4スター『HIC Pro』終了！サニー復活！？

今年で30周年を迎える『Vans Triple Crown of Surfing』の前哨戦、4スター『HIC Pro』がオアフ島・ノースショアのサンセットビーチで開催され、現地時間11月10日に終了。

ハワイアンを中心に集まった総勢144名の中にはサニー・ガルシアやオッキーことマーク・オキルーポなどの往年のスター選手の姿もあり、まだまだ若い者には負けないと言わんばかりにハードなリップを繰り返していました。

ファイナルデイはハワイアンサイズで4-6ftレンジ。ヘッドオーバーという表現でしたが、日本基準で考えるとダブル以上はあるクラシックなサンセットビーチでの戦いとなり、このブレイクらしいビッグターン勝負に！
細かいターンには全くスコアがつかず、どれだけ深くボトムターンをしてトップで太いラインを描けるかの男らしい戦いでした。

ファイナルは全てハワイアン。サニー・ガルシアを始め、現役ツアー選手のフレッド・パターチア。ハワイでのイベントではお馴染みのグランジャー・ラーセンと強豪揃いに、ダークホース、日系ハワイアンのグレッグ・ナカムラが加わった4人ヒート。

ファイナルで主導権を握ったのは序盤に8.50のハイスコアをマークしたサニー。長い手足を利用したダイナミックなライディングが印象的なグレッグが5.17をスコアしてセカンドポジションについていました。
フレッド、グランジャーがロースコア止まりの中、サニーは得意のエグるようなパワフルなターンを重ねて6.33のバックアップスコアを重ね、トータル14.83と2位のグレッグに9.66差をつけて後半に突入。
後半はグランジャーがチャージをかけて5.33に7.33を重ね、2位にアップしてサニーを追いますが、最後まで逆転は出来ず、サニーが久々に表彰台の頂点に立ちました！

「まずはオレの選手生活をサポートしてくれている全ての人達に感謝したい。こんなに長い間、夢を見続けていられるのも皆のおかげです」とサニー。さらに「オレのような昔トップにいて今は年を重ねてしまったアスリートが勝つのはとてもハード。衰えもあるし、どんどんと若い奴らが出てきて蹴落とされてしまう．．．。だから、今回はそんな若い奴らと対等に戦えて、尚かつ倒せたことが凄い嬉しいね」と表彰台で勝利の喜びを語っていました。

2000年にデレク・ホー以来のワールドタイトルをハワイに持ち帰ったサニー。
ツアーを引退した後もハワイのイベントには積極的に参加して2004年には6度目のトリプルクラウンの栄冠を獲得。
今年は20年振りに『HIC Pro』で優勝し、自身のレコードを塗り替えるべく7度目のトリプルクラウンを狙います。
(サニーには第1戦、第2戦のRound of 64からのワイルドカードが与えられる)

「やっと自分のいるべき場所に戻り、今年はトリプルクラウンもいけるような感じがする。もし、トリプルクラウンが獲れないと思うようになったら、それはオレが止める日さ。今のところ波はデカそうだし、それなら勝ち目もあるね。気分はもの凄い良い。最高さ」と話す姿は対戦相手なら誰もが嫌がる往年の’やんちゃ’なサニーそのものでした。

ちなみにサニーは現在カリフォルニアに定住の42歳で早くも孫がいる’グランドファザー’。
その一方でISAワールドマスターでは優勝を果たし、15キロもの減量にも成功。
そして、今回の優勝と同世代のサーファーの方には良い刺激になるのでは？

なお、今イベントには日本からも大野修聖、林健太、樹＆譲の田中兄弟、田嶋鉄兵、高橋健人、北田力也、寺井裕人、稲葉玲王、脇田貴之、川畑太志、佐藤魁がエントリーしていましたが、Round of 32まで進出した林健太の25位が最高位でした。

『HIC Pro』が終了し、次はいよいよ『Vans Triple Crown of Surfing』の初戦『Reef Hawaiian Pro』が11月12日〜24日にハレイワ・アリイビーチパークで開催されます。
ハワイのイベントは日本のいつものサーフィンと比較すると非日常的ですが、サーフィンの本質を知るにはこれ以上の舞台はありません。
波はもちろん、選手達のライディング、会場の雰囲気などライブ中継を通してでも十分に楽しめるので、ぜひチェックしてみて下さい！

4スター『HIC Pro』結果
1位 サニー・ガルシア(HAW)
2位 グランジャー・ラーセン(HAW)
3位 グレッグ・ナカムラ(HAW)
4位 フレッド・パターチア(HAW)

『HIC Pro』公式サイト

HIC PRO Finals Highlights


photo: ASP Covered Images