位でフィニッシュしたタイラーにとって飛躍の年となった2013年。
エアリアルをスタンダードなマニューバーとして取り入れ、あともう一歩でタイトルの座を手に入れるところでした。

カリッサのタイトル確定後には、「素晴らしいシーズンになったわ。カリッサには心からおめでとう！と言いたい。彼女は素晴らしいサーファーだし、私も凄い刺激を受けた。今のツアーのレベルは非常に高いの。2014年のこの舞台もエキサイティングになるわよ。来年が本当に楽しみだわ！」と明るい表情で話していました。

なお、コンテストの方でもカリッサはSFでサージ・エリクソン(USA)を倒し、ファイナルではサリー(写真上)とのクロースゲームを制して優勝。
2度目のワールドタイトルに華を添えていました。

「間違いなく、最後は厳しいコンディションだったわ。ワールドタイトルを勝ち取った勢いが最終的に助けになったんだと思う。サリーはとても強い相手よ。先週、フランスで優勝した彼女はもう1勝を狙っていたんじゃない。私にとって素晴らしい一日になった一方、ガールズ達にとって凄い良い一年だった。2014年はもっと大きく、ベターになるわよ」とサリーとのファイナル、そしてシーズンを振り返ったカリッサでした。

ちなみに今回のメインスポンサー、「EDP」は風力発電、ガスを含む総合エネルギー企業。
ヨーロッパの風力発電の普及率は世界トップクラス。
環境問題とリンクするサーフィンのコンテストをサポートするのも自然な流れと言えるのでしょう。

ウィメンズワールドツアー最終戦
『EDP Cascais Girls Pro』結果
1位カリッサ・ムーア(HAW)
2位サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位サージ・エリクソン(USA)、ココ・ホー(HAW)

2013年2013年ウィメンズワールドツアー最終ランキング
1位カリッサ・ムーア(HAW) 59,500pt
2位タイラー・ライト(AUS) 55,700pt
3位サリー・フィッツギボンズ(AUS) 52,200pt
4位コートニー・コンローグ(USA) 45,300pt
5位ステファニー・ギルモア(AUS) 37,900pt

『EDP Cascais Girls Pro』公式サイト

photo: ASP Covered Images