コンテスト
『Billabong Rio Pro』終了!ランキングにも大きな動きが!
ゴールドコースト、ベルズのオーストラリアレッグを終了した時点でケリー・スレーター(USA)がカレントリーダー。ミック・ファニング(AUS)、タジ・バロウ(AUS)、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)が追う形で始まったブラジルでの第3戦『Billabong Rio Pro』はR1から6日間のレイデイの後、ウェイティングピリオドの最終日にかけて3日続けてコンテストがオン。
現地時間5月19日のファイナルデイはQFからスタートし、ファーストヒートからケリーvsエイドリアーノという豪華なカード。嵐が去ったブラジルのリオデジャネイロ・「Barra Da Tijuca」のビーチには沢山の熱狂的なギャラリーが集まり、世界最高峰のサーフィンレースを楽しんでいました。
ファイナルデイはサイズダウン傾向の公式2-4ftレンジ。ライト・レフト共にあるクリーンなフェイスのファンウェーブ。このサイズでもバレルが出現するクオリティの高さはさすがワールドツアーの舞台に選ばれるだけの場所。
ハイパフォーマンス続出の中、ファイナリストに選ばれたのはベルズで優勝したエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)とジョーディ・スミス(ZAF)の二人。
ファイナルは序盤にエイドリアーノが猛チャージを仕掛け、ギャラリーの大きな声援がライブ中継を通してでも聞こえたほど。中盤〜後半はエアリアルの応酬となり、ハイスコア連発のクロスゲームでしたが、後半に高さのあるダブルグラブエアーで9.30をスコアしたジョーディ(写真最上部・下)が僅かに上回り、優勝を決めました。
2010年、2011年に2年連続で南アフリカ「J-bay」を制したジョーディ。初めて自国以外でのイベントで勝利を手にした喜びはとても大きかったようです。
「この優勝、信じられない気持ちで一杯だよ。南アフリカ以外で優勝出来ることがやっと証明出来た。自分ではツアーの他のイベントでも勝てると思っていたけど、今は新たな夢が叶った気分だね。まずはギャラリー、そしてエイドリアーノに感謝する。彼はイベントを通して素晴らしいサーフィンをしていたよ。全ての友人、家族の大きなサポートにも感謝したい」と表彰台で優勝の喜びを語っていたジョーディ。
QFでは今イベントで沢山のASPファンの心を掴んだと言っても過言では無い18歳のフィリッペ・トレド(BRA)をコンビネーションスコアに追い込み、SFでは2Xのミック・ファニング(AUS)に対して固い試合運びでラウンドアップを果たしたジョーディ。ベルズでの3位も大きな手助けとなり、総合ランキングでは2位に浮上。
「厳しい勝負になると思っていたよ。今日、最初のヒートになったフィリッペの対戦の時からナーバスになっていた。幸いにもまずは一つ目を勝ち上がり、次のミックとの対戦はベターな波を待つ作戦で勝利。最後のエイドリアーノとの戦いはウネリが下がる傾向だったよね。彼がエアーを決めた時、オレも同じことをやるべきだと考えたんだ。ラッキーなことにオレの方がスコアが伸びたのさ」とファイナルデイを振り返っていました。
前戦のベルズでは南米の選手として初めて表彰台でベルを鳴らしたエイドリアーノ(写真上)。勢いに乗ったまま挑んだ自国のイベントでは優勝こそ逃したものの、総合ランキングではベルズ終了後の4位から一気にカレントリーダーの座を手にし、南米選手として初のワールドタイトルに向けて大きな一歩を踏み出しました。
表彰台では目の前にいる溢れんばかりのブラジリアンサポーターにポルトガル語でスピーチした後、ライブ中継を通して観戦している世界中のファンには英語で、「最後までベストを尽くせたよ。これも100パーセント応援してくれたギャラリーのおかげさ。心から感謝している。ジョーディの勝利を祝福するよ。彼は最後までオレを抑えていた。ブラジルを代表して表彰台に立てたことはとても嬉しい。今日はジョーディがベストだった。もう一度彼を祝福するよ」
自らも10代の頃から活躍し、今やブラジリアンの兄貴的存在になっているエイドリアーノ。次々と登場する実力あるヤングブラジリアンに手本を見せるようにプロとして重要な紳士的なコメントを残していました。
ブラジリアンの選手の場合、インタビューの最後にはポルトガル語のコメントが許されるのですが、基本的には英語で答えるのがマナー。表彰台で元ツアー選手、フラビオ・パラダッツがGTの翻訳をしていたことで分かる通り、全てのブラジリアンが英語を理解している訳ではありません。選手達はワールドツアーで戦う一環として英語を学んでいるのです。
今イベントではヤングブラジリアンの代表としてフィリッペの活躍が目立っていましたが、一つ年上のガブリエル・メディナ(BRA・写真上)の存在も忘れてはいけません。
ファイナルデイでは最もディープなバレルをメイクし、フィニッシュに高いエアーも披露してパーフェクト10!エイドリアン・バッカン(AUS)を抑え、SFではエイドリアーノを相手にバックサイドのエアーリバースで9.70をスコア。開幕戦で痛めた足首も心配無いと言えるでしょう。
「もう少しでファイナルだったのに...。でも、オレにとって良いイベントだったよ。足首の怪我は完璧に治ったし、残りのシーズンも順調に進めそうさ。オレを負かしたエイドリアーノを祝福するよ。フィジーでは更に上を目指したいね」と話していました。
前日にライバル達が次々と敗退してタイトル争いでは有利な立場となっていたケリー(写真上)。QFでは二つの小さなバレルを手に入れたものの、またしてもジャッジの判定は辛く、思うようにスコアを伸ばせないまま敗退...。
ヒート終了後のインタビューでは、「波はあったし、逆転出来るチャンスはあったと思うよ。エイドリアーノが優勝し、状況が一変したね。クウォーターファイナル進出は悪くない成績。少なくとも昨年よりベターさ。長い間待たされて、もしも昨日負けていたらショックだったろうけど、今回は5位だった。次はフィジーのことを考えるよ」と前向きなコメント。
昨年は怪我でブラジル戦をキャンセルしたことがタイトル争いに大きな影響を及ぼしたため、例えカレントリーダーから4位に転落してもポイントを重ねられただけでプラスと考えたようです。バリ島を挟んだフィジー、タヒチの南太平洋レッグはケリーが最も得意とする戦い。前半戦の重要な鍵となることでしょう。
次の第4戦は6月2日〜14日にフィジーで開催される『Volcom Fiji Pro』です。
その前にリオデジャネイロから東へ向かったサクアレマの「Itauna」で今シーズン2戦目となるプライム『Coca-Cola apresenta Quiksilver Saquarema Prime』が5月21日〜26日に開催されます。
日本人選手が参加していないのが寂しいですが、トップ34のメンバーを中心にメジャー選手が多数エントリーしており、素晴らしい戦いが期待出来そうです。
ASPワールドツアー第3戦
『Billabong Rio Pro』結果
1位 ジョーディ・スミス(ZAF)
2位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
3位 ガブリエル・メディナ(BRA)、ミック・ファニング(AUS)
5位 ケリー・スレーター(USA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、フィリッペ・トレド(BRA)
2013年ASPワールドツアー
『Billabong Rio Pro』終了後のランキング
1位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 18,500pt
2位 ジョーディ・スミス(ZAF) 18,250pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 18,200pt
4位 ケリー・スレーター(USA) 16,950pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 15,700pt
『Billabong Rio Pro』公式サイト
photo: ASP Covered Images
BCM の Facebook に「いいね!」をしよう
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。