コンテスト
『Billabong Rio Pro』はハワイの神童が制した!
現地時間5月9日にブラジルのリオデジャネイロで始まったASPワールドツアー第3戦『Billabong Rio Pro』はR1をレフトのポイントブレイク「Arpoador」で行い、R2以降はストームの通過によってサイズアップした「Barra Da Tijuca」で進行し、16日に終了。
ウネリのピークが過ぎたファイナルデイは波数こそ少なかったものの、公式3-5ftレンジはあり、整ったサンドーバーの上で割れるバレルや、クローズアウトセクションを中心としたエアリアルを上手く利用した選手が勝ち上がる展開に!
2年連続で自国での今イベントを制していたブラジリアンはQFで全て消えてしまい、SFにはパーコことジョエル・パーキンソン、ミック・ファニング、ジョシュ・カーのゴールドコースト出身のベテラン3人とノースショアの神童、ジョン・ジョン・フローレンスの4人が残っていました。
SFのH1、パーコ vs ミックはクロスゲームの末に0.83ポイント上回ったパーコが勝ち上がり、H2は序盤に綺麗なバレルをメイクして9.77を手に入れたジョン・ジョンがジョシュに圧勝。
ファイナルもジョン・ジョンの勢いは止まらず、ヒート開始直後にバックサイドで高さのあるローテーション(回転系のエアリアル)を決めて9.10。すぐにバックアップスコアの7.27を重ねてパーコをコンビネーションに追い込みます。
後半に8.27を返したパーコはコンビネーションこそ逃れたものの、リズムに乗り切れず、トータル16.37 vs 11.44でジョン・ジョン(写真最上部・下)がワールドツアー初優勝!
終了のホーンが鳴った後はパーコとハグを交わし、両手を高々と上げて喜びを表現していました。
「最高に嬉しいね!ラウンド1の’Arpoador’では調子が悪かったけど、数日間の休みの間に色々考えてみたんだ。優勝なんてちょっと信じられないし、呆然としているよ。自分のゲームプランに集中して対戦相手に気を奪われないようにしたのが勝因かな」とビーチから上がってすぐのインタビューに笑顔で答えていたジョン・ジョン。
世界で最も大きな舞台と言えるパイプラインの目の前で育ち、グロム時代から注目されていたジョン・ジョン。
その才能が一気に開花した昨年はトリプルクラウンを最年少で制し、今シーズンも5スター、プライムで優勝。
そして、今回のワールドツアー初優勝と19歳にして確実にワールドタイトルへの階段を上がっています。
「この結果は大きな自信になるよ。今回はパイプでの経験が役に立ったと言えるね。ここのバレルはまるでパイプ。こんな波の勝負なら負けないさ。実はブラジルではいくつかのヒートを通過出来れば良いかなと思っていた程度で、まさか優勝なんて予想していなかったんだ」とジョン・ジョン。
ジョン・ジョンが同年代の他の選手と大きく違うのはエアリアルだけでは無く、バレルに対して超一流だということ。
ジョン・ジョンにとってバレルの中に身を置くということは極めて自然で、波との一体感は驚くべきものがあります。冷静な判断力と勝負強さも特筆すべきこと。
これから控えているフィジー、タヒチでのジョン・ジョンのバレルさばきにも大きな注目が集まるでしょう。
ファイナルでは10歳以上も年下のジョン・ジョンに完全に抑えられてしまったパーコ(写真上)でしたが、今シーズンは5位、3位、そして今回の2位と好成績を重ねており、カレントリーダーのケリー・スレーター(USA)が怪我で不在の中、トップの座を手に入れました。
その件についてはパーコは、「調子は良いと思うよ。まだ長い道のりだし、先走りたくないけど、良い成績が続いていることにはストークしている。このポジションにいる時はいつもこう思うんだ。’自分のパフォーマンスレベルを最後まで維持したい’ってね」とコメント。
昨年はケリーに続く2位。その他にも過去3回2位の経験があり、怪我をした以外ほぼ毎年のようにタイトル争いに絡んでいるパーコにとって、シーズン前半にトップに立つのは通過点に過ぎず、重要なのは最後までこの位置をキープ出来るかということ...。
それは今まで何度もふるい落とされているパーコ自身が一番分かっているでしょう。
40歳のケリーが11回もワールドタイトルを獲得していることを考えると31歳のパーコにもまだまだチャンスはありますが、ジョン・ジョンを始めとした世代交代の波は確実に訪れているため、今年こそは初のワールドタイトルを手に入れたいところです。
なお、今回の結果を受けてケリーは8位にランクダウン。かかとの怪我のためにビーチブレイクでの勝負は厳しいと判断したものの、パーコの地元ゴールドコーストではケリーがポイントブレイクでバレルインを繰り返している場面を目撃されているため、6月3日からフィジーでスタートする第4戦『Volcom Fiji Pro』には姿を現してくれそうです。
BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!
ASPワールドツアー第3戦
『Billabong Rio Pro』結果
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 ミック・ファニング(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)
5位 ティアゴ・ピレス(PRT)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
2012年ASPワールドツアー
『Billabong Rio Pro』終了後のランキング
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 19,700pt
2位 ミック・ファニング(AUS) 18,250pt
3位 ジョシュ・カー(AUS) 18,200pt
『Billabong Pro Rio』公式サイト
Final Day Highlights - 2012 Billabong Rio Pro
photo: ASP Covered Images
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