コラム特集
「故・小川直久プロのお別れ会」 - F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by snowy25日の日曜日、鴨川で先に亡くなった小川直久のお別れ会が行われた。
私は自分の中のその人のイメージを祭壇の遺影とかで上書きしたくなくて、不義理を承知で不幸ごとをスルーしたりする。同じ理由で病院へのお見舞いとかも不得意だ。やはり病床を見下ろす感じの画像で、私の中にあるその人の思い出を上書きしたくない。まぁ、現実を認めたくない、みたいな気持ちもあるんだけど、近しければ近しいほど、足が重くなってしまう。
しかしさすがに今回はスルーできなくて、出席した。でも、結果なんか行ってよかったかな、って思ったのはおそらく参加したみんなが感じたことだと思う。不幸ごとではあるので、不謹慎と言われればその通りで申し訳ないけど、ぶっちゃけ楽しかったなぁ。
英語にREUNITE、リユナイトという言葉があって、日本語に直すと再会するとか再結成するとか、まぁ、離れ離れになっていた人々が再び結びつく、みたいなことなんだけど、あのお別れ会は、小川直久という軸のもとに、みんなが久しぶりに一堂に会して無事を確認し、近況や思い出話に花を咲かせ、会場のここそこでは笑い声が聞こえるというような雰囲気で、まさにリユナイトという言葉がピッタリの集まりだったと思う。
きっとナオは派手な「お葬式」ではなくて、そういう、みんなで久しぶりに集まって楽しんでくださいよ、みたいなことを望んでいたんだろうなと思うし、これで満足してくれたんじゃないのかな、と思った。
何百人という参加者の中のほとんどが、あ、あの人知ってる、えーっと誰だっけ、とか、きゃぁ、10年ぶりとかじゃない? 元気? どうしてるの? とか、みんな本当に同窓会気分だったと思う。親子で参加している人も多くいて、何十年ぶりの再会なのでお子様のほうをその人と取り違えて認識してしまったり、やせたねとか太ったねとか、日常気にはなっているけど、連絡が取れていない人々にナオが会わせてくれてるんだな、と思いながら時を過ごした。
祭壇にはナオちゃんスマイル全開の写真とお花で作ったビッグウエイブ、パイプの板とヘルメット、サイドに設けられたスクリーンではパイプの10点満点を含む思い出映像が流されたりした。本当に不謹慎で申し訳ないけど、何かの受賞パーティみたいな、引退記念パーティみたいな、そんな明るい楽しみ方のできたお別れ会だった。
ナオ、バッチリだったよ。
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