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「男の子はブルー、女の子はピンクの習慣」 - F+コラム

Text by つのだゆき

イヌトモに近所に住んでいるイギリス人の人がいて、毎朝いろんな話をしながら犬の散歩をしている。
今はリタイアしているけど働いていたころは英語の先生をしていて、日本語も話せるし、日本のこともよく知っているので、その考え方とか日英の違いとか、とても興味深い。
サーフィン界に身を置くものとしては、アメリカ人やオーストラリア人の友達はたくさんいて、よく話はするけど、イギリス人ってちょっといないなぁ、と思う。キング&クイーンの国って、なんか高尚な文化な感じ。
で、この間ひょんなことから、男の子はブルー、女の子はピンクの習慣の話になり、それってどこから来たのかなぁ、と不思議に思っている。

ベタな昭和レトロ世代の私は、ランドセルは男子黒、女子赤。超レアで時折黄色の子がクラスにひとりいるかいないか、みたいな時代に育った。ベビー服も性別がわかっていれば男ブルー、女ピンク、不明なら黄色、みたいなことが常識的にというか、普通にそういうもんだ、と思っていた。
今でこそ、東浪見小学校や一宮小学校の登校時のランドセルは赤黒を探すほうが難しいぐらいカラフルで、ブルーとかピンク、パープルとか、パステルっぽい色も多く見る。ジェンダーで色分けはナンセンス、という風潮も広がっているが、まだまだ、トイレとか赤と青で色分けされていたりして、そういえば海外のトイレサインに色分けの習慣ってないかも、と思う。サインはたいてい黒で、ピクトグラムで男女が分けられる、あるいは文字で書かれていたりするだけで、男女で色分けはないように思う。それはアメリカやオーストラリア、ヨーロッパも同じなので、日本特有のものと思われる。

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彼曰く、たぶんイギリスにはそういう性別で色分けの習慣はないと思う、ということだった。なぜなら彼は日本にきて初めてその習慣を知ったからだ。
80年代、彼がサラリーマン相手の英語の先生をやっていたころに本国からお偉いさんがやってきた。エグゼクティブな上司は、英国高級ブランドのシャツを着ていて、そのブランドの中でも特に有名なピンクの最高級シャツを着ていた。ダブルボタンのカフス、胸ポケット無しみたいな、伝統的スタイルのもの。あ、上流の人用のシャツには胸ポケットがないらしいです。シャツの胸ポケットというのは、労働者がツールやペンを入れるためのもので、働かない貴族には不要、みたいな。それはそれで、そっかー、って感じだったけど。
で、そのピンクシャツの上司は、日本人の生徒たちの間でピンキーと揶揄されていたらしい。80年代といえばまだまだステレオタイプのサラリーマン全盛期で、シャツは白、スーツはダークカラー、黒の革靴、ネクタイだけが個々の好み、みたいな時代だ。色柄物のシャツは自由業の人のものであって、特に女子色のピンクのシャツは、当時のサラリーマンたちにはとても奇異に映ったに違いない。

男がブルー、女がピンク、なんで? チコちゃんに聞いてみたい(笑)。アメリカのコミック文化発祥という説もあるけど、アメリカ人って別にジェンダーと色にこだわらないしな。まぁ、スーパーマンvsバービーってジェンダー差はあるか。
なんか、どうでもいいことなんだけど、そういう文化の違いというか、細かいことにもいちいちあるきちんとした理由とか、最近そういうことにものすごく興味がある。
日本文化というのはそういうお約束とかルールの文化ともいえるほど、古くからの習わしがたくさん生きている文化だと思う。
まだまだ知らないことってたくさんあるな、と思う今日この頃だ。

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